ねんきん定期便の見方を正しく理解して将来に備えよう!

2022-04-15

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年に1回ご自身の誕生月に届くねんきん定期便ですが、内容をきちんと確認したことはありますか?ねんきん定期便には、ご自身が納めた保険料実績や将来受取れる年金見込額など、とても大切な情報が記載されています。今回は、ねんきん定期便の確認すべきポイントと、郵送の定期便以外にもねんきんネットを活用していつでも簡単に確認できる方法について詳しく解説します。

1. ねんきん定期便とは?

年金制度への理解を深めてもらうことなどを目的に、毎年誕生月にご自身の年金記録を記載したねんきん定期便が、日本年金機構より発送されます。ねんきん定期便は年齢によって形式や記載される内容が異なります。

■ねんきん定期便の詳細

2. ねんきん定期便の確認ポイント

前節の表のように、節目の年とそうでない年とでは送付形式が異なります。ここでは、節目の年以外の50歳未満の方に送られてくるケースについて、はがきイメージを確認しながら、見るべきポイントを確認しましょう。

■ねんきん定期便のはがきイメージ(表)

これまでの加入実績に応じた年金額
これまでの加入実績に応じた年金額欄には、具体的な金額が記載されています。この金額が将来受取れる年金額です。公的年金に加入した20歳以降に納付した保険料の実績に応じて年金額が決められます。 現時点の年収などに応じて計算されているため、現時点ではかなり少ない金額かもしれませんが、今後も納付を続けていくことで、この金額が増えていきます。

最新の月別状況
ここには直近の加入記録が記載されています。標準報酬月額標準賞与額なども記載されているので、実際の納付額に近い数字となっているか確認しましょう。

最新の月別状況
国民年金納付状況の項目に学特と記載されている場合は、学生納付特例制度が適用されていたことを意味しています。この特例制度は、年金を受取れるかどうかの判定時には、「年金を支払っていた期間」としてカウントされますが、実際に受取る年金額は納付しなかった分が減額されるという制度です。10年以内であれば追納することができます。

・学生納付特例の承認を受けた翌年度から10年以内…追納可能
・学生納付特例の承認を受けた翌年度から10年超…追納付加

納付していない期間の保険料は、将来もらえる年金額を増やすためにも、支払えるのであれば追納するのがおすすめです。

すでに10年超の期間が経過し、追納ができない方は、60歳になったら任意加入制度に加入して納付期間を延ばすこともできるのでご安心ください。ただし、60歳以降も働き続けて、厚生年金に加入している場合は加入ができません。

■ねんきん定期便のはがきイメージ(裏)

これまでの加入期間
裏面の真ん中部分は大きく3段に分かれています。特に2段目のこれまでの年金加入期間にご注目ください。仮に大学新卒で企業に入社した方の場合、20歳から大学卒業までの月数が第1号被保険者の欄に、企業で会社員として働き始めてから現在までの月数が一般厚生年金の欄に、それぞれ記載されています。こちらに記載されている、国民年金・厚生年金などの合計である受給資格期間が120月以上になると、現行制度においては65歳から老齢年金を受取ることができます。

お客様のアクセスキー
これはねんきんネットのユーザID取得時に使用する番号です。

3. ねんきんネットとは?

ねんきん定期便は年に1回の送付なので、その間に転退職があった場合や、ねんきん定期便のはがきをなくしてしまった場合は、確認ができなくなってしまいます。ねんきんネットはインターネットでいつでもご自身の年金記録を確認できる便利なサービスです。電子版ねんきん定期便のサービスも利用できるので、興味のある方はぜひこの機会に登録してみてください。

3-1. ねんきんネットでできること

・ご自身の年金記録や将来の年金見込額の確認
・電子版「ねんきん定期便」の確認
・年金の支払いに関する通知書の確認
・源泉徴収票、社会保険料控除証明書などの再交付申請
・各種届出書の作成、印刷 など

これらのことがネット上でいつでも簡単にできるので、初回登録さえできれば、かなり便利です。

3-2. ねんきんネットの利用開始に必要な手順

ねんきんネットを利用開始する方法は2種類あります(2023年3月18日時点の情報をもとにしています)。

1. マイナポータルから

準備するもの:マイナンバーカード

1. マイナポータルアプリをスマートフォンにインストール
2. マイナンバーカードを利用して、マイナポータルにログイン
3. マイナポータルトップページ「年金記録・見込額を見る(ねんきんネット)」ボタンをクリック
4. 表示される「ねんきんネット」の利用規約等に同意すると、連携手続きが開始される
5. 連携手続きが完了すると「ねんきんネット」が表示される
6. メールアドレスを登録して利用開始

2. ねんきんネットから

準備するもの:ねんきん定期便(ない場合は年金手帳)

1. https://www3.idpass-net.nenkin.go.jp/neko/Z06/W_Z0602SCR.doにアクセス
2. 【マイナンバーカードをお持ちでない方】の【アクセスキーあり】【アクセスキーなし】のうち該当する方をクリック・ねんきん定期便記載のアクセスキーが手元にある → アクセスキーあり・ねんきん定期便記載のアクセスキーが手元にないが、年金手帳記載の基礎年金番号が手元にある → アクセスキーなし
3. 画面推移に従って入力
4. 入力内容の確認画面にて【ユーザIDの発行を申し込む】ボタンをクリック
5. 登録したアドレスにメールが届くので、メール内のリンクをクリック
6. 設定したパスワードを入力し、【ユーザIDを確認する】ボタンをクリック
7. ユーザID・パスワードを用いてログインし、利用開始

登録後、ねんきんネットのトップページから年金記録や通知書(ねんきん定期便など)を確認することができます。

4. まとめ:年金の受取額を正しく把握して将来に備えよう!

いかがでしたでしょうか?ねんきん定期便に記載されている内容は、一度理解してしまえば難しいものではありません。これまであまり内容を確認せずにいた方も、これからはしっかり保管し、またはねんきんネットの利用登録をしていただければと思います。

内容を正しく理解し公的年金の受給額が正しくイメージできた方は、より手厚く老後に備えるため、貯蓄方法の見直しや、その他の年金(個人年金保険やiDeCoなど)への加入を検討してみてもいいかもしれませんね。

※記事内容の利用・実施に関しては、ご自身の責任のもとご判断ください。

※掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。また個別の保険商品の内容については各商品の約款等をご確認ください。