賃貸VS持ち家どちらがお得?それぞれのメリット・デメリットを比較

2022-04-06

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住まいは人生において最もお金がかかるものと言われており、実際生活の基盤ともなる重要な要素です。ひと昔前なら、結婚や子どもの誕生によってマイホームを手に入れるのが主流でしたが、時代の移り変わりとともに最近では、賃貸に住み続けるという選択をする家庭も増えてきているようです。

先行き不透明な日本の経済事情もあり、持ち家の購入に踏み込めないという人も多く、なるべく負担なく住む場所を確保したいというのが多くの人々の本音なのではないでしょうか。

そこで今回は、住宅の購入を迷う子育て世帯のママ・パパに向けて、賃貸と持ち家のそれぞれのメリットとデメリットをご紹介します。

1. 賃貸に住む3つのメリット

賃貸には以下の3つのメリットがあり、特に大きなメリットは、まとまった費用負担が少ないことです。

1-1. 初期費用が少なくて済む

持ち家を購入する場合、多額の資金が必要となります。例えば、売買契約が成立した時には、売主に手付金を支払います。手付金は、現金で支払わなければならないルールがあり、購入物件の5~10%程度が目安となります。仮に4,000万円の物件を購入した場合、手付金として200~400万円が必要となります(手付金は、最終的には売買代金に充てられます)。

賃貸の場合は、一般的に敷金(1~2ヶ月)と礼金(1~2ヶ月)、仲介手数料(0.5~1ヶ月+消費税)、前家賃(1ヶ月分)などを足した家賃5ヵ月分程度の初期費用で抑えられるため、なるべくリーズナブルに住まいを手に入れたい方には断然賃貸がおすすめです。

1-2. 建物や住宅設備を自分で修理しなくてよい

建物の老朽化により、改修工事が必要になった場合、賃貸であれば毎月支払っている「管理費」や「共益費」から補修費用が使われるため、自ら費用を負担する必要がありません。

また、トイレや浴室など室内の設備に不具合が生じた場合も、大家さんの費用負担で修理・交換をしてもらえます。賃貸は維持費にかからないというメリットがあります。

1-3. 気軽に引越しができる

例えばご近所トラブルなどに巻き込まれた場合に気軽に引っ越せたり、家計の状況に応じて家賃の安い部屋に住み替えたりと、賃貸ならいつでも住む場所を変えられるというメリットがあります。

もちろん新たに敷金・礼金や仲介手数料などがかかりますが、持ち家を手放して引っ越す手間や負担に比べると、賃貸のほうがはるかに負担が少ないでしょう。

2. 賃貸に住む3つのデメリット

賃貸住宅は自分の所有物ではないため、リフォーム等に関して不自由な点が多いことなど、主に3つのデメリットがあります。

2-1. 家賃を払い続けなければならない

賃貸の大きなデメリットは、ずっと家賃を払い続けなければならない点です。老後のことを考えると、定年後、年金収入だけで家賃や更新料を払い続けることはかなりの負担になります。

例えば、定年を迎えたら実家に戻るため、現状は賃貸で住み続けるというケースもあるかもしれませんが、定年後も賃貸に住み続けると決めている場合は、老後の生活費をしっかり備えておくことが必要になるでしょう。

2-2. リフォームなどを自由にできない

DIYなどで自分仕様の空間を作りたくでも、賃貸の場合はあくまでも部屋を借りている状態のため、間取りを変えたり、壁に穴をあけたりする行為はNGです。

仮に自分で手を加えて、元の状態から大幅に変えてしまった場合、借主は原状回復の義務があるため、退去する際に自分で費用を負担して元の状態に戻さなければなりません。

2-3. 防音に気を使う

賃貸物件は、一般的に防音性が低い物件が多いため、上下や両隣の部屋に物音や話し声などに注意を払って生活をする必要があります。

特に子育て世帯の場合は、子どもの泣き声や足音などで周囲に迷惑をかけてしまわないよう気を使わなければならないため、生活のしやすさからいうと、多少不便を感じてしまう面もあるでしょう。

3. 持ち家に住む2つのメリット

持ち家は自分の所有物であるということから以下の2つのメリットがあります。

3-1. 老後に住む家を確保できている

住宅ローンの支払いが終われば、賃貸のように家賃を払い続ける必要がないため、老後の住居費負担が軽くなります

また、持ち家は資産になるため、子どもなどに財産を残すことができるというメリットもあります。

3-2. 自由にリフォームできる

ライフスタイルの変化などに合わせて増改築ができる点も持ち家の大きなメリットです。例えば、子どもの成長に合わせて間取りを変更したり、老後にはバリアフリー仕様にしたり、快適性を追求して、より住みやすい環境を自由に生み出せる点も魅力です。

大幅なリフォームのみならず、気分に合わせて気軽に壁紙を変えることもできるので、お部屋のインテリアを楽しみたい人には購入のメリットは大きいでしょう。

4. 持ち家に住む3つのデメリット

持ち家には、まとまった費用負担が発生することをはじめ大きく3つのデメリットがあります。

4-1. 多額の初期費用が必要

持ち家の購入には多額の資金がかかり、貯金から大きく切り崩して支払わなければなりません。

そもそも持ち家の購入にかかる初期費用には、頭金購入諸費用があります。

4-1-1. 頭金は物件価格の1~2割

頭金とは、物件価格から住宅ローン借入額を引いた「自己資金」のことで、一般的に物件価格の1~2割程度かかります。

例えば4,000万円の物件を購入した場合、400~800万円を頭金として支払わなければなりません(契約時に支払った手付金を頭金に充当することができます)。

4-1-2. 諸費用は物件により違うが10%程度かかることも

購入諸費用とは、登記費用、住宅ローン借入費用などにかかるお金のことです。住宅ローンに含めたり、諸費用ローンを組んだりすることもできますが、購入時に支払うケースが一般的です。

新築マンションの場合は物件価格の3~5%、中古マンションや新築・中古の一戸建ての場合は、物件価格の6~13%が購入諸費用としてかかってきます。

4,000万円の新築マンションを購入した場合は、120~200万円が購入諸費用として必要となります。

4-1-3. 持ち家を購入するには、頭金と諸費用分のまとまった資金が必要!

先程の4,000万円の新築マンションを購入した場合、頭金と諸費用を合わせると、520~1,000万円程度が初期費用としてかかる計算になります。

「持ち家を購入するほうが月々の家賃負担が少なく済む」という話はよく耳にしますが、持ち家を購入するには多額の資金がかかるため、蓄えがなければ難しいでしょう。

4-2. 簡単に引越しができない

何かの事情で引越しをしたいと思っても、持ち家の場合は賃貸のように気軽に住み替えができないというデメリットもあります。

持ち家を売却するとなる場合、手続きも多くあり時間もかかります。さらに購入時より大きく資産価値が下がり、売却しても住宅ローンが残ってしまうことがあります。そのため引越しするのも一苦労です。

賃貸なら引越しをして住む場所をすぐに変えるという決断をしやすい面もありますが、持ち家の場合は、経済的な負担が重くなることがあり、引っ越すことへのハードルが上がってしまいがちです。

4-3. 維持費・修繕費がかかる

賃貸の場合は毎月支払う管理費、共益費は一般的に家賃の5~10%と言われており、その中に修繕のための資金が含まれています。例えば家賃10万円の賃貸マンションなら5千円~1万円が目安です。

いっぽう持ち家は、賃貸よりも維持費・修繕費がかかる傾向があります。

マンションの場合、住宅ローンのほかに修繕積立金と管理費が毎月かかり、平均すると月々約2万2000円の負担が生じます
※国土交通省 マンション総合調査 平成30年度版(2018年度)より

一戸建ての場合は、月々の維持費はかかりませんが、修繕時にまとまったお金が必要となるため、前もって準備をしておく必要があるでしょう。

また持ち家の場合は、そのほかにも毎年固定資産税の納付が必要となります。

5. まとめ:自分のライフスタイルに合わせたよりよい選択を!

賃貸も持ち家もそれぞれメリット・デメリットがあるため、全体的に捉えると絶対的にどちらかがよいとは言いきれない面があります。

そのため自身のライフスタイルや家計への負担などを考慮して、より希望にあった選択をすることがベストでしょう!

今回紹介したメリット・デメリットを参考にご検討ください。

倉沢れい執筆:倉沢 れい (編集者・ライター)
大学卒業後、IT企業や翻訳会社を経て、出産を機にライターとしての活動を開始。子育てや女性の生き方の分野を中心に、ママがよりよく子育てを楽しむための情報をわかりやすくお伝えしています。
 

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