出産手当金は「いつ」「いくら」もらえる?支給額や申請方法を解説!

2022-04-06

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出産前後は「産前産後休業」でお休みにはいりますが、気になるのは休業中のお金のこと。

生活費はもちろん、育児のためのお金も今後必要になってくるため、収入が途絶えてしまうのは、不安に感じてしまいますよね。

そこで今回は、産休を取得した女性がもらえる「出産手当金」について、くわしく解説していきます。

1.産休中にもらえる「出産手当金」とは?

出産手当金とは、「健康保険」に加入している人が産休を取り、お給料が支払われない期間について、収入を補う目的として支給される手当金です。

1-1.出産手当金の対象期間は?

出産手当金が受けられるのは、「出産日を含む産前42日間(双子以上は98日間)、出産翌日以後の56日間の合計98日(双子以上は154日間)」となります。
※上記期間で、なおかつ仕事を休業している期間が支給対象期間となります。

しかし、出産予定日よりも実際の出産が遅れてしまった場合は、遅れた期間分も出産手当金が支給されます。

1-2.「出産手当金」の支給条件は?

支給条件は以下の2つ。

1つ目の条件は、ママ自身が働いている勤務先の健康保険(公務員は共済組合)に加入していることです。健康保険に加入しているなら、雇用形態に関係なく支給対象となります

国民健康保険に加入しているフリーランスおよび自営業の人や夫の健康保険に加入している被扶養者の場合は原則対象外となります。

2つ目は、産休中も勤務先から給与を受け取っていないこと

満額もしくは出産手当金よりも多い給与が支払われていた場合は、出産手当金の支給はありません。ただし、受け取った給与が出産手当金の金額より少ない場合は、出産手当金と給与の差額分を受け取ることはできます。

1-3.「出産一時金」との違いは?

出産一時金とは、分娩費用の補助として支給される給付金です。

妊娠満12週を経過後(85日以降)が支給対象となり、死産、流産の場合であっても支給されます。

国民健康保険加入者でも、勤務先の健康保険加入者でも関係なく受給対象となります。また、専業主婦で夫の扶養に入っている場合でも、家族出産育児一時金として受け取ることができます。

支給額は、1児につき42万円。しかし「産科医療保障制度」に加入していない医療機関での出産や妊娠22週未満の出産(死産含む)などの場合は、40.4万円の支給額となります。

2.「出産手当金」はいくらもらえる?計算方法は?

では、協会けんぽの場合を例に、出産手当金がいくらもらえるかを計算してみましょう。

支給総額=標準報酬月額(※1) ÷ 30日 × 3分の2 × 産休の日数

(※1)支給開始日以前の継続した12ヶ月間の標準報酬月額の平均

ただし、支給開始日以前の期間が12ヶ月に満たない場合は、以下の2つを比べて少ないほうの金額を計算に使用します。

・支給開始月以前の各月の標準報酬月額の平均額
・30万円(支給開始が平成31年3月31日までの場合は28万円)

出産手当金の支給例

Aさん
標準報酬月額:24万円
産休の日数:98日

支給額=24万円 ÷ 30日 × 3分の2 × 98日 = 522,634円

3.出産手当金はいつもらえる?申請方法を解説

出産手当金をもらうために必要な書類や申請から支給までの流れを解説します。

3-1.出産手当金の申請の流れ

1.産休に入る前に「健康保険出産手当金支給申請書」を入手
勤務先の担当者に相談して申請書をもらいます。加入している健康保険のホームページからもダウンロードが可能です。

2.出産した病院で必要事項を記入してもらう
病院によっては文書料が必要な場合があります。

3.必要事項を記入したら会社に送付
勤務状況や賃金記載欄など会社側の必要事項を記入したら、そのまま申請してくれることが多いようです。

申請は、産前・産後の2回にわけて申請することができますが、毎回事業主の証明が必要になるため、産後にまとめて申請するママが多いとのこと。

3-2.出産手当金はいつもらえる?

加入している健康保険により違いますが、申請からおよそ1~2ヶ月後に支給されます。出産手当金の申請には前述の通り、医師の証明が必要になるため、産後の提出となります。申請には若干時間がかかるため、その間はある程度余裕を持って、生活費を用意しておくと安心ですね。

ちなみに「出産手当金の申請を忘れてた!」となっても、産休翌日から2年以内であれば申請をすることができます。

まとめ:出産前に出産手当金について調べておこう

出産という一大イベントを体験する女性たちにとって、出産や子育てにまつわるさまざまな不安を漠然と感じてしまうものですよね。

出産手当金は、そんな出産を控えている女性たちにとって大切な制度です。いつ、いくらもらえるか、どうやって申請するのかを事前に調べておき、家族と共有しておくと安心ですよ。

育児休業中に支給される育児休業給付金について詳しく知りたい方は、「育児休業給付金ガイド!いつまで・いくらもらえる?基本知識を解説!」の記事を参考にしてください。

倉沢れい(編集者・ライター)執筆:倉沢 れい (編集者・ライター)
大学卒業後、IT企業や翻訳会社を経て、出産を機にライターとしての活動を開始。子育てや女性の生き方の分野を中心に、ママがよりよく子育てを楽しむための情報をわかりやすくお伝えしています。


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