かんたん保険診断

日帰り入院で入院給付金をもらい損ねないための確認ポイント

  • 公開日:2016年04月07日
    最終更新日:2021年11月24日
  • 医療保険

2021-11-24

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「日帰り入院から保障されます」という医療保険が多くなっています。短期の入院まで幅広く保障してくれるのはよいのですが、そもそも“日帰り入院”とは何でしょうか?

手術や処置を受けた後、数時間病院で休んでその日のうちに帰ってきた場合、それは通院なのか入院なのか? “日帰り入院”の定義って何なのかよくわからないですよね。

あなたも、入院給付金を請求できるのかどうかが判断できなくて困っているのではありませんか?

実は、日帰り入院の定義は保険会社から明確には公表されていませんが、病院の領収書を見ればかなりの確率で日帰り入院である可能性を判断することができるようになっています。

ここでは、そのような日帰り入院の判断ポイントや入院給付金を請求し損ねないための確実な確認方法をご紹介しますので、ぜひお役立てください。

1. 日帰り入院は、入院日と退院日が同じ日である入院のこと

通院との区別が紛らわしい日帰り入院ですが、生命保険会社のWEBサイト等をみてみると、「日帰り入院とは、入院開始日と退院日が同日の入院をいいます」といった説明になっています。

さらにもう一つの条件として入院給付金の支払いに関しては「入院基本料の支払いの有無により判断します」となっています。

2. 日帰り入院を判断する方法

入院給付金を受け取れる日帰り入院であるかどうかを判断する場合、前章の条件にあわせて以下のポイントを確認してみましょう。

2-1. 入院は1日(0時~24時)以内か?

入院日数を数えるときは、日付が変わるのと同じで午前0時が基準になります。したがって、日帰り入院となるのは0時から24時の間に入院して退院した場合となります。

実際にはありえないと思いますが、23時30分に入院して翌日0時30分に退院したとしたら入院時間は1時間ですが入院日数は2日となります。

2-2. 領収書に入院基本料の支払いがあるか?

次に確認するのは、入院基本料の支払いがあったかどうかです。
入院基本料とは、国の医療保険制度における診療報酬のなかの一項目で、入院の際に行われる基本的な医学管理や看護等を含む料金です。1日につきいくらと点数で定められています。

病院で数時間程度休養した場合で、もしそれが入院であれば、医療費の精算で入院基本料等を支払うことになります。したがって、精算したときに受け取る領収書を見れば、入院かどうかはだいたいわかるようになっています。

領収書には、以下のサンプルのように「初・再診料」「入院料等」「医学管理等」「在宅医療」「検査」・・・など、治療に関する項目別に保険点数が記載されるようになっています。もし、入院していて入院基本料等がかかっている場合は、領収書の「入院料等」というところに点数が記載されます。

■領収書の例

領収書のサンプル

つまり、領収証の「入院料等」という欄に点数があるかどうかが日帰り入院を判断する一つの目安となります。

ただし、この「入院料等」の欄には、生命保険会社がいう「入院基本料」以外にも「特定入院料」、「短期滞在手術基本料」など入院に関するいくつかの項目が含まれています。そして、これらの入院治療費を保険会社がどのように判断するかは厳密には明示されていません。とはいえ、「入院料等」の欄に点数がなければ入院ではないということは間違いありませんので、点数がある場合は生命保険会社に確認することが大切です。

3. 日帰り手術に付帯する入院

日帰り手術をしたときに、外来手術の扱いになる場合と日帰りの入院手術の扱いになる場合があります。

たとえば、白内障の手術を日帰りで受けたケースなどが該当し、実際に、病院によって入院手術として扱っているところと外来手術として扱っているところがあります。このことも、日帰り入院の基準をわかりにくくしている理由といえます。

しかし、このような日帰り手術で入院が必要か必要ないかの判断は、あくまでも担当医の判断となります。入院だったかどうかの判断は医師への確認と、やはり領収書による「入院料等」の点数確認が必要です。

4. 日帰り入院かどうかを正しく判断する3つの確認ポイント

せっかく日帰り入院を保障してくれる保険に入っているのなら、よくわからずに請求しなかったということにならないように、しっかり請求したいところです。
そこで、日帰り入院かどうかを正しく判断して、保険会社に請求するための3つの確認ポイントを紹介します。

  1. 診察時に医師に確認する
    入院させるかどうかを判断するのは医師です。したがって、入院かどうかをはっきりさせるには、担当医に確認するのが一番です。診察のときに、その病院での滞在が入院になるのかどうかを医師に確認するようにしましょう。
  2. 医療費の支払い時に窓口で確認する
    医療費の支払い時に領収書を受け取ったら、その場で、領収書に入院料等の診療報酬点数が記載されているかを確認しましょう。自己判断だけでなく、入院料の支払いが含まれているかどうかを、領収書を見せながら窓口の担当者に確認しておくと間違いがありません。
    また、事前の医師の判断と支払い内容が違っている場合は、その場でよく確認し、状況が不明なときは医師に問い合わせてもらうなど、しっかりすり合わせるようにしましょう。
  3. 生命保険会社に確認し、請求書類を取り寄せる
    生命保険会社の窓口に電話して、該当の病気や今回の治療内容、入院があったこと、領収書の記載内容等について伝え、入院給付金が受けられるかどうかを確認します。そして入院給付金を受けられる場合は、入院給付金の請求書類を取り寄せます。

5. 日帰り入院で入院給付金を請求するときの注意点

日帰り入院で、入院給付金を請求するときには、あわせて手術があったかどうかで手続きに違いがあります。

5-1. 手術をしているとき

手術をしている場合は、入院給付金だけでなく手術給付金が受け取れます。保険会社に忘れずに請求しましょう。また手術給付金を請求する際には診断書が必要となります。

5-2. 手術なしで入院だけのとき

手術がなく、日帰り入院のみの場合は入院給付金のみの請求となります。このケースでは診断書でなくても、病院の領収書等で請求が可能な場合があります。
逆に診断書が必要な場合は、通常、診断書の作成費用が5,000円くらいかかってきますので、たとえば入院日額5,000円の保険で日帰り入院を請求すると、プラスマイナス0ということにもなりかねません。このような給付金の請求コストも考慮して、請求の判断をする必要があります。

6. 日帰り入院に対応していない医療保険・特約

現在売られている医療保険の多くは、入院1日目から(日帰り入院から)入院給付金が出るようになっていますが、以前は、「入院5日以上で1日目から」とか「入院5日以上で5日目から」など一定期間以上の入院がないと入院給付金が出ないといった条件がついているのが一般的でした。何年も前に医療保険に入ったり、入院特約をつけたりした人は、このような日帰り入院に対応できないタイプの可能性があります。決してこのような保険が悪いという訳ではありませんが、もし短期間の入院にも対応できる保険の方がいいという方は、新しい保険を検討してみるのもよいでしょう。

7. まとめ:日帰り入院の判断は確認が重要

日帰り入院は、入院日と退院日が同一となる入院をいいます。医師が、入院が必要であると判断した場合に入院の扱いとなり、医療費の領収書の「入院等」の欄に点数の記載がつきます。

したがって、確かに入院なのかどうかの判断の目安は、領収書の「入院料等」の点数の有無となります。

ただし、入院給付金の支払いの判断は各種証拠書類を元に生命保険会社が行います。面倒ですが、医師と生命保険会社の双方に確認しながら、請求漏れがないように自分で注意することが大切です。

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