中学生になってかかるお金はどれくらい?公立か私立かで大きな差!

2022-04-06

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小学校から中学校に上がり、具体的にどれくらいのお金が必要になってくるのか、気になるママパパも多いのではないでしょうか。

今回は、中学生になってかかる教育費ついて、公立・私立別に解説していきます。

1.私立は公立の約3倍!? 中学生でかかるお金を大公開!

文部科学省がおこなった「平成30年度子供の学習費調査」をもとに、中学生になってかかる学習費用の総額と詳細をみてみましょう。

1-1.公立と私立で大きな差!中学校でかかるお金の総額は?

公立中学校の1年間の学習費総額(※) は約48万8,000円。対して私立中学校は約140万6,000円と、3倍近い差が生じています。

※「学習費総額」とは、通学費も含む学校教育ににかかる「学校教育費」、「学校給食費」、習い事や塾の費用などを含む「学校外活動費」の合計となります。

■中学校の学習費(公立・私立別)

区分公立私立
学習費総額488,397円1,406,433円
 うち学校教育費138,961円1,071,438円
 うち学校給食費42,945円3,731円
 うち学校外活動費306,491円331,264円

※文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」より

さらに学年別のデータをみていくと、公立の場合、中学1年が約46万円、2年が約44万円、3年は約57万円と中学3年が最もお金がかかっています。この中学3年時は公立の幼稚園・小学校・中学校・高校のなかでも最も学習費総額が高いことが同調査から明らかになっています。

私立の場合は、1年が約162万円、2年が約123万円、3年が136万円と中学1年時に最も多くお金がかかっています。おそらく私立の場合、入学金など1年時にまとまったお金が必要になることが主な要因ではないかと考えられます。

1-2.私立は授業料や通学費などが発生

公立と私立を比較した場合、圧倒的な金額の差が生まれているのが「学校教育費」です。私立は公立の8倍弱の金額となっています。

「学校教育費」の内訳を見ていくと、私立の学校教育費の中で最も金額が高いのが授業料で、約43万円。公立は授業料がかからないこともあり、この差が大きな要因となっています。次いで入学金や施設費などを含む「学校納付金等」の約31万円、定期代などの「通学関係費」約14万円が私立中学の大きな費用となっています。一般的に、私立は公立と比べ遠距離の学校に通学する傾向にあることが費用の面からも見てとることができます。

■中学校の学校教育費

区分公立私立
学校教育費138,961円1,071,438円
 授業料428,574円
 修学旅行・遠足・見学費26,217円82,578円
 学校給付金等16,758円305,130円
 図書・学用品・実習材料費等25,413円50,198円
 教科外活動費29,308円55,796円
 通学関係費37,666円140,765円
 その他3,599円8,397円

※文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」より

1-3.公立と私立で大差なし! 3年間にかかる「学校外活動費」とは?

公立、私立を問わず、大きな差がないのが「学校外活動費」。幼稚園や小学校、高校では、公立か私立かで学校外活動費に大きな差がみられるのですが、中学校では2万5000円ほどの差にとどまっています。

■幼稚園から高校までの学校外活動費

区分公立私立
幼稚園83,895円165,658円
小学校214,451円646,889円
中学校306,491円331,264円
高校176,893円250,860円

※文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」より

学校外活動費は、塾や家庭教師などの「補助学習費」と習い事などの「その他の学校外活動費」に分けられていますが、学年別のこれらの費用を比較すると、公立の幼稚園から高校までの「補助学習費」で最も金額が高いのが中学3年時となっています。小学生の時は習い事にお金をかける家庭が比較的多いなか、中学生になってからは、塾などのお勉強系にシフトする傾向があるようです。

また補助学習費は、「家庭内学習費」、「家庭教師費等」、「学習塾費等」、「その他」の4項目に分けられますが、これらを公立中学、私立中学で比較すると「学習塾等」のみ、公立の平均額が私立の平均額を上回る結果となっています。

■中学校の補助学習費の内訳(学年平均)

区分公立私立
家庭内学習費13,229円28,534円
家庭教師費等20,777円31,174円
学習塾費202,965円153,365円
その他6,618円7,273円
合計243,589円220,346円

※文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」より

さらに学年別のデータを見ると、中学3年においては、私立の学習塾費が約19万円なのに対し、公立は約31万円と私立を大きく上回っています。

これには、私立の場合、中高一貫校受験に向けて小学生の時期から塾通いをし、高校受験を回避するケースがあることに対して、一般的に公立は高校受験に向けて中学3年から通塾が増えるという理由があるようです。

つまり、私立は中学生になって補助学習費が落ち着くのに対して、公立は中学3年次に補助学習費が大きく増えることになり、公立と私立で金額の差がなくなってくるということが考えられます。

2.まとめ:進路によって教育費が大きく変わる!計画的な貯蓄を

中学生になってかかるお金は、公立に行くか、中学受験をして私立に通うかで大きな差が生じます。特に首都圏や関西圏では、クラスの半数近くが中学受験をするケースも少なくありません。私立中学を希望する場合は、学習費総額が公立より多くかかるため計画的に教育資金を準備しておく必要があります。

また、公立に行く場合でも、高校受験に向けて準備が必要となります。中学の3年間は、学校外活動にお金がかかるため、子どもが小さい時からコツコツと貯蓄を始めておくことが重要になります。

※本記事は2022年3月時点の情報をもとに作成しています。

倉沢れい(編集者・ライター)執筆:倉沢 れい (編集者・ライター)
大学卒業後、IT企業や翻訳会社を経て、出産を機にライターとしての活動を開始。子育てや女性の生き方の分野を中心に、ママがよりよく子育てを楽しむための情報をわかりやすくお伝えしています。


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