利用が広がる「産後ケア施設」とは?受けられるケアと料金は?

2022-04-06

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近年は高齢者の就労率が高まったことにより、里帰り出産をしても祖父母に子どもの面倒をみてもらうができず、ママが育児をひとりで抱えてしまうケースがよくあります。

そこで注目されているのが、出産を終えたママの心と身体を休ませながら、新生児の育児をサポートしてくれる産後ケア施設。最近は民間企業のみならず、多くの自治体でも積極的に産後ケアの取り組みをおこなっています。

今回は、産後ケア施設の具体的なケア内容や料金について解説します。

1. 産後ケア施設での過ごし方は?ケアの内容もチェック!

まずは、産後ケア施設とはどんなところなのかをみていきましょう。

1-1. 日帰り型と宿泊型の2種類から選べる

産後ケア施設の利用方法には、日帰り型宿泊型の2種類があります。

1-1-1.日帰り型の産後ケア施設

日帰り型の産後ケアは、各自治体や運営会社が指定するホテルを利用してサービスを受けることが多いようです。

午前中(10~11時)から夕方(15~17時)までの時間帯で、ママのケア(マッサージや育児相談、健康チェックなど)や赤ちゃんのケア(健康チェックやベビーマッサージ)が行われます。

また、赤ちゃんを預かってもらい、個室でランチをゆっくり食べたり、しばし休息をとったりすることもできます。

施設によっては、日帰り型で滞在する個室に、ハーブティーやフットマッサージ機、フェイシャルスチーマーなどが備え付けられているケースもあり、ママがゆったりリラックスできる設備が整っています。

1-1-2.宿泊型の産後ケア施設

宿泊型の産後ケアは、産院や専門の施設でおこなわれるのが主流のようです。施設や自治体の補助内容によって宿泊できる日数が異なりますが、一般的には長くて6泊7日程度の滞在となります。

ママの心身のケアや育児相談、赤ちゃんのケアなどのサービスを受けることができます。滞在期間が長くなるため、助産師さんがママの体調をみながら予定を立ててくれます。

食事は、赤ちゃんを預かってもらい、他のママたちと一緒にとるケースが多いようです。

1-2. 24時間体制で夜間授乳をサポート

産後まもないママの悩みの一つといえば、夜中の授乳タイム。宿泊型のケア施設では、睡眠不足になりがちなママのために、授乳から次の授乳時間まで赤ちゃんを預かってくれるので、その間にママはぐっすり眠ることができます。

また深夜でも助産師さんに授乳相談をすることができるので、ママにとっては心強いサポートとなります。

1-3. 骨盤ケアやアロママッサージでママの身体をケア

出産という大きなイベントを経たママの身体には、大きな疲労が残っています。

中には、疲れや緊張をほぐすためのケアの一環として、骨盤ケアやアロママッサージをおこなっている施設もあります。身体をしっかり休め、調子を整えることで、その後の育児も心身ともによい状態で臨むことができますね。

2. 産後ケア施設の料金はいくらかかる?

ママにとって大きなサポートとなる産後ケア施設。利用するにはどれくらいの料金がかかるのでしょうか?

2-1. 料金は施設によって千差万別

産後ケア施設の利用料金は、地域や施設によって全く異なります。

民間の施設の場合、都内であれば、1泊2日で3万円~6万円程度と、利用する施設によって料金に幅があります。

また、日帰りの場合は、1万5000円〜2万円程度が一般的でしょう。

2-2. 自治体の産後ケアは低価格

お住まいの自治体が産後ケア事業を行っている場合は、民間の施設よりも低価格で利用できるメリットがあります。

利用できる施設は自治体によって指定されているため、そのなかから選ぶことになります。たとえば、神奈川県横浜市の場合は、1日6,000円で母子ショートステイの利用ができます

自治体により、価格はもちろん、サービス内容・利用条件等違ってきますので、お住いの自治体のWebサイト等でぜひ確認してみてください。

(参考)横浜市のサービス内容↓

■ケアの内容

  • お母さんのケア
    健康管理や乳房ケアなど
  • 赤ちゃんのケア
    発育や発達のチェック、体重や排便のチェックなど
  • 育児の指導・相談
    授乳や沐浴方法、育児相談など

■利用対象

以下の条件全てに該当する、産後4か月未満のお母さんと赤ちゃんが対象です。利用にあたっては、事前にお住いの区役所の保健師や助産師が家庭訪問等でご心配なことを伺ったうえで、利用の可否を判断します。

  • 横浜市民の方
  • 育児不安などから自宅での育児に支障がある方
  • 家族などから産後の支援が受けられない方
  • サービス利用時に母子ともに治療中の疾患がない方 

※利用施設が病院の場合は、通院服薬を受けていても利用できる場合がありますので、ご相談ください

お母さんと赤ちゃんの状況により利用できない場合もありますが、他の産後の子育て支援に関するサービスもありますので、お住まいの区福祉保健センターこども家庭支援課へご相談ください。

利用終了後も引き続き、区役所の保健師や助産師が子育ての相談に応じます。

■サービスの内容

サービス名称利用時間等利用料金利用上限
母子デイケア
(通い型)
1日から 9時~17時(8時間)/昼食付き1日 2,000円それぞれ7日間まで
(利用日数は産後の援助の必要性を踏まえて、区福祉保健センター長が決定します)
母子ショートステイ
(宿泊型)
1泊2日から 9時~翌19時/昼食(2回)・夕食・朝食付き1泊2日 6,000円
(その後1日追加ごとに3,000円)

※利用料金は助産所に直接お支払いください
※市民税非課税世帯及び生活保護世帯は、利用料金は免除されます(証明書が必要です)

【注意事項】

  • 助産所を利用する場合、申請時点で病気やけがのため加療が必要とされている方はご利用できません
  • キャンセルについては、利用日の2日前の17時までにご連絡ください。連絡がない場合は費用が発生します

出典:横浜市ホームページ(横浜市産後母子ケア事業について)

3.まとめ: 産後のサポートが見つからないときは産後ケア施設を頼ろう

産後は、肉体的にも精神的にも不調になりがちなうえに、24時間体制で赤ちゃんの世話に追われることになります。

産後のサポート体制に不安を感じたら、ぜひ「産後ケア施設」を積極的に利用してみてください!

※本記事は2020年1月時点の情報をもとに作成しています。

倉沢れい執筆:倉沢 れい (編集者・ライター)
大学卒業後、IT企業や翻訳会社を経て、出産を機にライターとしての活動を開始。子育てや女性の生き方の分野を中心に、ママがよりよく子育てを楽しむための情報をわかりやすくお伝えしています。

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