スマホで確定申告がますます簡単に!その手順とは?

2022-04-06

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医療費控除やふるさと納税の寄附金控除などのために、確定申告を行っているという人も多いはず。でも、書類を準備するのが面倒で、つい後回しにしてしまい期限ギリギリになってしまう…なんていう声も少なくありません。

しかし、実は確定申告の方法は少しずつ進化していて、2019年からは、一部の人についてはスマホでの申告も可能になったことをご存じでしょうか?

そこで、スマホを利用した確定申告の方法をご紹介していきます。
(この記事では、国税庁のスマホ対応の経緯を紹介しています[2020年1月時点])

※2021年(令和2年分)にスマホで申告できる内容については以下の記事をご覧ください
【令和2年分】スマホでできる確定申告|2021年はより便利に!

1.確定申告の方法にスマホ作成が加わった!

確定申告は、1月1日~12月31日までの1年間の所得額を計算し、納付するべき所得税額を確定するために行うもの。2020年(令和2年)の確定申告の期間は、2月17日(月)~3月16日(月)の間となっています。

「確定申告は面倒」という印象が持たれがちですが、申告するために税務署の行列に数時間かけて並び、申告書類を作成、提出しているという人はいないでしょうか? よほど複雑な申告をするのでない限り、自宅で準備をして書類を郵送するかe-Tax(電子申告)を利用するほうが不要な時間がかからずスムーズです。

確定申告をするには、大きく以下の3つの方法があります。

  1. 申告書類を税務署で入手したり、国税庁のホームページからプリントアウトして、必要事項を手書きして提出する
  2. 国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」で必要事項をフォームに入力し、入力が終わったらプリントアウトをして提出する
  3. 2と同様に「確定申告書等作成コーナー」で書類を作成し、それをe-Taxで送信する

確定申告の手間がかからない順にならべると、3→2→1となります。とくに3のe-Taxは、WEB上で必要事項を入力し、送信ボタンを押せば申告が完了します。しかも、e-Taxでは源泉徴収票や領収書の提出も省略できるのが大きなメリットです(領収書は5年間の保存義務あり)。

これだけでもかなり手軽なのですが、これまでパソコンのみだった2と3が、2019年1月よりスマートフォン(以下スマホ)・タブレットに対応したことで、さらに便利になりました。

2.スマホで確定申告できるケースは広がる予定

スマホで確定申告ができるようにはなったものの、実は2019年は以下のように対応できるケースが限られていました。

【2019年時点でスマホでの確定申告ができたケース】

  • 当年分のみ確定申告を行う
  • 申告する収入が給与のみ
  • 源泉徴収票は1枚
  • 勤務先で年末調整をしている
  • 医療費控除や寄付金控除の適用を受ける
  • 医療費控除や寄付金控除以外に、確定申告で追加する控除や年末調整の内容に変更はない

つまり、会社から給与をもらっている人で、副業などによる申告すべき収入がなく、勤務先で年末調整を済ませており、かつ当年分の医療費控除、寄附金控除の確定申告をする場合にのみ、スマホでの確定申告が可能ということになります。

ただし、上記は前回(2019年)の確定申告時のスマホ対応の状況です。国税庁の「確定申告等作成コーナー」のお知らせによれば、2020年(令和2年)からは、給与が複数ある人や公的年金などの雑所得がある人も対象になる予定です。

スマホからe-Taxを利用する方法としてはID・パスワード方式マイナンバーカード方式の2種類があります。ID・パスワード方式では「ID・パスワード方式の届け出完了通知」(この後で詳しく解説)が必要です。一方、マイナンバーカード方式では、マイナンバーカードとマイナンバーに対応したNFCスマホが必要です。

以上のように、2020年からはスマホで確定申告ができるケースや方法が広がります。

※実際にどのように広がるかは国税庁のWebサイト等でご確認ください
(参考)スマートフォン × マイナンバーカードでe-Tax!進化するスマート申告!
    国税庁からのお知らせ <スマートフォンでの申告が更に便利に!> 

※2021年(令和2年分)にスマホで申告できる内容については以下の記事をご覧ください
【令和2年分】スマホでできる確定申告|2021年はより便利に!

3.スマホで確定申告をするにあたっての準備

では、スマホで確定申告をする場合に必要な準備について見ていきましょう。

【スマホでの確定申告に必要な書類】

  1. 給与所得の源泉徴収票
  2. マイナンバーカード(ID・パスワード方式の場合はマイナンバー(番号)がわかるもの)
  3. 還付金を受け取る口座番号の記載された預金通帳
  4. 医療費控除の申告をするなら医療費の明細書、寄附金控除の申告をするなら寄附金受領証明書など
  5. e-Taxで申告する場合は以下のどちらか
    [パスワード方式を利用する場合]ID・パスワード方式の届出完了通知
    [マイナンバーカード方式を利用する場合]マイナンバーカード対応のスマホ

ここで気を付けたいのが、e-Taxを利用する場合です。ID・パスワード方式を利用するならば、「ID・パスワード方式の届出完了通知」という書面に記載されたIDと暗証番号(パスワード)が必要になります。この書面を受け取るには、本人確認ができる運転免許証などを持って近くの税務署へ行く必要があります。

一方、マイナンバーカード方式を利用する場合は、マイナンバーカードとマイナンバーに対応したNFCのスマホが必要です。マイナンバーカードをまだ持っていないという人は、早めに交付申請を行いましょう。

4.スマホでの確定申告の手順

必要な書類等が準備できたら、実際にスマホで申告をしていきしょう。

スマホで申告する場合は、書類をプリントアウトして提出するか、e-Taxで提出するかを選ぶことができます。しかし、最終的に書類をプリントアウトするのであれば、普段から使っているパソコンで作業したほうがスムーズといえます。せっかくスマホで作業するならば、e-Taxを利用するといいでしょう。

ここでは、2019年の画面をもとにe-TaxでID・パスワード方式で医療費控除をする際の大まかな流れをご紹介します。申告内容によって流れは変わりますので、1つの参考としてください。

スマホ画面からの医療費控除申告の流れ

  1. 国税庁「確定申告書等作成コーナー」から「作成開始」をタップ
  2. 申告内容に関する質問に回答し、e-Taxか書面か提出方法を選択。利用規約に同意する
  3. 「ID・パスワード方式の届出完了通知」に記載されている利用者識別番号と暗証番号を入力する
  4. 氏名、生年月日、住所などの本人情報が表示されるので確認し、誤りがあれば修正する
  5. 源泉徴収票に基づき所得などを入力する
  6. 控除の入力画面で「医療費控除」を選択。画面に従い医療費を入力する
  7. 医療費控除額が表示されるので確認する
  8. 氏名、年齢、現在住所など、本人情報を入力する
  9. マイナンバーを入力する
  10. 「帳票確認・印刷」をタップして入力した内容を確認
  11. 利用者識別番号を確認し、特記事項があれば記入
  12. 暗証番号を再入力して、「送信する」をタップする

■確定申告等作成コーナー、スマホ画面のサンプル

(出典)国税庁Webサイトより

5.まとめ:自分に合った方法で期日中に申告を

スマホでの申告は、画面の指示に従って入力を進めれば、それほど難しいものではありません。特に若い世代のなかには、パソコンよりもスマホを使う方が、作業が素早く行えるという人もいるでしょう。

時代に合わせて少しずつ確定申告の方法は進化してきているので、自分に合った方法を選択して、期日中に確定申告をしっかりと済ませるようにしましょう。

※2021年(令和2年分)にスマホで申告できる内容については以下の記事をご覧ください
【令和2年分】スマホでできる確定申告|2021年はより便利に!

株式会社 回遊舎(編集・制作プロダクション)執筆:株式会社 回遊舎 (編集・制作プロダクション)
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