安いだけじゃない! 格安スマホ乗り換え体験記

2022-04-06

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最近、「格安スマホ」という言葉に触れる機会が増えていませんか? 「ちゃんと使えるの?」「本当に安くなるの?」など、疑問を抱く方も少なくないはず。そこで今回は、大手キャリア一筋15年だったライターが格安スマホに乗り換えるまでと、1年以上使用した感想をレポートします。

1.格安スマホってなに?

最初に、「格安スマホ」について解説します。NTTドコモなどの大手キャリアとの違いなどにもクローズアップしていきます。

1-1.格安SIM?格安スマホ?

「格安SIM」は、自前の通信回線設備を持たない「仮想移動体通信事業者(MVNO)」が提供する安価なモバイル通信サービスを使用するたにスマホに内蔵するICカードを指します。NTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクなど大手キャリアから設備を借りて低コストで運用しているため、安い料金でサービスを提供できるのが特徴です。

その格安SIMを利用したスマートフォンが「格安スマホ」。「楽天モバイル」や、オプテージが運営する「mineo」、UQコミュニケーションズの「UQモバイル」をはじめ、数多くの企業が参入し、競争が激化しています。

1-2.大手キャリアとの違いは?

格安スマホは、大手キャリアのスマホサービスと何が違うのでしょうか。ひとつは、やはり価格端末本体価格や月々の通信料は、格安スマホのほうが安くなっています。事業者によっては、月々1,000円台の料金プランを選ぶこともできます。

2つめは、通信速度。格安スマホは「借りている設備」で通信を行っているため、回線が混雑した際には大手キャリアの通信が優先されます。このため、格安スマホは通信速度が不安定になる傾向にあります。

3つめは、サービス。大手キャリアは全国各地に店舗を構えていますが、格安スマホ事業者の実店舗はそれよりもはるかに少なくなっています。電話やメールでのユーザーサポートに比重が置かれています。

2.大手一筋15年!筆者が格安スマホに乗り換えるまで

格安スマホの概要がわかったところで、大手キャリアのauに15年間加入していた私が、なぜ格安スマホに乗り換えたかをお話しします。

2-1. 暮らしを圧迫?悩みだった通信費

私がはじめて携帯電話を持ったのは、高校生だった2003年。兄の友人がショップに勤務していたことから、auに加入しました。それから15年間、なんの疑いも持たずに「au一筋」を貫いてきました。

格安スマホの存在は知っていましたが、「安かろう悪かろう」「通信速度が遅くて使い物にならない」という先入観があり、ほとんど気に留めていませんでした。

転機は、2018年。ライターとして独立したのを機に、月々必ずかかる費用を改めて確認してみました。その結果、通信費がかなりのウエイトを占めていることに気づきました。当時の月々のスマホ代は9,000円ほど。1万円を超える月もあり、じわじわと暮らしを圧迫していることが明らかになったのです。

2-2.そして、決断!大手キャリア卒業

ある種の焦りを感じながら、インターネットで情報収集をしました。その結果、バカにしていた格安スマホも、それなりの速度が出て、本当に通信料が安いことがわかりました。また、一足先に格安スマホユーザーになっていた複数の友人にも話を聞き、「デメリットはあるが限定的で、通信料は安くなる」と判断。大手キャリア卒業を決断したのです。

とはいえ、たくさんの事業者からどこを選べばよいのかがわかりません。仕事の合間に立ち寄った家電量販店で、店員さんをつかまえて、料金体系や通信速度、メリット、デメリットなどを徹底的に質問しました。2時間後、誠実な店員さんのおかげで、ついに「卒業」を実行に移せたのです。

2-3.通信会社を決めたモノサシとは?

私が加入を決めたのは、UQモバイルでした。決め手は、通信速度の安定性。動画の視聴やゲームなどはあまりしないのですが、LINE通話なども使用するので、通信速度は私にとって重要な要素でした。お店で閲覧した調査会社のデータでは、UQモバイルの通信速度は他社を凌いでいたのです。

また、仕事上、通話もそれなりにするため、無料通話がついたプランがあったのもポイント。端末も、私の希望するiphoneSEを実質1万円程度で購入でき、初期費用も抑えられました。

3.使ってわかった!格安スマホのメリット・デメリット

格安スマホから乗り換えて1年。使い続けて抱いた、率直な感想を紹介します。

3-1.通信費の大幅削減に

まずはやはり、大幅に減った通信料です。月額9,000円だったものが、1年間の平均で月額2,500円まで削減することができました。毎月6,500円、年間だと78,000円の節約。浮いたお金を活用して、パソコンを新調しました。

なお、加入から14カ月目以降は、基本料金に1,000円が上乗せされるので、2年目からの通信料は上がる見込みです。

3-2.「縛り」が少ない料金体系

大手キャリアといえば「2年縛り」。契約した月を基準に、きっかり2年後に解約をしなければ、高額な違約金(契約解除料)が請求されるというものです(※)。UQモバイルを含め、格安スマホ事業者の多くは、この2年縛りを採用していません

また、料金体系もシンプルで柔軟だと感じました。私は通信量が多い月は、無料通話最大120分・データ通信最大9GBの「プランM」(2,980円)を、少ない月は無料通話最大60分・データ通信最大3GBの「プランS」(1,980円)を選択。料金プランはアプリですぐに変更できるので、ストレスフリーでした。

※2019年6月現在、総務省によって高額な違約金を課す「2年縛り」を禁止することが検討されています。

3-3. なくても良かった!? 大手キャリアサービス

「大手キャリアにあって、格安スマホにないもの」の代表は、キャリアメール。長年親しんだ「@ezweb.ne.jp」のアドレスがなくなるのは寂しいものがありましたし、年配の親戚や知人との連絡ツールとして残しておきたい気持ちもありました。しかし、フリーメールやSMS(電話番号によるショートメール)で十分代替可能です。

また、au時代に慣れ親しんだ「無制限通話サービス」も、なくなっても支障がなかったサービスのひとつです。友人との通話は専らLINEに取って変わり、仕事でもビデオチャットをする機会が増加。格安スマホにして、改めて無制限通話は必須ではないことに気づきました。

3-4. ちょっと不便! デメリットあれこれ

デメリットと感じていることもあります。1つは、LINEのID検索ができないこと。「IDで追加しておいて」と言われても、UQモバイルを含めた格安スマホでは対応できないことがほとんどです。ただ、QRコードなどで代用はできるので、致命的なデメリットではありません。

また、混雑時に速度が落ちることもデメリットです。ランチタイムや夜間など、「明らかに速度低下している」と感じる瞬間があるのは事実。ひどい時には、画像とテキストだけのニュースサイトすら表示に時間がかかる場合もあります。

4.まとめ:格安スマホは、こんな人にオススメ!

格安スマホに乗り換えて1年間利用した筆者の体験談、いかがでしたでしょうか? やはり最大のメリットは、大手キャリアと比べて、通信料が安く抑えられること。そして、無駄を削ぎ落としたシンプルな使い方ができることです。

ただし、実店舗が少ないため、対面サービスが必須という方にはおすすめできません。また、日常的に長時間通話をする必要がある方や、データ通信の品質にこだわる方も、大手キャリアにとどまった方が良いと感じました。

格安スマホに向いているのは、安く、シンプルにモバイル通信を使いたいという方。気になったら、ぜひ比較・検討してみてはいかがでしょうか。

※この記事の情報は2019年6月末時点のものです。

佐藤 史親 (編集者・ライター)執筆:佐藤 史親 (編集者・ライター)
1987年山梨県富士吉田市生まれ。タウン紙記者、雑誌編集者として勤務後、フリーの編集者・ライターに。モットーは、きめ細かな取材・調査に基づいた記事づくり。お金に関する話題も、わかりやすくお届けします。

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