かんたん保険診断

生命保険を見直すときに注意すべきポイント

  • 公開日:2019年12月04日
    最終更新日:2022年04月15日
  • 保険の知識

2022-04-15

https://www.kurashino-okane.com/tips/ins-review-caution/

保険の見直し方法には、現在の契約を解約して新たな保険に加入し直す方法だけではなく、他にも複数の方法があります。その中から、より良い方法を上手に組み合わせて選ぶことが大切と言えます。

ここでは、保険を見直す際に、安易な解約をする前に知っておくべきポイントや注意点、見直しの方法などについてまとめました。

 

1. 安易な解約にご用心!やってはいけない保険見直し時の注意点

保険を見直す際に、これまでの保険契約を解約して新しい保険に加入し直す、ということがよくあります。古い保険よりも、新しい保険の方が、今の医療レベルや治療方法に合致した保障があるなど、古い契約を解約して見直しをする方が、メリットが高くなるケースも増えています。

しかしそんなときでも、解約にはいくつかの注意点が必要となりますので順番に見ていきましょう。

1-1. 無保険期間を作らないようにする

古い契約を解約して新しい保険に切り替える時、その間に空白期間があると、もしもその間に保険金支払いの事由が発生しても保険金が支払われないだけでなく、病気やけがにより新契約に加入できなくなるという可能性も起こり得ます。

ですから、解約して新しい保険に加入し直す場合には無保険期間を作らないように注意してください。
具体的には、まずは新契約を申込んで、告知書での健康状態の告知や、医師による診査等を行い、その結果、保険契約が正式に成立するまで待ちましょう。必ず、新契約の成立を確認してから、古い契約を解約するようにしてください。

申込書を書いただけ、診査を受けただけでは契約は成立していませんので注意してください。また、申込所の書き間違いや、クレジットカード番号の書き間違いなどにより、契約が成立していない、という可能性もありますので必ず成立確認をしてください。確認方法は、契約した保険会社や保険代理店などに直接連絡して聞いてみるのがいいでしょう。

1-2. がん保険の見直しの際の注意

がん保険には、多くの場合、加入してから90日または3か月以内に発症したがんには給付しない、とする決まりがあります。こうした、保険契約後の保障のない期間を免責期間と言います。こうした免責期間があることに十分注意してください。

なお、同じ保険会社のがん保険の場合、この免責期間無く切り替えが可能という商品もあります。詳しくは各保険会社に確認ください。

1-3. 将来の受取金の違いを比較する

とくに、少しでも貯蓄性のある保険を解約して新しい保険に加入し直す場合には、将来受け取る金額の違いについてよく確認しください。基本的に、古い契約ほど予定利率が高いため、その分、受取額が多くなります。安易な解約で大きな損失となる場合もありますので注意してください。

2. 保険の見直し方法は複数ある

今入っている生命保険が本当に必要なのか、もっと安くできないかなど、加入中の保険について不安になるときがありますよね。でも、あわてて見直すのは間違いの元となることもあります。

とくに保険料を抑える方法には複数のやり方がありますので、安易に解約をせず、まずは専門家に相談したり、現状の収入や加入している公的保険の内容などを確認して、必要保障額を算出し直すことから始めることが無難です。

2-1. 保険料を安くしたい・保障を減らしたいとき

解約 → 新契約加入既存の契約を解約して、保険料の安い新しい保険に加入し直す方法です。1章で述べたような点に注意してください。
特約解約現在の契約の特約など、不要な部分を一部解約する方法です。少しずつ削っていくことが可能です。
減額現在の保障を小さくする方法です。例えば、死亡保障を半分に下げる、といったやり方です。商品によっては減額できないものや、限度額が異なる場合もあります。

2-2. 保障を増やしたいとき

新契約の追加加入現在の契約を解約せずに、新しい契約に追加加入して保障を増やす方法です。保険料は一般的に年齢が上がるほど高くなりますので、すべてを新契約とすると高額になってしまう場合もあります。そのため全部ではなく一部を追加で加入する方が効率がいいというケースもあります。
特約中途付加現在の契約に特約を中途付加して保障を増やす方法です。新しい保障を追加したい時には、まずは特約で中途付加できるものがないかを探してみましょう。
解約 → 新契約加入現在の契約を解約し、新しい保険に加入し直す方法です。商品によってはそうする方がトクとなるケースもあります。一部追加する場合と、全部新しくする場合とで、保障範囲や保険料合計などを比較してみるとよいでしょう。
契約転換制度現在契約している保険契約の責任準備金や積立配当金を、転換価格として充当し、同じ保険会社の新しい商品に加入する方法です。大手生保など、一部の保険会社だけで取り扱っている方法で、同じ保険会社の商品で保障を増やす場合に有効な方法です。
転換価格を頭金のような形で充当するため、新規加入するよりも保険料が割安になることが特徴です。ただし、転換制度を利用することで将来の受取額が減少する場合がありますので注意が必要です。

2-3. 保険料の支払いをやめたいとき

解約解約 現在の契約を解約する方法です。保障がなくなるため、本当に解約すべきかよく考えましょう。
払済保険(終身)支払いを中止して、同じ保険期間で、保障を小さくする方法です。
現在加入している死亡保険のその時点の解約返戻金を、一時払い保険料に充当する形を取り、既存の契約と「同じ保険期間」のまま「同じ種類」(例:終身→終身)の、保障の小さい保険に変更する。
以降の保険料を払う必要はなくなり、死亡保険金などの保険金額が減り、特約部分の保障は消滅となる。
払済後の保険料は、契約当時の料率で計算されるので予定利率が高い時期に加入していた人にとっては、解約して新規に加入するより有利な場合が多い。
払済保険(定期)支払いを中止し、同じ保障額の定期保険にする方法です。
現在加入している死亡保険のその時点の解約返戻金を、一時払い保険料に充当して、既存の契約と死亡保障額が同額の「定期保険」に変更する。以降の保険料を払う必要はなくなり、死亡保障額はそのままだが、特約部分は消滅する。
充当するその時点の解約返戻金額によって保険期間が異なり、通常元の保険の保障期間より短くなるが、充当金が多い場合は元の保険の払込満了期間を経過すると保障は終了し、余ったお金は満期金として支払われる。

【ご注意】保険会社や保険商品によって取れる方法が異なります。詳しくは保険会社、または当社窓口までお問い合わせください。

3. まとめ:生命保険を見直す時は専門家に相談を!

最後に、生命保険の見直しの注意点についてまとめました。安易な見直しをすることがデメリットとなる場合もありますので、十分注意してください。

  • 無保険期間をつくらないよう、新しい保険が成立するまで古い契約を解約してはいけません。
  • 今の保険を解約して新しい保険に加入しなおす方法のほかにも、いくつもの選択肢があります。安易に解約に走らないよう注意してください。何をやめるのかというよりも、何を残すのかを考える方ことがコツです。
  • 生命保険の見直しには、専門的な知識も必要なため、ファイナンシャルプランナーや生命保険の営業担当者など、専門家に相談してみるといいでしょう。
森田 直子(保険ジャーナリスト|有限会社エヌワンエージェンシー代表)執筆:森田 直子 (保険ジャーナリスト|有限会社エヌワンエージェンシー代表)
保険・金融専門の執筆家で庶民感覚のわかりやすい文体に定評がある。保険WEBサイト、経済紙記事、書籍「就業不能リスクとGLTD(共著)」ほか執筆実績多数。保険業界メールマガジンinswatch発行人。
 
 

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