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失敗しない!終身医療保険選びに必要な知識と5つのポイント

  • 公開日:2017年07月21日
    最終更新日:2021年11月24日
  • 医療保険

2021-11-24

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突然の病気やけがにしっかり備えるためにも、よい終身医療保険に加入しておきたいものです。しかし、だからといって、何も考えずに人気商品に加入しようとするのは、いかがなものでしょう。

なぜなら、同じ終身医療保険でも、保障の大きさや種類、保険料の支払い方など、自分のニーズにあわせて決めなければならないことがたくさんあるからです。本当によい終身医療保険に入るには、まず保険のしくみや特長を正しく理解し、加入するときの注意点などをしっかりと把握しておくことが大切です。

この記事では、はじめに終身医療保険の概要を、定期医療保険と比較をしながら紹介します。さらにその後、払込方法や特約についてなど、より具体的に終身医療保険に加入する際のポイントを解説していきます。ぜひこの記事をお読みいただき、ぜひあなたに合ったよい終身医療保険にご加入ください。

1.終身医療保険のしくみと3つの特長

終身医療保険は保障が一生涯続くタイプの医療保険です。解約しない限り保障はずっと続いていきます。以下で、3つの主な特長を紹介していきます。

(1)保障は一生涯続く
終身医療保険の最大の特長は、保障が一生涯にわたって続くことです。一定年齢で保険が終わることなく、ずっと保障が続いていくので、けがや病気により通院や入院の機会が増える老後でも安心です。また、一度病気になってしまうとそこから保険に入リ直すのは非常に困難ですが、終身医療保険では加入期間中に病気になったとしても保障は生涯続いていきます。その点も大きな利点と言えます。

(2)保険料が一生涯上がらない
終身医療保険は終身契約なので更新などがなく、はじめに契約した保険料は一生涯上がりません。加入した年齢が若ければ若いほど保険料は安くなり、その分、老後の負担も減っていきます。また、ライフプランが立てやすくなるというメリットもあります。

(3)保険会社が力を入れている
現在、医療保険の分野では終身型が主流です。そのぶん各保険会社も終身医療保険には力を入れており、様々な特徴を持つ商品が登場するとともに保険料も低下傾向にあります。

2.定期医療保険との比較による終身医療保険のメリット

終身医療保険に対して、定期医療保険は一定期間のけがや病気に備えるタイプの医療保険です。契約した期間が終わると、その都度見直しや更新が必要となります。

2-1.定期医療保険の特長

定期医療保険の最大の特長は、若いときの保険料が非常に安いことです。病気のリスクが低い20~30代では、終身医療保険と比較しても保険料はかなり割安になります。また、定期的な見直しが可能なことからライフプランの変更に対応しやすい、という点も魅力的です。このように定期医療保険にもたくさんの良い点があります。

2-2.終身医療保険と定期医療保険の比較

では現在、定期医療保険よりも終身医療保険の人気が高いのはどうしてなのでしょうか?その理由は長期的な視野に立つことでわかってきます。具体的な例を出して考えてみましょう。

A社の終身医療保険と定期医療保険の保険料を同じ保障内容で比較してみます。定期医療保険は若いときは保険料が安いですが、年齢とともに保険料が上がり、60歳にもなるとかなり高額になることがわかります。

■終身医療保険と定期医療保険の保険料比較(A社)
契約内容:30歳男性、入院日額1万円・手術給付金あり

保険種類終身医療保険定期医療保険
保険期間終身10年
保険料(月額)終身払い :2,440円
60歳満了:3,920円
65歳満了:3,330円
30歳:1,680円(月払)
40歳:1,920円(月払)
50歳:2,960円(月払)
60歳:5,880円(月払)

※終身医療保険の保険料の支払い方には、生きている限り一生涯保険料を支払う終身払いと、60歳や65歳など所定の年齢までに一生分の保障の保険料を支払う短期払いという支払い方があります。

2-2-1.終身医療保険の保険料を終身払いする場合

上記条件で、それぞれ70歳になるまで支払う保険料の総額を計算してみましょう。

<終身医療保険の保険料総額>
2,440円×12カ月×40年間 = 1,171,200円

<定期医療保険の保険料総額>
1,680円×12カ月×10年間=201,600円
1,920円×12カ月×10年間=230,400円
2,960円×12カ月×10年間=355,200円
5,880円×12カ月×10年間=705,600円
201,600円+230,400円+355,200円+705,600円 = 1,492,800円

上記の通り、結果的に終身医療保険の方が支払う保険料の総額は30万円以上も安く済むことがわかりました。

2-2-2.終身医療保険の保険料を短期払いする場合

また、A社の終身医療保険の保険料払込期間を短期払い(60歳満了 or 65歳満了)にした場合も考えてみましょう。

(1)保険料払込期間を60歳満了にした場合
終身医療保険のこの場合の月額保険料は3,920円なので、保険料総額は
3,920円×12カ月×30年間 = 1,411,200円
となります。

(2)保険料払込期間を65歳満了にした場合
終身医療保険の保険料は3,330円なので、保険料総額は
3,330円×12カ月×35年間 = 1,398,600円
となります。

どちらの場合も、一生涯の保障が確約されているうえで、定期医療保険で70歳まで支払う場合よりも保険料総額が安くなることがわかりました。

つまり、長いスパンで見ると終身医療保険の方が定期医療保険よりも断然おトクなのです。

また、定期医療保険は70歳や80歳など一定の年齢以降の更新を受け付けない商品が多く、けがや病気のリスクがもっとも上がる高齢時に必要な保障を受けることができない可能性もあります。平均寿命が延びた現在では生涯の保障として考えるには、どうしても心許ないと言わざるを得ません。一方、終身医療保険は加入時に一生涯の保障を約束してくれますので、安心感が違います。

これらの理由から、現在では終身医療保険の方が定期医療保険に比べ人気が高くなっているのです。

3.終身医療保険に適した人 or 適していない人

ここまで読んでいただけたらわかるように、終身医療保険は様々なメリットがあり非常に人気の高い保険商品です。しかしだからといって、すべての人に終身医療保険が必要だと言うわけでは決してありません。

保険は自分に適したものをきちんと選ぶことで、はじめて真価を発揮します。自分に適した保険を選べず後々後悔するなんてことのないように、ここでは終身医療保険に適した人・適していない人について解説していきたいと思います。

3-1.終身医療保険に適した人

高齢時はけがや病気などのリスクが高まり、入院が長期化することもあります。その際にかかるお金を貯蓄でまかなう自信のない人は、高齢時でも確実に入院給付金などの保障を受け取ることができる終身医療保険が適しています。

また、前項で説明したように、若くして終身医療保険に加入すると老後の保険料負担は軽くなります。定年のあるサラリーマンのように高齢になるまで働き続けることが難しい人は、将来を見越して早めに終身医療保険に加入することをおすすめできます。

3-2.終身医療保険に適していない人

終身医療保険は、どうしてもはじめのうちは保険料が割高になってしまいます。そのため、まだ若くて収入が低く保険料を抑えたいという人は、定期医療保険に加入し必要な期間の保障のみ確保するのが賢明です。一方、資産が十分あり老後の医療費もそれでまかなえるという人も終身医療保険に加入する必要はないでしょう。

また、医療技術の進歩や将来のインフレリスクを考慮し、定期的に保障内容を見直したいという人は、当然のことながら終身医療保険よりも定期医療保険へ加入することをおすすめします。

4.終身保険に加入する時の5つのポイント

ここでは、終身医療保険へ加入する際のポイントを5つ紹介していきます。これらのポイントをきちんと踏まえることで、より自分に見合った終身医療保険を選ぶことができるようになります。

4-1.入院給付金と入院限度日数

入院費用は非常に高額で、もし入院が長引けば相当な金額となります。ですから、医療保険に加入する際は入院保障についてよく吟味する必要があります。

入院給付金は、保険会社によって細かく金額の設定があることもありますが、日額5,000円や日額1万円の2種類がおすすめとして用意されている場合が多いです。入院費用をしっかり保障したい人は日額1万円を選ぶことをおすすめします。

しかし当然ですが、入院給付金を手厚くすればその分だけ保険料も上がります。そこで、保険料をできるだけ抑えたい人は日額5,000円を選ぶんでもよいでしょう。こちらでも最低限の保障は得ることができます。

入院限度日数は、30日などの短い期間を保障するタイプから1年以上の長い期間を保障するタイプまでがあります。現在では医療技術の進歩や診療報酬制度の改定などにより入院日数は格段に短期化され、がんなどの重病で入院したとしても30日以内で退院できてしまう場合がほとんどなので、あまり長い期間の保障は必要ありません。そのため、1入院60日のタイプを選ぶのが主流となっています

4-2.通院特約

がんなどの病気では、退院後も長期にわたる通院治療が必要となるケースが多くあります。しかし、一般的に通常の医療保険には通院に対する保障がありません。そのため、通院への保障を手厚くしたい場合、通院特約に加入する必要があるのです。

ただし、1つ注意したいのが、医療保険に付加する通院特約は、一般的に入院後の通院しか保障されない(通院保障には入院という条件がついている)ということです。つまり、1度入院しない限りは、どれだけ長期の通院治療でも、通院給付金はおりないのです。通院特約についてはその点も考慮して、付加するかどうかを判断しましょう。

4-3.先進医療特約や三大疾病特約

いざという時に備え、先進医療特約や三大疾病特約などの大きな一時金を準備してくれる特約は加入を検討する価値があります。例えば、がんを治療する「陽子線治療」など一回で何百万円といった莫大な費用がかかる治療が必要になった際、こうした特約は非常に重宝します。

4-4.保険料払込免除特約

たとえば、がんで心身ともに治療に専念したい時、保険料の支払いを続けることは大変ですし大きなストレスにもなります。保険料払込免除特約はそういった場合に保険料の払込を免除してくれる重要な特約なので、付加すると安心です。

4-5.保険料の払込方法

終身医療保険の払込方法としては、「短期払い」と「終身払い」という2つが代表的です。「短期払い」は保険料が割高ですが、所定の期間内で保険料を払い終えた後は、保険料を払う必要がなくなります。一方「終身払い」は保険料が割安ですが、一生涯保険料を払い続ける必要があります。多少保険料が上がるものの、長い目で見ると(長生きすると)「短期払い」を選ぶ方が結局おトクになります。

5.まとめ:人生100年時代には終身医療保険の価値がある

繰り返しになりますが終身医療保険の最大の特長はなんといっても「一生涯の保障を得られる」という点です。医療技術の進歩により平均寿命が延び、老後の期間が長くなった今日において、一生涯のリスクへの備えとなる終身医療保険は、どんどんその価値を増しています。

そして、一生涯の付き合いになるからこそ、加入の際には、納得いくまで自らでよく考える必要があります。この記事が、終身医療保険への加入を検討している方への一助となれば幸いです。

※記事内容の利用・実施に関しては、ご自身の責任のもとご判断ください。

※掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。また個別の保険商品の内容については各商品の約款等をご確認ください。