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  • 公開日:2020年06月26日
    最終更新日:2020年06月26日

2020-06-26

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第4回『iDecoを活用して老後に備える!』|横山FPに聞く老後の備え方

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第4回『iDecoを活用して老後に備える!』|横山FPに聞く老後の備え方

老後2000万円問題を機に、家計再生コンサルタントの横山光昭氏(株式会社 マイエフピー代表取締役)に老後の備え方を伺うシリーズの第4回(最終回)です。

今回は、いよいよ老後資金を準備する方法として、iDeCoやつみたてNISAを活用した投資について解説していただきました。これらの制度は、所得税や住民税が軽減されるしくみになっており、それが長期にわたる投資を行っていくうえでの大きなメリットとなっています。

今回のアドバイスをきっかけに、これらの投資を検討してみてはいかがでしょうか?

1. 公的年金だけでは足りない部分をiDeCoで備えよう

これまで「老後資金2000万円不足」問題に触れ、自分自身の老後資金を考える際に基本となる公的年金の受給計算式を紹介しました。

おさらいとして、もう一度重要な計算式を再掲します。

■年金受給額の試算

年金受給額の試算

この計算式から試算すると、公的年金のみを頼りに老後の生活を送るのはかなり厳しいと、ほとんどの人が考えたのではないかと思います。そもそも自営業者や個人事業主は、国民年金の基礎年金しかないので、それだけで生活するというのは、計算上、不可能に近いのではと思えます。

そこで今回紹介する「私的年金」の活用が、非常に大きな意味を持ってくるわけです。ここでいう私的年金は、大きく分けると「確定給付型」と「確定拠出型」の2つに分けられます。

それぞれ簡単に説明すると、「確定給付型」は、将来の給付額をあらかじめ確定して運用するもので、運用、管理は企業が一括して行います。

「確定拠出型」は、掛け金を確定して運用するもので、加入者が運用、管理することになります。そして、拠出金と運用収益の合計額をもとに給付金が決定されます。したがって、将来の給付額は運用実績によって変動することになります。
さらにこの「確定拠出型」は、「企業型(企業型DC)」と「個人型(iDeCo=イデコ)」に分類されます。

iDeCoに関しては、これまでの加入条件が取り払われて、誰もが加入できることや加入期間を延長して65歳まで引き上げるなどの改革案が採用される見込みです。

■年金のしくみ

年金のしくみ

さて、この私的年金についてですが、以前にも説明した公的年金の1階を国民年金(基礎年金)とし、2階を厚生年金と考えた場合、3階にあたる部分と考えるとわかりやすいのではないかと思います。

公的年金で足りない部分については、従来は「コツコツ貯金しよう!」と考える人も多かったと思います。しかし残念ながら、現在、銀行に普通預金で預けたところで年利はたったの0.001%。定期預金であっても0.002%です(2020年6月時点)。日銀が発表した、2021年の物価上昇率の予測1.6%を勘案すると、なんと1年後には実質マイナスになるという計算もできます。

そこで私がお勧めするのは、年金の3階部分の構築に関して、個人型確定拠出年金(=iDeCo)を活用する方法です。iDeCoの最大のメリットは、毎月5000円から始められるという手軽さと、なんと言っても税制上の優遇があることです。

ではさっそく、iDeCoについて解説していきましょう。

2. iDeCoを利用すると、所得税・住民税の負担が軽くなる

iDeCoは、老後の年金を自分で用意するための制度で、毎月の掛け金をどのような商品で運用するかを自分で決定します。

2-1. iDeCoを利用すると、所得税・住民税の負担が軽くなる

iDeCoへの掛け金は、全額が所得控除の対象になります。したがって所得税や住民税の負担が軽くなるというメリットがあります。所得税では拠出額の自分の所得税率分。住民税では、拠出額の約10%の負担減があります。

これが金額ベースでどれくらいになるか試算してみましょう。
例えば、独身で年収500万円の会社員で考えてみます。この場合、所得税率は10%になります。したがって月々2万円ほど積み立てたとすると、1年間の節税額は所得税と住民税を合わせて4万8000円(2万円×12ヵ月×20%)。30年で計算すると144万円(4万8000円×30年)です。

次に、課税所得が300万円で所得税率が10%の個人事業主が例えば拠出額上限の毎月6万8000円を積み立てたとします。この場合だと1年間の節税額はなんと16万3200円。30年で換算すると、なんと489万6000円の節税額になるのです。掛け金が大きいほど節税額は大きくなります。

節税のメリットはこれだけではありません。
投資信託などの金融商品については、運用益に対して所得税、住民税などで20.315%の税金がかかりますが、確定拠出年金については非課税となります。

■iDeCoの拠出額に応じた節税額

iDeCoの拠出額に応じた節税額

*1 公務員や確定給付年金のある会社員の上限額 *2 企業型DCだけがある会社員の上限額 *3 企業年金のない会社員や主婦の上限額
*4 自営業者の上限額
※上記税率は所得税と住民税の合計で復興特別所得税は含んでいません
※年収への換算は会社員で妻と子1人の世帯を前提、節税額は概算

ここまでは掛金についての話をしてきましたが、こんどは将来の受け取りに関してです。iDeCoには、以下の3つの受取方法があり、自分で選択します。

iDeCの受取方法

  1. 一時金として一括で受け取る
  2. 年金として5年以上20年以内の期間で受け取る
  3. 両方の仕組みを合わせて受け取る

そして、iDeCoを年金として受け取る場合には公的年金控除が適用でき、一時金で受け取る場合には退職所得控除が適用できるなどのメリットがあります。

30歳から30年積み立てたとすると、一時金として受け取る場合には1500万円まで。65歳から公的年金と合算で受け取る場合には、年120万円までは税金がかかりません。

2-2. iDeCoを利用するときの注意点も覚えておこう

良いことづくめのiDeCoですが、注意点として次の3つを考慮しておかねばなりません。

iDeCoの注意点

  1. 60歳まで途中解約、引き出しができない
  2. 口座維持・運用のための手数料が必要
  3. 元本割れの可能性がある

1.については、老後の資金づくりとして、すぐに使う予定のないお金で投資するのであれば問題ないのですが、途中で子どもの教育費や家の購入などでお金を使う必要が高い場合は、後に紹介する「つみたてNISA」の方が自由度が高いと言えるでしょう。

2.については、iDeCoは、取り扱いがある金融機関であればどこでも口座を開設できます。加入時の手数料は無料としている金融機関も多いのですが、iDeCoは、国民年金基金連合会が実施している制度であるため、必ずそこへの手数料は発生します。金融機関の手数料については各社差があるので、事前に調べておくとよいしょう。

3.については、利用する商品により運用成績に差が出るので、なかには元本割れする商品もあることは理解しておくべきことでしょう。

2-3. つみたてNISAとの組み合わせがメリット大

上記iDeCoの注意点にあげた、途中解約、引き出しができないというデメリットが重要視されるのであれば、それを回避する商品として「つみたてNISA」を検討するべきでしょう。

「つみたてNISA」(少額投資非課税制度)は、iDeCoと同様に運用益が非課税となる制度です。年金制度ではありませんが、長期的な投資を支援する制度で、金融庁が定める厳しい条件をクリアした投資信託とETFの商品で構成されます。したがって、長期投資に向いた、リスクの少ない投資商品として、投資初心者が老後資金を作るのにも適しています。

iDeCo同様、20.315%の所得税・住民税はかからず、2037年までに投資した分については、最長で20年間非課税となります。そして、iDeCoが途中解約、引き出しができなかったのに比べ、つみたてNISAはいつでも引き出しが可能です。

ただし、非課税の枠は年間40万円までと決められています。

今回のテーマである「老後資金」という意味では、私はiDeCoをお勧めしていますが、事情によりつみたてNISAの方が適しているという方もいるでしょう。

■iDeCoとつみたてNISAの比較

iDeCoとつみたてNISAの比較

もう一つ、私がお勧めする方法として、iDeCoとつみたてNISA の併用があります。
この2つを併用することで、節税率をさらに拡大することが可能です。

次の表は、30歳の会社員で年収480万円(退職金が1千万円と仮定)の人が、毎月、iDeCoに1万8000円、つみたてNISAに1万円投資したときのシミュレーションです。

ここでは、利回りを3%ととし、受け取りは一括としています。

■iDeCoとつみたてNISAの併用シミュレーション

iDeCoとつみたてNISAの比較

※iDeCo、つみたてNISAの利回りを3%と仮定

上記シミュレーションでは、所得税・住民税の軽減、運用益の非課税効果の合計が、なんと227万9069円にもなる計算です。

これを使わない手はない! というのが、私の見解です。

3. 本シリーズの振り返り

今回のインタビューを振り返る横山FP皆さんいかがでしたでしょうか。
今回は全4回にわたって、主に老後資金についての考え方をご紹介しました。

第1回『「老後2000万円不足」のウソ、ホント』では、一つのモデルケースとして老後2000万円が足りなくなる試算を解説しました。

そして第2回の『老後資金2000万円で足りる人足りない人』では、実際には、さまざまライフスタイルがあり、また、それぞれの家計の状況に合わせた考え方が必要なことを述べました。
さらにここでは、老後の資金を確保するためには、1.収入を増やす、2.支出をコントロール(節約)する、3.投資で資産を増やすの3つがあることも述べています。

第3回『お金を使い方で分けてみる「消・浪・投」』では、その分類の仕方と配分について詳しく解説しました。ここでのポイントは支出を消費:浪費:投資の3つに分けて、それぞれの割合を70%:5%:25%にすることでした。

そして今回が第4回。『iDeCoを活用して老後に備える!』と題し、税金軽減効果のある投資としてiDeCoを中心に解説しました。

今後はますます投資の重要性が上がってくると思っています。投資は時間を味方にすると絶大な効果を生みます。ぜひ検討していただければと思います。

4. 最後に

最後の結びの言葉を語る横山FP

最後になりますが、世の中には多くの情報があふれていることは皆さんもお気づきだと思います。

そして、今回の特集を組ませていただく契機になった「老後2000万円足りない問題」に見るように、情報に踊らされる場面も多いようです。

これからは、より個々の情報分析が必要になる時代です。それぞれのライフスタイルや状況に合わせて、自分自身で判断する習慣を身につけることが大切です。今回の記事が、皆さんのそうした契機になれば、幸いです。

【横山FPに聞く老後の備え方】
 ・第1回『「老後2000万円不足」のウソ、ホント』|横山FPに聞く老後の備え方
 ・第2回『老後資金2000万円で足りる人足りない人』|横山FPに聞く老後の備え方
 ・第3回『お金を使い方で分けてみる「消・浪・投」』|横山FPに聞く老後の備え方

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