学資保険はいつから入るべき?お得な加入時期が妊娠中である4つの理由を解説

  • 公開日:2020年12月23日
    最終更新日:2022年04月15日
  • 生命保険

2022-04-15

https://www.kurashino-okane.com/life-insurance/gakushi-jiki/

小さいお子様をお持ちのお客様で今も昔も相談が多いのが「学資保険」です。「子どもが生まれたら学資保険に入らなきゃ」とご両親ばかりでなくお孫さんが生まれた祖父母の方までよくご相談に来られます。
お子様ができたお父様がご両親に相談すると、実は自分も子供の時に掛けられていた、ということもよくあります。

では、学資保険にはいつから加入するのが良いのでしょうか?

結論から言えば実は、学資保険に入るべきタイミングは妊娠中ということになります。今回は、妊娠中がお得な加入時期である4つの理由について、また学資保険に加入する際の注意点についても解説していきたいと思います。

この記事を読んでいただくことによって、学資保険についての正しい知識や適切な加入時期についてご理解いただけると思います。それでは早速見ていきましょう。

この記事は、ほけんペディア®の許可を得たうえで転載した記事となります。
■元記事:https://hokenpedia.itcstg.jp/gakushihoken/gakushi-jiki/

学資保険とは

学資保険とは、大きく分けて二つの機能を持った保険であるということをまずご理解ください。

  1. 子どもの将来の教育資金を蓄えるための保険(貯蓄機能)
  2. 親に万が一あった際の保障を備えるための保険(保障機能)

実は学資保険には様々な機能があり、お子様の将来の可能性を広げていくことが出来るものです。
ではそれぞれの機能について解説していきます。

①子どもの将来の教育資金を蓄えるための保険(貯蓄機能)

具体的な金額については後述しますが、お子様を大学へ進学させるまでにはトータルで1000万円単位の非常に大きな費用が必要になってくると言われています。

しかし、前もってコツコツ準備していくことにより短期間で大きなお金を用意しなければならない事態を防ぎ、家計を守ることが出来るのが学資保険というわけです。

「銀行で貯めてもなかなか増えないから」学資保険に入りたいと言われる方も多いですが、実際多くの場合定期預金や積立預金よりも貯蓄率が高いのが学資保険の特徴の一つです。

支払った保険料の総額よりどれだけ多く受け取れるかがポイントの一つになってきます。

②親に万が一あった際の保障を備えるための保険(保障機能)

前者と併せて学資保険が持つもので、加入のメリットをより感じる機能がこちらになります。

お子様の学費を少しずつ積み立てていく中で困ることは、一家の大黒柱であるお父様に万が一のことがあった場合にその費用をどうするかということです。もし何らかの保険に入っていなければ将来のお子様の進路に大きな影響が出てしまいます。

しかし、学資保険のもう一つの大きな特徴として、満期前に一家の大黒柱に万が一のことがあった場合には、それ以後の保険料を払わなくても学資保険の効力は失われず、満期時に学資金(満期保険金)を受け取ることができるという保障があります。

「進学のためのお金を貯める」だけの目的であれば他の方法でも構いませんが、生命保険としての機能を持つことで「学資保険」の優位性が必然的に高まるわけです。

しかし、支払った保険料に対して満期保険金が元本割れしたのでは、学資保険に加入する本来の目的から外れてしまうため、貯蓄と保障のバランスを考える必要があります。

学資保険はいつから入れるのか

では学資保険にはいつから入れるのでしょうか。
意外に思われるかもしれませんが、妊娠中からでも加入することができます。

一般的な生命保険は、対象になる人(被保険者)がいる状態で加入するものですが、学資保険に関しては妊娠中でも加入できるのです。赤ちゃんがおなかの中にいる状態でも「出生前加入」という規定があるため加入することが出来ます。

この方法で加入するメリットは次に解説しますが、一点だけ注意が必要です。

妊娠中での加入については条件があり、妊娠初期では流産等のリスクもあるため加入ができません。具体的には出産予定日の140日前、若しくは商品によっては90日前から加入できます。加入を検討される場合は、事前に加入条件を保険会社にしっかり確認するようにして下さい。

学資保険加入は妊娠中に入るべき4つの理由

さて、加入条件があるものの学資保険は妊娠中でも入れる、ということをお伝えしてきました。

では、学資保険はいつから加入するのが良いのでしょうか?

実は、妊娠中に加入するのが最も良いということになります。ここでは、妊娠中に学資保険に加入すべき理由を4つ解説していきます。

これだけのメリットがあるので、是非参考にしてください。

月々の保険料が安くなる

第一に、月々の保険料が低く抑えられます。
満期保険金を受け取る時期はある程度決まっていますので、スタートを早くすればその分積立の期間が長くなり、月々の保険料も安くなるというわけです。

例えば、お子様が18歳という同じタイミングで満期保険金を受け取るとすれば、出生前加入の場合と1歳時加入の場合とでは月々の保険料や総支払金額が違ってきます。もちろん出生前加入の場合の方が安くなります。

このように、加入されるタイミングを逃すと月々の保険料負担も増えてしまう可能性がありますので、できるだけ早く行動することをお勧めします。

返戻率が高くなる

第二に、返戻率が高くなります。
返戻率とは、支払った保険料の総額に対してどれだけ満期保険金を受け取れるかを示す割合になります。

具体例でお伝えすると
例)満期保険金(トータル)400万円÷総支払保険料390万円×100(%)=102.56%
となり、この場合、実際に支払われた保険料より約2.5%多く受け取ることが出来るということになります。

妊娠中に加入することで月々の保険料もトータルの総支払保険料も安くなり、さらに返戻率も高くなりますので、保険料的にも返戻率的にも有利です。

逆にお子様の年齢が高いと、保険料が高くなるうえに返戻率も低くなって元本割れする可能性もあります。

保険に限った話ではないですが、様々な人生のイベントが起こるときには面倒くさがらずに行動することが大事です。

選べる学資保険の選択肢が増える

学資保険の場合加入できる最低年齢は、出生前加入若しくは0歳からになりますが、逆に上限もあります。
これは保険会社・商品によって大きく異なっており、9歳まで加入できるものもありますが1歳までしか加入できない商品もありますので、加入時期が早ければ早いほど商品の選択肢が多いのは間違いありません。

また、前段で解説したように1歳でも年齢が上がると保険料が高くなり返戻率が下がってしまいます。
ある一定以上の年齢では返戻率が100%を割り込む、つまり受け取れる満期保険金よりも総支払保険料の方が多くなってしまうことになります。

保険の内容をじっくり考える時間が取れる

お子様が生まれるとお母様は育児でヘトヘトだし、お父様もお仕事しながら奥様を支えなければならず、とてもじゃないですがお子様が生まれてすぐには学資保険を検討する余裕などない、というのが実情だと思います。

私のところには、出産まで時間がある方や里帰り出産をされる前に学資保険のご相談に来られる方も多いです。

出産前のタイミングの方が落ち着いてお話も聞けますので、今これをご覧になっている妊娠中の方は、是非このタイミングでファイナンシャルプランナーに一度ご相談されてください。

学資保険を選ぶ際の3つの注意点

ここまで妊娠中の学資保険加入についてメリットを解説してきましたが、いくつか注意点もあります。
学資保険の保障部分の内容や払込期間等によって返戻率が全く変わってきますので、どのような内容なのかしっかり説明を受ける必要があります。

ここでは学資保険を選ぶ際の注意点について解説していきます。

貯蓄性を左右する返戻率

支払った保険料(総支払保険料)に対してどれだけ満期保険金が受け取れるかが最も注目されるポイントで、皆さんも一番気にされるところです。

保険会社もこの点をアピールして、ネット広告やパンフレットにも自社の返戻率の高さを謳っています。

返戻率は当然気にしなければならないことですが、学資保険の保障部分にも注意する必要があります。

学資保険における「貯蓄機能」と「保障機能」のどちらを重視するかで返戻率も変わってきます。
保障機能には、基本的な保障である契約者の死亡後の保険料免除特約の他、契約者死亡後の年金受け取り・被保険者(お子様)の医療保障といったものがあります。

しかし保障内容を充実させれば当然保険料は上がり、結果的に返戻率も下がってしまいます。
もし返戻率、つまり貯蓄性を重視されるのであれば、保障部分は基本的な保険料免除特約のみで契約された方が良いでしょう。

逆に保障性を重視されるのであれば、その内容をしっかり説明してもらい本当に必要な保障なのか理解することが重要です。

加入年齢制限をチェックする

前述の通り、学資保険の特徴として、お子様があまり大きくなってしまうと加入できなくなってしまう、というものがあります。

条件は保険会社ごとの商品によって違いますが、小学校入学前までが一般的です。

また、契約者と被保険者(親と子)の年齢の組み合わせによっては加入できないという商品もあります。
他にも、0歳であればより有利な返戻率の商品に加入できたのに、1歳を超えると加入できないという商品もありますので、学資保険を検討されている方は必ず加入年齢制限をチェックするようにしましょう。

払込期間にも注意

保険料との兼ね合いがあるためしっかりと保険のプロに相談するべきですが、実は他にも返戻率を上げる方法があります。

具体的には保険料の支払期間を短くすることです。通常であれば満期保険金を18歳で受け取るとすれば18歳まで保険料を支払いますが、その期間を例えば10歳までとしてみます。そうすると、返戻率は出生前加入の場合も、1歳時加入の場合でも支払期間18歳とするよりも返戻率が上がります。また支払期間が短い分、総支払保険料も安くなります。

注意点としては、月々の保険料が上がるため家計に負担になりすぎないようにする必要があります。

学資保険はいつから入るべきかに関するQ&A

そもそも学費にどれくらい必要かというデータをご紹介します。
小学校から高校まで全て国公立の場合、小学校で約32万円/年・中学校約49万円/年・高校約46万円/年となり、合計約480万円となります。

一方小学校から高校までが全て私立の場合、小学校で160万円/年・中学校約141万円/年・高校約97万円/となり、合計約1,680万円にもなります。

(文部科学省「子供の学習費調査」平成30年度)
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/mext_00102.html

また、大学進学については、入学費用だけで約82万円かかります(国公立約71万円・私立約86万円/入学金・受験費用・入学しなかった学校への納付金を含む)。

そして1年間の在学費用として国公立大学約107万円・私立大学文系約157万円/理系約184万円となり、総額では国公立大で約430万円(6年制では約640万円)・私立文系約630万円・理系約740万円(6年制約1,100万円)に上ります。
(日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」令和2年3月)https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r01.pdf

あくまで平均ではありますが、小学校から大学までオール国公立でも約1,000万円・オール私立であれば約2,500万円~2,800万円にもなります。しかもこれは自宅通学でのデータですので自宅以外になった場合の生活費も加えると非常に大きな金額になることがわかると思います。

学資保険以外で教育資金は貯められる?

これだけの金額をすべて学資保険で準備するためには月々の保険料も非常に高額になってしまいますのであまり現実的ではないかもしれません。他の金融商品、例えば定期預金や投資信託と併せて貯蓄するという方法もありますが、近年の超低金利の影響でうまく殖やせないというお声もよく聞きます。

このことから最近では学資保険に代わるものについてのお問い合わせが増えています。例えば低解約返戻金型終身保険や変額保険等、生命保険をうまく活用することで万が一の時の保障と貯蓄性を両立させる方も多くなっています。

2歳や3歳からでは学資保険加入は遅いのか?

ご紹介した妊娠中に加入するメリットを読まれて、「我が家はもう手遅れだ……」とは思わないでください。

お子様の将来のための学費を準備するには学資保険だけでなく様々な方法がありますので、そのような方こそファイナンシャルプランナーにご相談ください。

お金に関するプロが解決策をきっと見つけてくれるはずです。

まとめ

ここまで学資保険に加入するタイミングについて解説してきました。
お金のメリット、選択肢の幅、時間的余裕から、学資保険の加入は「妊娠中が最適」ということになります。

また、学資保険に加入する際の注意点についても解説しました。場合によっては返戻率が100%を下回ることになるため注意が必要でした。

そして、学資保険の加入以外にも、ご両親のお子様への夢や希望、家族構成や家計など、新たな家族であるお子様を迎える際には考えなければならない重要なポイントと選択肢はたくさんあります。
これからの皆さんのライフプランを一緒に考えてくれる保険のプロに是非ご相談ください。

執筆:武宮 英樹(ファイナンシャルプランナー))1994年大学卒業後、医療機器商社へ入社。開業コンサルタントとして、ドクター・薬剤師の方々の独立支援に一貫して従事。13年間、そこで培った医療法人の経営、医療関連の知識、そして長きに渡る実父母の介護、様々な経験より、ファイナンシャルプランナーへの道へ導かれる。2007年、外資系生命保険会社に転職。更に飛躍すべく2014年より現職へ。「知っているのと知らないのとでは大違い」を合言葉に、「リスクマネジメント」と「資産形成の必要性」を一人でも多くのクライアントへ伝えることをモットーとしている。

■保持資格:トータル・ライフ・コンサルタント

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