老後の年金には税金がかかる!確定申告しないと損することも!

2020-04-01

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老後の年金には税金がかかる!確定申告しないと損!?

毎年2月16日ごろから3月15日ごろまで(*)は、確定申告の時期です。老後の年金には税金がかかるということをご存じでしょうか。
(*)2020年は2月17日~3月16日

今回は公的年金の税金および、確定申告をはじめとした手続きのしかたについて解説したいと思います。

保険の疑問・お悩みはありませんか?

1. 老後の年金には税金がかかる

老後の年金は「雑所得」となり、所得税と住民税が課税されることとなっています。税額計算のベースとなる所得金額は、国税庁のサイトにある速算表に当てはめて計算します。基本的な考え方としては、

公的年金等にかかる雑所得 = 年金受給額 - 公的年金等控除額

となります。ここでいう「年金」には、老齢厚生年金や老齢基礎年金の他、公務員などの共済組合からの年金、企業年金なども含まれます。また、公的年金等控除額は、受給者の年齢、年金の収入金額に応じて定められています。

■公的年金等に係る雑所得の速算表平成17年分から令和元年分まで)

年金を受け取る人の年齢 (a)公的年金等の収入金額の合計額 (b)割合 (c)控除額
65歳未満 (公的年金等の収入金額の合計額が700,000円までの場合は所得金額はゼロとなります。)
700,001円から1,299,999円まで 100% 700,000円
1,300,000円から4,099,999円まで 75% 375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 785,000円
7,700,000円以上 95% 1,555,000円
65歳以上 (公的年金等の収入金額の合計額が1,200,000円までの場合は所得金額はゼロとなります。)
1,200,001円から3,299,999円まで 100% 1,200,000円
3,300,000円から4,099,999円まで 75% 375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 785,000円
7,700,000円以上 95% 1,555,000円

(出典)国税庁Webサイトより

公的年金等の雑所得額は、この表をもとに以下の式により計算します。

公的年金等に係る雑所得 = (a)年金収入の合計額 ×(b)-(c)

算出された金額((a)×(b)-(c))に、他の所得がある場合はそれらを合算し、基礎控除などの各種所得控除を差し引いたものが課税所得金額となり、これに税率をかけて税額を算出することになります。

税額の計算や税率については、他の所得がどのくらいあるかによっても異なりますので、所得税については税務署に確認しましょう。住民税については自治体によって異なっていますので、お住まいの市区町村に確認するのがよいでしょう。

なお、公的年金等に係る雑所得の速算表は、税制改正により令和2年からは以下のように変更されます。

■公的年金等に係る雑所得の速算表令和2年分以降)

公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円以下
年金を受け取る人の年齢 (a)公的年金等の収入金額の合計額 (b)割合 (c)控除額
65歳未満 (公的年金等の収入金額の合計額が600,000円までの場合は所得金額はゼロとなります。)
600,001円から1,299,999円まで 100% 600,000円
1,300,000円から4,099,999円まで 75% 275,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 685,000円
7,700,000円から9,999,999円まで 95% 1,455,000円
10,000,000円以上 100% 1,955,000円
65歳以上 (公的年金等の収入金額の合計額が1,100,000円までの場合は所得金額はゼロとなります。)
1,100,001円から3,299,999円まで 100% 1,100,000円
3,300,000円から4,099,999円まで 75% 275,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 685,000円
7,700,000円から9,999,999円まで 95% 1,455,000円
10,000,000円以上 100% 1,955,000円

(出典)国税庁Webサイトより

2. 税金は年金から天引きされる

所得税は確定申告を行って税額を確定させてから支払うのが原則ではありますが、年金の場合には、給与と同じように受給額に応じて所得税が源泉徴収されます

ただし、全員が源泉徴収されるわけではなく、1年間に実際に手にした年金(年金額として通知書等に記載された金額とは異なることがあります)が一定額以上となる場合に源泉徴収されます。一般の老齢厚生年金、老齢基礎年金の場合は以下の場合に源泉徴収があります。

源泉徴収の対象者
  • 65歳未満の人:年額108万円以上
  • 65歳以上の人:年額158万円以上

上の条件を満たさない人は源泉徴収されませんが、必ずしも非課税とは限りません。他の所得によっては税金がかかる場合があるので注意が必要です。その場合、確定申告で精算することになります。

また、住民税についても、4月1日時点で65歳以上で、住民税が課税されている人は、所得税と同じように住民税も天引き(「特別徴収」)されます。こちらは前年所得から計算されて確定した金額が差し引かれることになります。

3. 毎年「扶養親族等申告書」を提出!

年金から源泉徴収される所得税額は、その時の受給額から想定される仮の税額となります。この源泉徴収税額を決めるための書類が扶養親族等申告書です。お勤めの方は毎年、年末調整前に扶養家族の有無やその所得などを書類に記入して会社に提出している人も多いと思います。年金にも同じような書類があり、毎年11月ごろに郵便で届きます

3-1. 扶養親族等申告書の提出を忘れると税額が多額になることも!?

申告書を提出すると、申告書の内容に従って配偶者控除や基礎控除など各種所得控除額が適用された上で、5.105%(復興特別所得税含む)の税率で計算された所得税が年金から源泉徴収されます。

申告書を提出しなかった場合、各種控除が適用されずに計算された所得税が差し引かれることになります。差し引かれる税金に大きな差が出てしまうことがありますので気を付けましょう。

配偶者控除や基礎控除などの各種所得控除は二重に受けることはできません。例えば、勤務先と年金の両方に申告書を提出してしまうと、給与と年金の双方から重複して所得控除を受けることになり、本来支払うべき税金が不足する結果となります。その場合、確定申告をして不足する税金を後から支払うことになります。

初めての申告書は記入内容も多くやや面倒ですが、税金上のメリットが大きいのでしっかり記入して提出しましょう。一度申告書を提出したことがあれば、その次の年からは内容に変更がなければ「変更なし」というところに印をつければ内容に関しては求められないので、手続きも簡単に済むようになっています。

3-2. 扶養親族等申告書の提出を忘れてしまったら?

提出期限を多少過ぎてしまっても提出さえしていればきちんと反映される場合がほとんどです。期限から大幅に遅れた場合は反映できない場合もありますが、所得税は確定申告で最終的に精算できます。仮に提出を忘れても確定申告を行えば余分に徴収された分は戻ってきますので、安心してください。

なお、扶養親族等申告書は源泉徴収の税額を決めるための書類なので、そもそも源泉徴収がない人(年金が2章で示した一定金額未満の人)には扶養親族等申告書が届きません。当然、提出の必要もありません。

4. 【年金生活者必見】確定申告は必要なの?

年金を受けている人は、原則として確定申告を行うこととされています。ただし、確定申告を行わなくてもよいとされているケースもあります。それぞれ見ていきましょう。

4-1. 年金には年末調整がない!確定申告しないと損をすることも!

所得税が源泉徴収されるのは給与と同じですが、給与とは異なり年金には年末調整の仕組みがありません。年金も給与も、生命保険料控除などを使って差し引かれた税金が戻るケースがあります。

給与の場合は勤務先に書類を提出すれば年末調整が行われて多めに源泉徴収された税金は戻ってきます。いっぽう、年金の場合は、確定申告をしないと多めに源泉徴収された税金があったとしても戻ってきません。確定申告をしないと損をしてしまうケースがあるので注意が必要です。

4-2. 「確定申告不要制度」に該当すれば申告しなくてもよいが…

年金受給者は原則確定申告が必要ですが、公的年金等の「確定申告不要制度」があるので、これに該当する人は確定申告をしなくてもOKです。以下の条件を2つとも満たせば確定申告不要制度が使えます。

  • 公的年金等(企業年金なども含む)の受給額合計が400万円以下であり、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる
  • 公的年金等以外の所得金額が20万円以下

ただし、条件を満たしていれば「しなくてよい」というだけで、源泉徴収で払いすぎた税金を戻してもらうためには確定申告は必須となります。また、所得税は申告不要でも、住民税は申告が必要な場合もあるので注意が必要です。

なお、雑所得の速算表(2章)にあるように、1年間に実際に受け取った年金額(年金額として通知書等に記載された金額とは異なることがあります)が65歳未満は70万円(令和2年からは60万円)、65歳以上は120万円(令和2年からは110万円)に満たない場合は、公的年金等に係る雑所得額はゼロとなりますので、年金に税金はかかりません。年金に関しては確定申告もする必要はありません。

5. 確定申告はどうやってしたらいいの?

毎年1月になると、年金の源泉徴収票が郵便で届きます。この内容を確定申告書の所定欄に転記して、源泉徴収票とともに税務署に提出することになります。企業年金など複数の年金がある人は受け取っている年金の金額も合算し、源泉徴収票もすべて添付することになります。給与など他に所得がある人はそちらの書類も一緒に提出します。

年金のみであれば、それほど難しくはないので、何回か確定申告をすれば慣れてくると思われます。税務署や自治体などで申告相談会を実施していることもありますので、そちらに相談してみるのも一つの手です。

6. まとめ:年金には税金がかかる!原則として確定申告が必要!!

老後の年金は生活の柱となるとはいえ、公的年金のみでゆとりある生活が営めるかというとそうもいかないというのが現実です。老後のお金はたとえ少しでも手元にあるに越したことはありません。

確定申告をしなかったばかりに本来戻してもらえたはずのお金を受け取れなかったという事態は避けたいところです。必要な手続きはタイムリーに行って、老後の生活を少しでも快適なものにしたいですね。

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綱川 揚佐(社会保険労務士)執筆:綱川 揚佐(社会保険労務士)
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