申請で負担が軽くなる!「高額医療・高額介護合算療養費制度」

2020-03-12

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申請で負担が軽くなる!「高額医療・高額介護合算制度」

みなさんは、「高額医療・高額介護合算療養費制度」というものをご存じでしょうか?

医療費と介護サービス費の自己負担額を減らすために、国が整えたしくみです。医療費、介護サービス費の自己負担額を減らす制度には、「高額療養費」「高額介護サービス費」という、よく似た名前の制度もあります。

それらと何が違うのか、どのくらい負担が減るのかなど、制度の詳細を解説します。

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1.「高額医療・高額介護合算療養費制度」とは?

最初に、この制度の概要について説明します。制度の対象にならない費用や、適用の条件などについても触れていきます。

1-1. 医療・介護の自己負担をトータルで軽減

「高額医療・高額介護合算療養費制度」は、1年間の公的な医療保険と介護保険のサービス費の自己負担額があまりにも高額になってしまった場合に、それを軽くするためのしくみです。世帯ごとに医療保険と介護保険の年間(8月~翌年7月)の負担額を合算して、一定の限度額を超えた分が支給されます。

そもそも、公的医療保険には「高額療養費制度」、介護保険には「高額介護サービス費制度」があり、1ヵ月ごとの医療費、介護サービス費の自己負担を軽減できます。高額医療・高額介護合算療養費制度は、1年単位でそれらを合算して、なお残る重い負担を解消してくれる制度なのです。

1-2. 制度の対象とならない費用などもある

この制度の適用を受けられない費用もあります。公的医療保険では、入院時の食事代や差額ベッド代が対象外。介護保険では、自身の要介護区分の支給限度を超えて利用したサービス費のほか、福祉用具購入費、住宅改修費の自己負担分、施設サービスなどでの食費や滞在費などは対象外です。つまり高額療養費や高額介護サービス費の対象にならない費用は、この合算制度でも対象外ということです。

さらに、個別の高額療養費、高額介護サービス費で支給される部分(額)は対象外で、実際に自己負担した金額のみが対象となります。

また、年間自己負担の限度を超えた額が500円未満の場合や、公的医療保険と介護保険のどちらか一方のみ自己負担している場合も、制度は適用されません。

そして、同一世帯であっても「夫が75歳以上で後期高齢者医療保険に加入していて、妻が国民健康保険に加入している」など、保険制度が異なる場合は合算ができませんので、注意が必要です。

2. 自己負担上限額の違いは?

自己負担上限額は、世帯の所得によって変わります。

2-1.【70歳未満】所得に応じて5段階に

はじめに、70歳未満の人を含む世帯について解説していきます。まず住民税が非課税となっている世帯は、自己負担の上限額が年間34万円と定められています。

住民税を課税されている世帯は、所得によって上限額が4段階に分けられます。年収約370万円(課税所得145万円)未満なら、上限額は年間60万円。最も高水準の年収約1,160万円(課税所得690万円)以上は、年間212万円と定められています。

なお、70歳未満の世帯員については、公的医療保険の自己負担が医療機関ごとに月額21,000円以上になった場合のみ合算対象となります。

■70歳未満の自己負担上限額(2018年8月~)

所有区分 自己負担限度額
年収約1,160万円以上
(課税所得690万円以上)
212万円
年収約770万円 ~ 約1,160万円
(課税所得380万円以上690万円未満)
141万円
年収約370万円 ~ 約770万円
(課税所得145万円以上380万円未満)
67万円
年収約156万円 ~ 約370万円
(課税所得145万円未満)
60万円
住民税非課税世帯
34万円

2-2.【70歳以上】一般世帯は56万円が上限

70歳以上の世帯の場合、全員が住民税非課税の「低所得者II」世帯は年間31万円が負担の上限。さらに、年金収入が80万円以下等であれば「低所得者I」世帯とされ、年間19万円が上限となります(介護サービス利用者が世帯内に複数いる場合を除く)。

年収約370万円(課税所得145万円)未満の「一般世帯」の上限額は年間56万円。それ以上の収入がある「現役並み所得」世帯は、70歳未満と同じ基準が適用されます。

■70歳以上の自己負担上限額(2018年8月~)

区分 70 ~ 74歳 75歳以上
自己負担限度額 自己負担限度額
年収約1,160万円以上
(課税所得690万円以上)
212万円 212万円
年収約770万円 ~ 約1,160万円
(課税所得380万円以上690万円未満)
141万円 141万円
年収約370万円 ~ 約770万円
(課税所得145万円以上380万円未満)
67万円 67万円
年収約156万円 ~ 約370万円
(課税所得145万円未満)
56万円 56万円
低所得者Ⅱ
(住民税非課税世帯)
31万円 31万円
低所得者Ⅰ
(住民税非課税世帯で年金収入80万円以下等)
19万円 19万円

※介護サービス利用者が世帯内に複数いる場合は31万円

3. 実際の計算例は?

この「合算療養費制度」は、複数の制度が関係し、自己負担上限額も細かく設定されているため、計算のしかたがやや複雑です。ここでは、実際の計算例を示します。

3-1.【計算例1】夫は医療費のみ、妻は介護費のみ

たとえば、夫婦とも75歳以上のAさん夫妻の場合について考えてみましょう。

合算療養費制度の計算例1
  • 家族構成:夫・妻(ともに75歳以上)
  • 世帯年収:280万円(所得区分「一般」)
  • 夫:介護保険のサービス費を1年間、毎月の自己負担上限額(37,200円*)まで利用
    *高額介護サービス費の上限(令和2年8月からは44,400円)
  • 妻:医療費(後期高齢者医療制度)を3か月間、毎月の自己負担上限額(57,600円**)まで利用
    **高額療養費の上限

介護サービス費は1年間で44万6,400円(平成29年8月から令和2年7月利用分までとして)、医療費は3か月間で17万2,800円で、合わせて年間61万9200円負担しています。

合算療養費制度の基準を適用すると、この世帯は年間56万円が負担限度額。差し引き5万9,200円が後から戻ってくることになります。

高額介護サービス費および高額療養費の自己負担額については、以下のページをご覧ください。
・「高額介護サービス費|介護の自己負担が高額になったら申請を!
・「一覧表で早わかり!高額療養費制度の自己負担限度額と申請方法

3-2.【計算例2】70歳~74歳の夫婦と40代の息子の世帯

続いては、同じ世帯に70歳以上の夫婦と40代の息子が同居するBさん一家について考えていきます。

合算療養費制度の計算例2
  • 家族構成:夫・妻(ともに70歳~74歳)・息子(40歳 自由業)
  • 世帯年収:360万円(所得区分「一般」)
  • 夫:介護保険のサービス費を1年間、毎月の自己負担上限額(37,200円)まで利用
    *高額介護サービス費の上限(令和2年8月からは44,400円)
  • 妻:医療費(国民健康保険)年間18万円
  • 息子:医療費(国民健康保険)年間12万円

Bさん一家の場合、まずは70歳~74歳の人の医療費・介護サービス費を合算します。
夫の介護サービス費は年間44万6400円(平成29年8月から令和2年7月利用分まで)。妻の医療費(一部負担分)は年間18万円。合わせて年間62万6400円負担しています。合算療養費制度では、この世帯の負担限度(70歳以上)は年間56万円。差し引き6万6400円となります。これを【ア】とします。

次に、70歳未満の人の医療費を加えます。
息子の医療費(一部負担)は年間12万円。これに、この世帯の「70歳以上」の自己負担限度額である56万円を足します。すると、68万円になりますね。ここからさらに、「70歳未満」の負担限度である60万円を引きます。すると、最後に8万円が残ります。これを【イ】とします。

B家の場合は、【ア】6万6400円と【イ】8万円を合計した14万6400円が支給額となります。

なお、70歳~74歳と70歳未満の家族の医療費・介護サービス費の合算は、どちらも同じ健康保険の場合においてのみ可能です。したがって、親が国民健康保険、子が企業の健康保険組合といった場合は合算できません。また親が75歳以上で後期高齢者医療保険の対象の場合も、保険制度が違うため75歳未満の家族と合算できません。

4. どうやって申請すればいい?

続いて、合算療養費制度の申請までの流れと、申請期限について確認していきます。

4-1. 申請は公的医療保険の窓口へ

高額医療・高額介護合算療養費制度は、加入している公的医療保険の窓口へ申請が必要です。国民健康保険や後期高齢者医療制度は市区町村、協会けんぽや健康保険組合などは、基本的には勤務先を通してとなります。

その際、印鑑や被保険者証、通帳など振込先口座を確認できるものが必要になる場合があります。

なお、国民健康保険・後期高齢者医療保険以外の公的医療保険に加入している人は、住んでいる自治体から介護に関する自己負担の証明書の交付を受ける必要があります。交付された証明書を添えて、勤務先の健康保険担当者に支給を申請してください。

4-2. 基準日から2年間が申請期限

合算療養費制度における自己負担限度額を上回りそうな場合、国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入している人には市区町村から通知が届きます。それをもとに、速やかに申請を行うようにしましょう。

ただし、協会けんぽや健康保険組合などの加入者へは、各健康保険からとくに通知はされません。自分で医療費・介護サービス費を計算して、自己負担額を上回る可能性があれば、各組合などに確認のうえ申請を行う必要があります。

申請期限は、毎年7月31日の翌日から2年間と定められています。なお、被保険者が亡くなってしまった場合は、死亡した日の翌日からから2年間となります。

5. まとめ:申請を忘れずに、負担を軽くしよう

ここまで、高額医療・高額介護合算療養費制度について見てきました。制度の概略について、ご理解いただけたでしょうか?それにしても、ちょっぴり複雑なしくみの制度でしたね。

加入している公的医療保険によっては、年間の自己負担額を超えそうな場合は通知が届きます。しかし、この制度を利用するには、いずれにしても自分で申請を行わなければなりません。「制度についてもっと知りたい」「自分が今どのくらいの負担になっているか不安」という方は、自治体や加入している医療保険の窓口などに相談してみましょう。

※本記事の情報は2020年2月時点のものです。

佐藤 史親 (編集者・ライター)執筆:佐藤 史親(編集者・ライター)
1987年山梨県富士吉田市生まれ。タウン紙記者、雑誌編集者として勤務後、フリーの編集者・ライターに。モットーは、きめ細かな取材・調査に基づいた記事づくり。お金に関する話題も、わかりやすくお届けします。

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