第1回『「老後2000万円不足」のウソ、ホント』|横山FPに聞く老後の備え方

  • 公開日:2020年03月19日
    最終更新日:2020年06月26日
  • 貯蓄・投資

2020-06-26

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第1回『「老後2000万円不足」のウソ、ホント』|横山FPに聞く老後の備え方

昨年、老後2000年問題が大きくメディアに取り上げられ、将来について不安に感じた人も多かったのではないでしょうか?

また、それをきっかけに、年金だけでは足りない部分をどうやって貯めていったらよいか検討し、貯蓄や投資を始めた人もいるでしょう。

そういった背景ふまえ、「くらしのお金ニアエル」では、家計再生コンサルタントの横山光昭氏(株式会社 マイエフピー代表取締役)に取材を行い、老後2000万円問題とその対策についてお話を伺ってきました。

今回から、その内容を4回に分けて皆さんにお伝えしていきます。

第1回目は『「老後2000万円不足」のウソ、ホント』。お読みいただくことで、あなたが老後に不足する金額がいくらなのかについて、わかるようになるはずです。

1. はじめに

家計再生コンサルタント 横山光昭

みなさん、こんにちは。家計再生コンサルタントの横山光昭です。
今回から、この場を借りてみなさんとお金の悩み、問題について考えていくことになりました。

私はいままで、約1万人を超える人たちの主に家計に関する相談を受けてきましたが、お金の悩みは、誰にでもあります。

「なんとなく老後の生活が不安だ」
「子どもができたが、今後はどのような貯蓄をしていけばいいか?」
「貯蓄しないといけないのはわかっているが、ついつい浪費をしてしまう。どうすればいいですか?」
「夫婦で倹約しているつもりですが、お金が残らないのは、なぜでしょう?」
「それなりに安定した収入はあるのですが、今後、どういう投資をしていけばいいでしょう?」

という人まで、本当に人それぞれにお金の悩みを抱えています。
人それぞれ、お金の悩みは色々ですが、私が目指しているのは、「お金と上手に付き合う」ことで、「自分の人生をコントロールできるようになる」ということです。
 
お金と上手に付き合うことができれば、より自分が理想とする生き方、人生を実現しやすくなります。そのための第一歩を踏み出すにあたって参考になる情報を、お伝えしたいと思いますので、どうぞお付き合いください。

2.「老後2000万円不足」のモデルケースとは?

さて、早速ですが、最近とくに質問が増えたテーマとして「老後資金」があります。

老後というのは、すべての人にとって共通のテーマですから、そこに興味がわくのは当然と言えますが、不安ばかりが先行して、どうも問題の本質を勘違いされている人も多いようです。なので第1回目の今回は、この「老後資金」について取り上げてみたいと思います。
 
この「老後2000万円不足」が大きく取り上げられるきっかけとなったのは、昨年の6月に金融庁から発表された金融審議会の報告書からでした。

そこに書かれていた内容というのは、私からすると、これまでにも言われていたような至って普通の内容でした。

最初に確認しておきたいのは、この報告書でモデルケースとして紹介されていたのは、「夫65歳、妻60歳」という、平均的な夫婦の老後についてです。

前提となるのは、収入源が年金だけという無職の夫婦。したがって、この夫婦の収入は年金の月約21万円だけであり、平均的な生活パーターンから割り出した、月約26万円の支出だと、月に5万円の不足が生じるのです。

ですから、夫が85歳まで生きるとして20年間。マイナス5万円×12か月×20年だと約1200万円の不足。95歳までの30年間だと、1800万円の不足。

これが、「老後2000万円不足」問題の根底となった試算なのです。

■高齢者夫婦無職世帯の月間収支

高齢者夫婦無職世帯の月間家計収支

(出典)2017年 総務省「家計調査報告書」より作成

押さえておきたいのは、老後の生活に絶対に2000万円が必要とは書かれていないということです。

例えば、すべての人が老後に年金だけに頼る生活になるとは限りませんし、毎月26万円が必要になるとも限りません。

逆に言えば、21万円の年金だけで暮らすとなれば、21万の支出で収まるように生活すればいいと考える人もいるでしょうし、26万円がかかるというのであれば、あと5万円の収入源を考えるという人もいるはずです。

いずれにせよ、「老後2000万円不足」というのは、言葉だけが一人歩きしてしまい、その問題の本質を捉えていないというのが、私の見解です。

3. 「人生100年時代の到来」

では、報告書が一番言いたかったのは、どういったことなのでしょうか。
それは今後ますます顕著になるであろう、少子高齢化の実情と「人生100年時代」についてなのです。

■健康寿命と平均寿命(推移)

健康寿命と平均寿命(推移)
(出典)内閣府「平成30年版高齢社会白書」より作成

日本にとって「人生100年時代」への突入は、もはや待ったなしの状況と言えます。人の寿命が確実に延びている現在、年金だけでは老後の資金は賄えないというのが正直なところです。

したがって、自分の老後は自分で準備するしかありません。それもできるだけ早く準備しましょうという主旨であれば、あらためて自分の老後を考えるという意味で、今回の騒動もプラスに働いたのではないかと思います。

「老後2000万円不足」の主旨は、現役世代は積立運用などをして、2000万円程度を目指した資産形成をすることが望ましい、ということに過ぎません。

毎月5万円が不足するというのは、一つのモデルケースです。

ただし、

「今できることをしっかり行う」
「できるだけ多くの資産を保有し、何かしらの事態が起きた時にも耐えられるようにしておく」

が、大切です。

4. あらためて自分の老後を試算する手順

それでは、「ご自身の老後について考えみましょう」となった時、とはいえ何をどう考えていいのかわからないという人がほとんどだと思います。

そこで手順を追って考えていきたいと思います。

老後資金を考える上で厄介なのは、不確定要素が大きい点だと思います。なにしろ自分の寿命はわかりませんから、いったい何歳まで果たして何年分を用意すればいいかわかりません。

そうしたなかで、できるだけ誤差の幅を少なくするためには、確定できる要素をしっかり把握することが大切です。その第一番目は、自分の年金について知ることです。

日本の公的年金制度は、日本に住む20歳以上60歳未満が全員加入する「国民年金」と会社員や公務員が加入する「厚生年金」の2階建てになっています。

■公的年金制度のしくみ

公的年金制度のしくみ
(出典)厚生労働省の説明資料より作成

国民年金の加入者には1号〜3号まで3種類があります。

  • 第1号被保険者は主に自営業者などの国民年金加入者で、毎月定額の保険料を自分で納めます。
  • 第2号被保険者は会社員などの厚生年金加入者で、毎月定率の保険料を会社と折半で負担します。本人の負担分は毎月の給料から天引きされます。
  • 第3号被保険者は会社員や公務員に扶養されている配偶者(第2号被保険者の被扶養者)で、個人での保険料負担はありません。

公的年金は、原則として65歳からすべての人に「老齢基礎年金」が支給され、厚生年金に加入していた人はそれに加えて「老齢厚生年金」が支給される仕組みになっています。このほかに公的年金には、「障害年金」「遺族年金」が連動しています。

では、実際に自分の老後においていくら支給されるのか?

5. あなたの年金額はいくらなのか?

以下の図にしたがって、自分の年金額の目安を試算してみましょう。

■年金受給額の試算

年金受給額の試算

(1)老齢基礎年金の額

2019年度の老齢基礎年金支給額の満額から算出される金額は、65歳から年間78万100円となっています。これを12で割ると、月額で6万5008円が上限額となります。この金額については、物価や賃金の変動によって毎年見直されます。

上記図の計算式に自分のケースをあてはめると、将来もらえる年金額の概算を出すことができます。

例えば20歳から、これまで28年間納付していれば、国民年金(基礎年金)は下記の金額になります。

78万100円 × 保険料納付月数(12か月×28年)÷ 480 = 54万6070円

したがって1ヵ月の受給額(÷12)は、約4万5500円という計算です。
途中、保険料免除などを受けた場合はこの計算とは異なってきます。

自営業や個人事業主の場合は、公的年金として支給されるのは、原則としてこの老齢基礎年金だけになります。

(2)老齢厚生年金の額

厚生年金については、もう少し複雑な計算式が必要となります。したがって、あくまでも目安として捉えておきましょう。

国民年金に28年加入。厚生年金加入期間が25年として計算してみましょう。

上記図における「平均年収」とは、厚生年金の加入期間(原則60歳まで)の平均年収です。これを仮に400万円とすると

400万円 × 25年 × 0.005481 = 54万8100円

これに先の国民年金54万6070円を足した総額は109万4170円。これを月額にすると、約9万1180円となります。

会社員や公務員は、このように老齢基礎年金との合計額が支給されます。

(3)老後資金のシミュレーション

さて、ここからは、必要な老後資金のシミュレーションをしてみましょう。

■必要な老後資金の試算

必要な老後資金の試算

図の計算式にそって考え方を説明します。
まずは老後の1ヵ月の生活費を設定します。様々な考え方があるかと思いますが、ここでは、現在の生活費に0.8をかけています。これは老後生活の場合、現在の生活費よりも出費が減るのを前提としているからです。

次にそこから22.3万円を引きます。この金額は、2018年の総務省の家計調査における、高齢夫婦無職世帯の実収入の平均額です。この差額(プラスの場合)が、1ヵ月の赤字額となります。
※この22.3万円の部分は、前章で計算した自分の年金額やねんきん定期便に記載の年金額にしてみてもよいでしょう。

65歳~95歳までの30年間を老後生活の期間と仮定して、トータルの不足金額を計算し、さらに最後に1000万円を足したのは、家のリフォームや、医療や介護費用などを予備費として想定しておきたいためです。

では、現在の生活費が1ヵ月35万円として、実際に計算してみましょう。

35万円 × 0.8 = 28万円(Aの額)

(28万円 - 22.3万円)× 12ヵ月 × 30年 = 2052万円

それに予備費の1000万円を足した、3052万円が老後に必要となる計算です。

この式に自分の生活費をあてはめて計算してみると、老後資金として、いくら用意しておけばいいかが浮かび上がってくるはずです。

6. 最後に

今回は、「老後2000万円不足」問題が、実際にはどういうことなのかをご説明しました。そのうえで、老後の収入となる年金額の計算方法と、支出となる老後資金の計算方法を紹介しました。これで、自分の老後の収支の目安をイメージできるようになったのではないでしょうか?

次回は、引き続き老後の収支について、ライフスタイルによりどれくらい変わってくるかということを、いくつかのモデルケースを設定してシミュレーションしていこうと思います。

【横山FPに聞く老後の備え方】
第2回『老後資金2000万円で足りる人足りない人』|横山FPに聞く老後の備え方
第3回『お金を使い方で分けてみる「消・浪・投」』|横山FPに聞く老後の備え方
第4回『iDecoを活用して老後に備える!』|横山FPに聞く老後の備え方

※記事内容の利用・実施に関しては、ご自身の責任のもとご判断ください。

※掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。また個別の保険商品の内容については各商品の約款等をご確認ください。

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