雇用保険はアルバイトでも加入できる!加入条件や注意点を解説

  • 公開日:2019年10月31日
    最終更新日:2019年10月31日
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2019-10-31

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雇用保険はアルバイトでも加入できる?加入条件や注意点を解説

会社を辞めたときや働けなくなったときに、生活や再就職の手助けをしてくれる雇用保険。加入できるのは、正社員だけだと考えている人は多いのではないでしょうか?

実は雇用保険は、条件さえ満たせばアルバイトやパートでも加入することができます

そこで今回は、アルバイトで働く人が知っておきたい雇用保険の仕組み、加入・給付の基本的な概要、注意点などについて分かりやすくお伝えしていきます。

保険の疑問・お悩みはありませんか?

1. 最低限知っておきたい雇用保険の概要

まずは、雇用保険の目的と仕組みについて解説します。

1-1. 雇用保険の目的

雇用保険とは、万が一の失業に備える公的な保険のこと。その基本的な目的は、労働者が失業して所得がなくなったときに、生活の安定や早期再就職の促進を図るために必要な給付を行うことです。

また、失業した場合だけでなく、育児や介護などによって休業しなければならない場合でも、受給することができる制度になっています。

失業したとき以外の給付制度については「雇用保険|失業以外でも使える3つの給付の活用マニュアル」で紹介しています。

1-2. 雇用保険の仕組み

雇用保険は、労働者の権利を守るための重要な制度であることから、政府が管掌する「強制保険制度」となっています。全額が会社負担である労災保険とは異なり、雇用保険の保険料は従業員と会社の折半で負担。従業員の負担分は、毎月の給料から天引きという形で支払われます。

2. 雇用保険の加入条件に雇用形態は関係ない

条件を満たせば、正社員でなくとも雇用保険に加入することができます。

2-1. アルバイトでも加入できる

1章で述べたように、雇用保険は強制保険の制度なので、事業主や本人の意思とは関係なく、労働者は基本的に雇用保険の被保険者となります。そのため、正社員だけでなくアルバイトやパートの人でも、条件を満たしていれば加入することになります。

「社員ではないので雇用保険に加入する必要はない」と考えがちですが、場合によっては加入する必要があるのです。

2-2. 加入条件は3つ

事業主は、以下の3つの条件を満たす人を雇う場合、雇用保険の加入手続きを行うことを義務付けられています。

2-2-1. 労働時間が週20時間以上

これは、「所定労働時間」=「就業規則や雇用契約書で定められた労働時間」が週に20時間以上であることを意味しています。例えば7時間勤務×週3日が固定シフトの場合には、労働時間は週21時間なので、この条件を満たすことになります。

なお、週ごとに20時間を超えたり超えなかったり変動する場合には、労働時間が1カ月に87時間以上か否かで判断し、月87時間を超える場合には、雇用保険に加入できます。

2-2-2. 31日以上雇用される見込みである

この場合の31日以上とは、31日間仕事をするのではなく、最初に仕事をした日から会社を辞めるまでの期間が31日以上ということです。

また、31日以上の「見込み」があればよいので、例えば、最初のひと月が試用期間だったりする場合でも、31日以上雇用される見込みがあるので加入条件に当てはまります。

2-2-3. 学生ではない(例外あり)

原則として学生は雇用保険に加入することができません。ただし、夜間、通信制、定時制などの学生は加入対象です。また、卒業予定の人で、卒業前に就職し、卒業後も引き続き同一の事業主に勤務することが予定されている場合は、学生でも加入対象となります。

以上のように、雇用保険の加入対象は何も正社員に限ったことではありません。アルバイトやパートでも、加入条件を満たせば雇用保険に加入する必要があります。加入対象であれば原則勤め先(事業主)が手続きを行うはずですが、未加入のままという場合には、会社の総務や人事といった担当部署に相談をしましょう。それでも手続きがされない場合、雇用保険法違反にあたるため、所轄のハローワークに相談をしてください。

3. 基本手当の給付条件・金額・日数

続いて、雇用保険の給付についてみていきましょう。

3-1. 給付条件

雇用保険の基本手当を受給するためには、次の二つの要件を満たす必要があります。

3-1-1. 雇用保険に一定期間以上加入していること

基本手当の給付は、所定の期間以上雇用保険に加入していることが条件です。ただし、退職理由によってその期間は異なります。

会社都合退職の場合、退職前の1年間に、雇用保険の加入期間が合計6カ月間以上あることが条件。自己都合退職の場合、退職前の2年間に、雇用保険の加入期間が合計1年間以上あることが条件です。ただし自己都合退職でも、けがや病気、妊娠・出産や育児などによる退職であれば、「特定理由離職者」と認められます。その場合、会社都合退職と同様、退職前の1年間に、雇用保険の加入期間が合計6カ月間以上あれば受給資格を得ることができます。

3-1-2. 働く意思があること

雇用保険は、あくまで再就職を目指す人を支援する制度です。そのため、現在失業中で、ただちに求職活動を行い働きたいという意思を持っていることが給付条件になります。したがって、けがや病気、妊娠・出産や育児などで就職ができない人は給付対象から外れます

3-2. 基本手当の給付額

雇用保険では、「賃金日額」に基づいて「基本手当日額」=1日あたりの給付金額を算定します。賃金日額とは、退職前の6ヵ月に毎月決まって支払われた賃金の合計額を6ヵ月の日数=180日で割った数です。その賃金日額のおよそ50%~80%(60歳以上65歳未満は45%~80%)が基本手当日額となります。

基本的に退職前の賃金が高いほど基本手当も多くなります。しかし、賃金が低いほど給付率が高くなるように設定されているため、支給額に大きな格差が生じない仕組みになっています。また、支給額には上限・下限が設けられています。

■基本手当日額の計算方法 ※令和元年8月1日~

賃金日額(w円) 給付率 基本手当日額(y円)
◆離職時の年齢が29歳以下 ※1
2,500円以上 5,010円未満 80% 2,000円 ~ 4,007円
 5,010円以上 12,330円以下 80%~50% 4,008円 ~ 6,165円 ※2
 12,330円超 13,630円以下 50% 6,165円 ~ 6,815円
13,630円(上限額)超 6,815円(上限額)
◆離職時の年齢が30~44歳
2,500円以上 5,010円未満 80% 2,000円 ~ 4,007円
5,010円以上 12,330円以下 80%~50% 4,008円 ~ 6,165円 ※2
12,330円超 15,140円以下 50% 6,165円 ~ 7,575円
15,140円(上限額)超 7,570円(上限額)
◆離職時の年齢が45~59歳
2,500円以上 5,010円未満 80% 2,000円 ~ 4,007円
5,010円以上 12,330円以下 80%~50% 4,008円 ~ 6,165円 ※2
12,330円超 16,670円以下 50% 6,165円 ~ 8,335円
16,670円(上限額)超 8,335円(上限額)
◆離職時の年齢が60~64歳
2,500円以上 5,010円未満 80% 2,000円 ~ 4,007円
5,010円以上 11,090円以下 80%~45% 4,008円 ~ 4,990円 ※3
 11,090円超 15,890円以下 45% 4,990円 ~ 7,150円
15,890円(上限額)超 7,150円(上限額)

※1 離婚時の年齢が65歳以上の方が高年齢求職者給付金を受給する場合も、この表を適用
※2 y=0.8w-0.3{(w-5,010)/7,320}w
※3 y=0.8w-0.35{(w-5,010)/6,080}w, y=0.05w+4,436 のいずれか低い方の額

(出典)厚生労働省

3-3. 基本手当の給付日数と受給期間

基本手当を受給できる最大日数のことを「所定給付日数」と呼びます。したがって、基本手当の最大給付額=手当日額×所定給付日数となります。

所定給付日数は、退職理由や雇用保険加入期間、障害者などの「就職困難者」かどうかによって決まり、最短で90日、最長で360日となります。

■自己都合退職の場合の所定給付日数

被保険者であった期間 給付日数
全年齢
1年未満
1年以上5年未満 90日
5年以上10年未満
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日

■会社都合の退職の場合の所定給付日数

被保険者であった期間 給付日数
30歳未満 30歳以上35歳未満 35歳以上45歳未満 45歳以上60歳未満 60歳以上65歳未満
6か月以上1年未満 90日
1年以上5年未満 90日 120日 150日 180日 150日
5年以上10年未満 120日 180日 240日 180日
10年以上20年未満 180日 210日 240日 270日 210日
20年以上 240日 270日 330日 240日

■就職困難者(※)の場合の所定給付日数

被保険者であった期間 給付日数
45歳未満 45歳以上60歳未満
1年未満 150日
1年以上5年未満 300日 360日
5年以上10年未満
10年以上20年未満
20年以上

(※)身体障害、知的障害、精神障害のほか、社会的事情で就職が著しく困難な人

4. 雇用保険に加入するメリット・デメリットは?

雇用保険に加入するとどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。

4-1. 雇用保険に加入するメリット

雇用保険に加入する最大のメリットは、やはり失業した際に給付金が受け取れることです。失業して収入がなくなり、貯蓄を切り崩しながら再就職先を探すのは、経済的にも精神的にも苦しいもの。そんなときに、失業給付が生活を下支えしてくれます。

それ以外にも、国の指定を受けた教育訓練機関を使って職業訓練などを行った場合、負担した費用の一部が国から支給される教育訓練給付や支給育児休暇を取った場合の育児休業給付、介護のために休業する場合の介護休業給付など、さまざまな給付が受けられる、心強い制度なのです。

※教育訓練給付、育児休業給付、介護休業給付については以下の記事をご参照ください。
雇用保険|失業以外でも使える3つの給付の活用マニュアル
育児休業給付金ガイド!いつまで・いくらもらえる?基本知識を解説!

4-2. 雇用保険に加入するデメリット

雇用保険の対象になると、保険料を支払わなくてはなりません。毎月の給与から天引きされる形になります。しかし、労働者の負担は3/1000(農林水産・清酒製造の事業、建設の事業は4/1000)ですから、月給10万円の場合は、雇用保険料の負担は月額300円です。決して大きな金額ではなく、いざというときに失業給付を受け取れることを考えれば、大きなデメリットとはいえないでしょう。

5. アルバイトの雇用保険で注意すべき点

アルバイトをしている人は、雇用保険についていくつか注意しなければならないことがあります。

5-1. アルバイトを掛け持ちしていても1社でしか入れない

アルバイトを掛け持ちしている場合、両方の会社で雇用保険に加入することはできません。そもそも掛け持ちの場合はどちらか一方しか雇用保険の条件を満たさないことがほとんどですが、仮に両方の会社で条件を満たしているときには、給料が高い方のアルバイト先で加入するのが一般的です。

複数の会社でアルバイトしていても、労働時間は合算することはできない点にも注意しましょう。例えば、片方の会社で週15時間、もう片方の会社で週5時間働いている場合、合計週20時間働いていることになりますが、どちらも雇用保険に加入することはできません。

5-2. 労働時間が20時間でなくなると対象外になる

アルバイトだと勤務時間が変わる場合もあるでしょう。当初は週20時間以上の勤務で雇用保険の対象であった場合でも、契約が変わるなどして週20時間未満の勤務になった場合は、その時点で雇用保険の対象から外れます

また、繁忙期のみ週20時間以上で、基本は週10時間働くといった場合も、当然ながら雇用保険の対象にはなりません。雇用形態が変われば、雇用保険の対象から外れることがあるということを覚えておきましょう。

6. 基本手当受給中でもアルバイトできるが注意が必要!

失業して、雇用保険の基本手当を受けとっている期間中にアルバイトをしてもいいのかと迷う人が多いのですが、基本手当の受給中であっても、申告すればアルバイトをすることは可能です。ただし働き方に気を付けないと、以下のように給付停止や延長、あるいは減額になったりすることもあります。

6-1. 本格的なアルバイトは就職として給付停止になる

2章で説明したように、アルバイトでも条件を満たせば雇用保険に加入することになります。したがって、加入条件を満たすような働き方をした場合「就職」とみなされ、基本手当の給付は停止になります。そのため、基本手当の受給を受けたい場合は雇用保険に加入しなくてよい範囲でアルバイトをする必要があります。

「1週間の所定労働時間が20時間以上」かつ「31日以上の雇用が見込まれる場合」は雇用保険の対象となりますのでご注意ください。

6-2. 待期期間はアルバイトできない

ハローワークで手続きをして、基本手当の受給資格が決定した日から通算して7日間は「待期期間」と言い、その間は基本手当を受け取ることができません。待期期間はアルバイトであっても働くことはできません

もし待期期間にアルバイトをして収入を得た場合には、アルバイトした日数分、待期期間が延長されます。

6-3. 1日4時間以上のアルバイトをした日は基本手当が支給されない

基本手当を受給している期間に1日4時間以上のアルバイトをした日は、収入額に関係なくその日の基本手当は支給されません

ただしこれは、支給がなくなるわけではなく、4時間以上働いた日数分、支給対象となる日(期間)が後ろへずれるということです。 所定給付日数自体は減りません。

6-4. 1日4時間未満のアルバイトをした日は基本手当が調整される

基本手当の受給中に、1日4時間未満のアルバイトで収入を得る(=「内職または手伝い」)に該当する場合、その収入金額によっては、基本手当が減額あるいは支給されなくなることがあります。

具体的には、「基本手当日額+アルバイト収入-控除額 (※)」が、前職の賃金日額の8割を超えた場合、差額が手当の日額から減額されます。

■基本手当が減額になる条件

基本手当日額+アルバイト収入-控除額 (※)> 前職の賃金日額 × 0.8

※「失業期間中に自己の労働による収入を得た場合の基本手当の減額に係る控除額」のことで、この控除額は一定期間ごとに見直されます。平成30年8月の改正以降、現在は1,294円 となっています。

なお、アルバイトをした場合には、失業認定日に提出する「失業認定申請書」で申告しなければなりません。

申告をしないと失業給付の不正受給とみなされ、不正に受け取ったお金の全額あるいは3倍の金額を納付しなければならなくなる可能性があります。

6.まとめ:アルバイトも要件を満たせば雇用保険の対象になる

ここでは、アルバイトと雇用保険の関係を解説してきました。アルバイトだと、雇用保険は関係ないと思ってしまいがちですが、要件を満たれば対象になります。雇用保険料の天引きはあるものの、そう大きな負担になる金額ではなく、失業給付を受けられるメリットの方が各段に大きいといえます。

また、もしも失業給付を受けることになった場合、給付期間中のアルバイトは労働時間に気をつけないと支給停止になることもあるので、給付ルールをきちんと把握した上で働くようにしましょう。

株式会社 回遊舎(編集・制作プロダクション)執筆:株式会社 回遊舎 (編集・制作プロダクション)
金融を専門とする編集・制作プロダクション。多数の金融情報誌、ムック、書籍等で企画・制作を行う。保険、身近な家計の悩み、投資、税金、株など、お金に関する幅広い情報を初心者にもわかりやすく丁寧に解説。

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