もしかしたら固定資産税を払いすぎているかも!?

2022-04-06

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マイホームを持っていると毎年支払う固定資産税ですが、「納税通知書が届いたらそのまま支払っている」という方がほとんどだと思います。ですが、その額が間違っていた(誤徴収していた)ということがあるそうです。もし払いすぎていたら大変ですよね。

総務省の調査によれば、平成21年~23年度の3年間に固定資産税の課税の修正を行った市町村は、調査に回答したうちの97%という結果でした。修正の件数自体は多くなくても、ほとんどの自治体で修正が発生しているということです。

なぜそのようなことが起こるのでしょうか、そしてどうしたらそれを防げるのでしょうか。

1. そもそも固定資産税とは

固定資産税は、1月1日現在の土地、家屋(固定資産)の所有者に対し、その固定資産の価格をもとに算定される税額を、その固定資産の所在する市区町村が課税する税金です。納税者による申告制ではなく、課税当局が決定します。4~6月頃に各市町村区から送付される納税通知書に従い納付します。

2. なぜ税額の誤りが起こるのか

税額の誤りが起こる原因は大きく分けて2つあります。

2-1. 計算過程が複雑

土地のある場所や形状・面積や建物の構造や建築年数によって資産の評価額が決まるため、専門家にとってもかなり複雑な計算が必要となります。そのため、もし内容に誤りがあっても気づきにくいのです。

2-2. 状況が外観からは把握しづらい

現地を調査しても、建物の中をどのように使っているか、木造なのか鉄骨なのか鉄筋鉄骨なのかなど、外観からではわからないこともあります。利用状況や構造によって資産の評価は変わります。

2-3. 住宅の変更申請をしていない

住宅の増改築や取り壊し、店舗を住宅に変更したときになどに市区町村への申告が必要ですが、届けていないと変更前の状態に対して課税される場合があります。

3. 固定資産税額が違っているかも!こんな人は特に注意

以下に当てはまる方は特に注意が必要です。

3-1. 店舗兼住居の店舗を廃業し店舗部分を自宅の一部として使用している

店舗を廃業した場合は住宅用地の特例を使える可能性があります。店舗兼住居と住宅では固定資産税の計算方法が異なります。住宅用地の特例が使える場合は、固定資産税が通常の1/6に軽減されます。

3-2. 1月1日より前に建物を取り壊している

前年に建物を取り壊した場合、すでに取り壊し済みの建物の分が含まれていないかチェックしましょう。固定資産税は1月1日時点の土地家屋に課税されます。その前に建物を取り壊して申告していない場合、前年と同じように建物への課税分も含まれている可能性があります

また、住宅用地の特例が使われていた建物が取り壊された場合は、特例が使えなくなるので税額は増えます。

4. ほかにも注意点がたくさん!納税通知書のチェックポイント!

税額の誤りに気づかないまま長年納税していることも少なくありません。納税通知書の項目を見てチェックしてみましょう。

4-1.「地番」の欄に、所有していない土地が含まれている

同性同名の別人の土地が課税対象となっていた実例があります。

4-2.「地積」が登記上の地積になっている

登記簿上の土地面積のことを地積といいます。明治時代の検地等の古い情報がそのまま登記されていると、実際の地積と登記上の地積が異なっていることもあります。実際の地積が登記上より小さい場合は払いすぎている可能性があります。

4-3.「地目」に記載された区分内容と現況の利用状況が異なっている

土地はその用途によって、宅地、農地、池沼、山林などの地目で区分されており、地目によって評価額の算定方法が異なっています。

4-4.住宅用地の特例が使われていない

本来は申告の有無にかかわらず適用されるものですが、適用されていなかった・適用認定から漏れていたというケースが多発しています。住宅用地の特例が使われると、固定資産税が通常の1/6に軽減されます。

5. ほかの家と比較して税額を確認することもできる

毎年4月1日から最初の納期限の日までの間は、固定資産税の納税者は自分の土地や家だけでなく、ほかの納税者の土地や家屋の固定資産税評価額を見ることができます。これを「縦覧制度」といい、各市町村区役所の税務課で確認できます。

同じ市町村の土地や家屋と比較してみてあまりに大きな違いがある場合、自分の土地や家屋が適正に評価されているかの審査の申し出をすることができます。縦覧は無料ですから、一度確認しておくのがよいでしょう。

※「縦覧」は自分の土地・家屋と他の方の土地・家屋の評価額を比較し、自分の土地・家屋の評価額が公平・適正であるかを確認することです。固定資産税の納税者であれば誰でも、全ての土地・家屋を記載した「縦覧台帳」を期間限定で見ることができます。いっぽう、「閲覧」は、自分の土地・家屋の評価額などを記載した固定資産課税台帳を見ることです。

6. 誤りに気づいたら審査の申出を!

評価額に誤りがあるときには、納税通知書の交付を受けた日の翌日から3ヶ月以内に市区町村役所に設置された固定資産評価審査委員会に対して審査の申出を行うことができます。また、固定資産の価格評価以外(住宅用地の認定等)の事項について不服がある場合には市区町村長に対して審査の請求を行うことができます。

徴収し過ぎた税金(還付金)の請求権は、通常5年で時効となります。

7. まとめ:納税通知書をじっくり確認しましょう

「まさか役所が間違えるなんて」「複雑でわかりにくいから確認が面倒」と思いがちですが、わかりにくいからこそ誤課税が発生しているのが現実です。何年にもわたって払いすぎていた、といったことにならないように一度じっくり調べてみることをおすすめします。

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