かんたん保険診断

女性保険は本当にお得?選ぶ前に知っておきたい特徴と注意点

  • 公開日:2016年06月07日
    最終更新日:2021年11月24日
  • 医療保険

2021-11-24

https://www.kurashino-okane.com/medical-insurance/joseihoken-technic/

「女性ならやっぱり女性保険に入るべき?」

保険の営業さんから勧められたり、周囲の入った人の話を聞くことがある女性保険。興味はあるけど、ほんとうにいい保険なの?ほかの保険と何が違うの?など疑問も多いのではないでしょうか?

女性保険はひと言でいうと、女性用にアレンジされた医療保険のこと。基本的に、病気やけがをして入院や手術をしたときのために入っておく保険です。病気のなかでも、乳がんや子宮筋腫、妊娠中毒症や帝王切開など女性特有の病気のときに保障額が増額されるので、女性にとってはうれしい商品です。でも、だからといって内容をよく理解せずに飛びついてしまうと、実はお得な保険とそうでもない保険があって失敗してしまうこともあります。

もしお得な女性保険に入りたいと思った人は、女性保険の特徴や注意点をわかりやすく紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。普通の医療保険との比較や女性保険に入ったほうがよい人などもお伝えするので、自分にとってほんとに必要な医療保険が何かがわかるようになります。

1. 女性保険とはどんな保険?

まずは女性保険がどんな保険なのかを、詳しく、そしてできるだけわかりやすく紹介したいと思います。

1-1. 女性疾病への保障が手厚い医療保険

女性保険とは、女性特有の病気や女性がかかりやすい病気などで入院した場合に、入院給付金が上乗せされる保険です。たとえば、入院給付金が日額5,000円の契約の場合、女性疾病で入院すると、女性疾病入院給付金が上乗せされて合計で日額10,000円受け取れます。

1-2. ボーナスもあるって本当?

女性保険にはボーナスがあってお得という話を聞いたことがある人も多いのでは?
ボーナスはすべての保険についているわけではありませんが、健康お祝い金や生存給付金などがついた商品があって、何年かごとに数万円程度のお金を受け取れるようになっています。

健康お祝い金は、一定期間(3~5年前後)、保険を使うような病気やけががないとか、入院日数や回数が一定の基準以内におさまっているなどの条件を満たしたときに受け取れます。
生存給付金は、保険を使ったかどうかに関係なくその時点で生きていれば受け取れます。

しかし、これらは保険会社からのプレゼントではなく、その分の保険料を支払っているので実情は積み立てに近いものといえます。

1-3. 普通の医療保険との違いはココ!

女性保険は女性疾病への保障が手厚いという話をしましたが、普通の医療保険との大きな違いはただ一つ、女性疾病で入院したときの入院給付金が増額されるということです。

どちらの保険も入院給付金と手術給付金がおもな保障で、保障される条件なども、同じ保険会社の商品であれば原則変わりはありません。付加できるおもな特約なども、ほぼ同じです

だから、同じ保険会社で「○○医療保険」と「○○医療保険Lady」という商品があったら、ベースとなる保障は基本的に同じだと思ってください。保障以外の部分では、女性保険にはボーナスといわれる生存給付金がついていたり、つけられる商品がやや多いという特徴があります。

ここまでのことがわかると、女性保険がどんな保険かという疑問もスッキリ解消したのではありませんか?

■女性保険と普通の医療保険の比較

保障の種類女性保険普通の医療保険
入院給付金
手術給付金
女性疾病入院給付金×
先進医療○(基本保障または特約)○(基本保障または特約)
健康お祝い金、生存給付金△(保険会社による)△(保険会社による)

2. 要注意!女性保険の対象となる女性疾病は保険会社によって違う

女性保険の一番の特徴といえる女性疾病入院給付金の対象になる病気は、生命保険会社により少しずつ違っています。

基本的には、女性特有のからだの器官に起こる病気や妊娠・出産にともなう合併症(通常の妊娠・出産はのぞく)などが女性疾病に含まれ、これらはどの生命保険会社でも共通しています。
そのほか生命保険会社によっては、甲状腺の病気を対象にしたり、がん全般を対象にしているところがあります。

■女性疾病入院給付金の対象になる病気

各社共通で対象になる病気<乳房や女性生殖器にかかわる病気>
乳がん、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣がん など

<妊娠・分娩および産じょくの合併症>
子宮外妊娠、妊娠中毒症、帝王切開、流産 など

保険会社によっては対象になる病気甲状腺の病気、がん全般、関節リウマチなど 

3. 気になる妊娠や出産への保障をチェック!

女性保険を検討している人のなかには、妊娠や出産にかかわる保障について気にしている人も多いので、
この点をもう少し詳しくみてみましょう。

3-1. 妊娠や出産で、何かあったときに保障される

前章でも少しふれましたが、妊娠や出産における合併症は女性疾病として保障されます。また、よく質問されることがありますが、帝王切開も女性疾病として保障されます。

妊娠・出産にともなう合併症などの病気は女性ならではのリスクなので、このような病気への保障が手厚いのは女性としてはありがたいことです。

ただし、妊娠中や出産前後に合併症が起きず、分娩も自然分娩であった場合は病気ではありませんので、女性保険や医療保険としての保障はなく通常の入院給付金もでません。

3-2. 妊娠中でも女性保険に入れるけど、条件がつく

妊娠・出産のリスクに備えて、妊娠してから(妊娠中に)女性保険に入れるかというと、基本的には入れます。ただし、妊娠してからの加入の場合は、妊娠や出産にともなう合併症が保障されないという条件つきになってしまいます。なかには妊娠8ヵ月(28週)以上の人は申し込みできないという保険もあります。

ですから、妊娠・出産にともなう病気のことを考えて保険に入りたいと思っている人は、妊娠する前に加入するように注意してください。

4. やはり女性なら女性保険にしたほうがいいの?

女性保険がどんな保険かわかってきたところで、普通の保険ではなく女性保険にしたほうがよいのか?それとも普通の保険でもよいのかを考えてみましょう。

4-1. 普通の医療保険でも女性疾病は保障される

ここでおさらいです。1章で、女性保険と普通の医療保険の違いは、女性疾病のときに保障の上乗せがあることという話をしました。つまり、普通の医療保険でも上乗せがないだけで、女性特有の病気である、乳がん、子宮筋腫、子宮内膜症などは保障されますし、妊娠中毒症、帝王切開なども保障されます。

だから女性保険が必要かどうかは、あなたが女性疾病になったときに他の病気のときよりも多くのお金が必要なのかどうかによるといえます。

4-2. 女性保険は普通の医療保険よりもお得なの?

女性は女性保険に入った方がお得なのかを保険料から確認してみましょう。

同じ生命保険会社の女性保険と普通の医療保険では、女性保険のほうが保険料が少し高くなっています。だから、その差額から上乗せの保障がお得かどうかをチェックできます。

ここでは、30歳の女性が同じ保険会社の女性保険と医療保険に入った場合に、どれくらい保険料が違うのかについて、A社とB社の2社で比較してみます。

女性保険と医療保険の保険料比較

  • 加入者:30歳、女性
  • [女性保険(終身)]
    入院給付金:日額5,000円/女性疾病入院給付金:日額5,000円/先進医療特約付
  • [医療保険(終身)]
    入院給付金:日額5,000円/先進医療特約付

【A社】

保険料の支払方法女性保険医療保険保険料の差額
終身払い(*)月額保険料1,967円1,707円260円
86歳までの払込額1,321,824円1,147,104円174,720円
60歳払済月額保険料2,811円2,561円250円
払込総額1,011,960円921,960円90,000円
【女性疾病の範囲】女性特有の病気、甲状腺の病気、がん など

(*)終身払いは、平均寿命の86歳まで生存として計算

【B社】

保険料の支払方法女性保険医療保険保険料の差額
終身払い(*)月額保険料1,934円1,659円275円
86歳までの払込額1,299,648円1,114,848円184,800円
60歳払済月額保険料3,004円2,614円390円
払込総額1,081,440円941,040円140,400円
【女性疾病の範囲】女性特有の病気、甲状腺の病気、がん など

(*)終身払いは、平均寿命の86歳まで生存として計算

 

60歳払済の場合の保険料総額を比べてみます。

A社では、女性保険の保険料の総額は、普通の医療保険よりも9万円高く、この違いは女性疾病による入院18日分です。A社の女性保険は、がんも女性疾病として保障の上乗せがあるので、生涯でみたらこのくらいの入院をして、元が取れる可能性は十分にありそうです。

一方、B社は、女性保険の保険料の総額は約14万円高く、この違いは女性疾病による入院28日分です。元が取れるかどうかは、少し疑問が残ります。

このように保険料の比較から女性保険がお得かどうかで判断すると、商品によって、お得感があるものと、あまりお得感がないものがあることがわかります。加入を検討するときには、普通の医療保険との保険料比較をお忘れなく!

4-3. ボーナスには期待しない!

一部の女性保険にあるお祝い金や生存給付金ですが、これらは、その分の保険料を多く支払っていて後から戻ってきているだけです。しかも、決して貯蓄としての利回りがよいわけではありません。

こうでもしないと貯金ができないという人には意味があるかもしれませんが、少なくともボーナスを理由に女性保険を選ぶ必要性はないと思ってよいでしょう。

4-4. 結論!女性保険に入ったほうがよさそうな人は?

女性保険の保障内容とその保険料について総合的に判断すると、女性保険が向いている人、入ったほうがよさそうな人は以下のような人です。

女性保険に入ったほうがよさそうな人

  • 女性疾病になったときに多くの保障が必要だと思う人
  • 女性疾病のリスクが高いと考えられる人
    ex)将来、妊娠・出産の予定がある
          親が乳がんになっているなど(女性疾病にがんが含まれる商品の場合)
  • がん保険に入る余裕がなく、医療保険で一定のがん保障もほしい人
    (女性疾病にがんが含まれる商品の場合)

5. 女性保険に入るときの3つの注意点!

女性保険の特徴がわかって女性保険に入りたいという人は、保険を検討するときや加入するときに、次の3つのことに注意してください。

<女性保険に入るときの3つの注意点>

  • 各社の女性保険を比較する(女性疾病の内容、保険料)
  • 女性保険だけでなく普通の医療保険もあわせて比較、検討する
  • ボーナスがあるかないかにはこだわらない

6. まとめ:女性保険は普通の保険も含めた比較検討が必要

女性保険は、女性特有の病気のときに入院給付金が多くもらえる医療保険です。

女性にとってはメリットのある保険ですが、その分保険料が少し割高になっていること、また普通の医療保険でも女性特有の病気が保障されることを理解しておく必要があります。

だから、自分にとって女性疾病の保障が多く必要なのかどうか、普通の保険と比べて女性保険にお得感があるかどうかをしっかりと検討して、加入を決める必要があります。

この点さえしっかり理解できていれば、あなたもほんとに必要な医療保険を賢く選ぶことができます。

※記事内容の利用・実施に関しては、ご自身の責任のもとご判断ください。

※掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。また個別の保険商品の内容については各商品の約款等をご確認ください。