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葬儀費用に備える保険|正しく選ぶための知識と費用の備え方

  • 公開日:2017年07月18日
    最終更新日:2023年07月06日
  • 生命保険

2023-07-06

https://www.kurashino-okane.com/life-insurance/funeral-expenses-ins/

もし、自分が死んでしまったときに、葬儀費用はきちんと家族に残したい。そのために保険に入っておこう。

そんなふうに考えている人は多いのではないでしょうか?
確かに自分の葬儀費用に備える場合に、一番に選択肢として思いつくものは保険だと思います。保険は死亡というタイミングで確実にお金を残すことができるので、最適な商品の一つと考えられます。

しかし、生命保険にもいろいろな種類があります。葬儀費用の準備として適した保険とそうでない保険があります。また、一番大切なことは「葬儀費用が残すこと」なのですから、実は状況によっては保険ばかりに固執する必要がないケースもあります。

この記事では、葬儀費用がどのくらいかかるのか、そしてその葬儀費用に備えるのに適した保険は何かを説明するとともに、タイプによってどのように葬儀費用を残していくのがよいのかを解説していきます。ぜひお読みいただき、あなたにあった葬儀費用の備え方を見つけてください。

1.葬儀費用の目安は約200万円

ひと言で葬儀費用といっても、式の内容はもちろん、その金額も請け負う葬儀会社や地域によってさまざまで、一概にいくらとは言いがたいものです。そこで一応の目安として調査データをもとに考えてみましょう。

日本消費協会が行った「第11回葬儀に関するアンケート調査報告書」では、葬儀費用の金額は約196万円という結果が報告されています。このことから、葬儀費用はおよそ200万円を用意しておくとよいということがわかります。

2.葬儀費用に備える保険は終身保険が原則

葬儀費用として、およそ200万円が必要なことはわかりましたが、全ての人がそう簡単に現金を残せるとは限りません。残せないときは、やはり保険で備えるということになってきます。

その場合に加入する保険は、原則は終身保険でしょう。終身保険は、死亡保障が一生涯続く保険なので、保険期間を気にすることなく、いつ死んだとしても保険金を受け取れるからです。

葬儀費用のためだけに終身保険に加入するなら、死亡保険金を200~300万円で契約するとよいということになります。

ちなみに終身保険は貯蓄性がある保険なので、保険で葬儀費用をまかなう必要性がなくなった場合などは、解約して返戻金を老後の生活費などに使うこともできます。

終身保険のしくみや特徴については、「終身保険とは?|その特徴と確認すべき3つのポイント」をご参照ください。

3.葬儀費用を残すときの注意点

現金にせよ終身保険にせよ、葬儀費用としてお金を残すなら、一つ気をつけておかなければならないことがあります。それは「このお金(現金、終身保険)は葬儀費用である」ということを相続人に明確に伝えておかなければならないということです。

なぜならば、残された家族に伝えていないと、用途がわからずに別のことに使われてしまい、葬儀費用の負担について相続人の間でトラブルになることもあり得るからです。そうならないためには、遺言などで用途を明文化しておくことが大切です。

また、現金を銀行口座に残している場合は、死亡後に口座が凍結されてしまい、相続が証明できるまで引き出しができなくなりますので、その点にも注意が必要です。

4.増えてきた「葬儀保険」について

最近では、葬儀費用に備える専用の保険として、「葬儀保険」なる商品が増えてきています。

葬儀保険とは、葬儀費用を残すことを目的とした、高齢者でも入りやすい掛け捨ての生命保険です。少額短期保険会社や共済などから販売されていて、保障額が比較的小さい保険です。

4-1.葬儀保険のメリット

葬儀保険のメリットは、その名の通り「葬儀費用のための保険金」だということがわかりやすいことです。また、通常の生命保険で必要な健康告知がない、または告知があったとしても簡単であるため、持病のある方でも入りやすいということです。また80歳を超える高齢の方でも加入できる商品があります。

また、死亡したときには保険金が受取人に支払われるので、銀行口座の凍結の影響を受けなくてすむこともメリットです。

4-2.葬儀保険のデメリット

デメリットは、掛け捨ての保険であるため、長期間加入していると元本割れになってしまう可能性もあるということです。したがって若い人が長期間加入するよりも、高齢の方で通常の保険に入れない方が加入するような役割の保険といえそうです。

5.必ず知っておきたいタイプ別葬儀費用の備え方

ここまでみてきた、葬儀費用やそれに備える保険の現状を踏まえて、タイプ別の葬儀費用の備え方をまとめてみます。

5-1.十分な現金を残せる人なら無理に保険に加入しなくもてよい

一般的な葬儀費用はおよそ200万円かかりますが、もし、それだけの現金を残すことができるのであれば、無理に保険に加入する必要はないといえるでしょう。

5-2.保険という確実性を求める人なら終身保険が第一候補

たとえ今は200万円の現金があったとしても、将来何かの事情でそのお金を使わなくてはならない状況になるかもしれません。そのようなリスクを排除して、できるだけ確実に葬儀費用を残したいのであれば、終身保険に加入するとよいでしょう。

保障が一生続くので、残された家族は葬儀費用としての保険金を確実に受け取ることができます。

また、終身保険には加入時に一括で保険料を支払う一時払い終身保険もあります(大きく得をすることはありませんが、一定期間経過すると解約しても損をすることがない商品です)。まとまったお金を保険という商品に変えたいときに有効な保険です。

どちらのタイプの終身保険にするかは以下の使い分け方を参考にするとよいでしょう。

終身保険と一時払終身保険の使い分け方

  • 葬儀費用を少しずつ準備するなら
     ⇒ 通常の終身保険
  • 既に十分な現金があって、保険として明確に葬儀費用を残したいなら
     ⇒ 一時払い終身保険(銀行口座凍結にも備えられる)

5-3.終身保険の加入が難しい人なら葬儀保険か積立貯蓄を検討

健康上の問題や年齢などで終身保険に加入することが難しい場合は、葬儀保険か積立貯蓄を検討するとよいでしょう。

5-3-1.加入しやすい葬儀保険

4章でもお話したとおり、健康告知が軽く高齢の方でも加入しやすい保険です。ただし、商品や加入年齢にもよりますが、長期間加入すると、受け取る保険金よりも支払う保険料の方が多いということになるケースもあります。何十年も入り続けたら損をする(元本割れ)可能性も出てきます。加入前に十分にシミュレーションをすることをおすすめします。

5-3-2.損はしない積立貯蓄

毎月一定額ずつ積み立ててお金を貯めていける、銀行や郵便局でおなじみの預金・貯金です。利率は低く、お金を増やすことは期待できませんが、葬儀保険などで元本割れを起こしそうな場合は、積み立て貯蓄に変える方がよい場合もあります。

どちらにするか冷静に判断しましょう。

6.まとめ:葬儀費用を決め、トラブルの元を明確にする

葬儀費用を残すための方法は、保険でいうと終身保険や葬儀保険が一般的で、そのほかにも死亡保障や貯蓄性のある保険などを使うことができます。また保険以外にも、預金や貯金などで地道に貯めていったり、その他金融商品などいろいろと活用できるでしょう。

そのなかで一番に考えるべきこと、大切なことは「葬儀費用を確実に残すこと」「残された家族の不安やトラブルをなくすこと」の2つです。

この2点を踏まえて、葬儀費用としてどのくらいの金額を残すかを決め、そのために適した方法を選択するようにしましょう。また後々、残された家族のトラブルにならないように遺産分割とあわせて葬儀費用のことも遺言にしておくとよいでしょう。

敷田 憲司(Webマーケティングコンサルタント)執筆:敷田 憲司 (Webマーケティングコンサルタント)
1975年福岡県北九州市生まれ。SEOやPPC広告運用、コンテンツ企画からライティングも行うサッカー大好きなコンサルタント。書籍も多数執筆。金融システムの開発や保険サイトに携わった経験から、保険や金融の有益な情報を届けします。

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