かんたん保険診断

保険金・給付金の請求手続きのしかた

  • 公開日:2019年09月20日
    最終更新日:2022年04月06日
  • 保険の知識

2022-04-06

https://www.kurashino-okane.com/tips/insurance-claim/

死亡、病気やけがによる入院、手術など、多くの人が万一の事態に備えて生命保険や医療保険に加入しています。

保険に入ると、保険料の支払いは定期的に長期間にわたって続くのに対して、保険金・給付金を受け取る機会は限られています。そのため、いざ保険金・給付金が支払われる事由が発生した時に、どうすればよいかわからないというケースが少なくありません。

保険金・給付金は、受取人が自ら請求手続をおこなわなければ受け取ることができません。手続きをスムーズにおこなえるよう、事前に請求の流れを把握しておくことが大切です。

1.保険金・給付金を受け取るには請求手続きが必要!

保険金・給付金は、受取人が保険会社に請求手続きをおこなうことではじめて受け取ることができるものです。保険会社が自動的に支払いをしたり、手続書類を送ったりするわけではないので注意が必要です。

医療保険やがん保険は、被保険者が受取人となるケースが多く、その場合は被保険者本人が手続きをおこないます。死亡保険は、被保険者が手続きをおこなうことができないため、契約者=被保険者の場合は受取人が死亡保険の契約について把握しておく必要があります。

1-1.保険金・給付金請求手続きの流れ

保険金・給付金の請求手続きの一般的な流れは以下のようになります。

1.【受取人】保険金・給付金の請求理由が発生したことを保険会社に知らせる
連絡先は、保険会社・保険代理店などの担当者や保険会社のコールセンターです。その際、受取人に対して、以下の事項について確認を求められます。

死亡保険金請求時の確認事項

  • 保険証券番号
  • 亡くなった人(被保険者)の氏名
  • 亡くなった日
  • 亡くなった原因(病気、事故、自殺)
  • 亡くなる前の入院の有無
  • 受取人の氏名と連絡先
給付金請求時の確認事項

  • 保険証券番号
  • 入院、手術、通院、治療を受けた人の氏名
  • 請求の原因(病気・事故)
  • 入院期間(入院日、退院日)、通院日
  • 手術名、手術日
  • 受取人の氏名と連絡先

2.【保険会社】必要書類の送付
連絡した内容に基づき、保険会社から請求に必要な書類が送られます。連絡した内容以外にも請求できる契約がある場合には、合わせて案内が届きます。

3.【受取人】必要書類を用意し、保険会社に提出
請求する保険金・給付金によって提出する書類が異なります。記載内容のもれや書類の不備があると手続きに時間がかかったり、支払金額が変わったりする場合があります。わからないことがある場合は、保険会社に問い合わせてください。

死亡保険金の請求に必要な書類

  • 死亡保険金請求書
  • 死亡診断書または死体検案書
  • 受取人の本人確認書類
  • 事故状況報告書(被保険者が不慮の事故で亡くなり、かつ災害死亡保険金を請求する場合)

※保険会社によって、上記以外の書類の提出が必要となる場合があります。

給付金の請求に必要な書類

  • 給付金請求書
  • 診断書
  • 事故状況報告書(事故を原因とする請求の場合)
  • 交通事故証明書(交通事故を原因とする請求の場合)

※保険会社によって、上記以外の書類の提出が必要となる場合があります。

4.【保険会社】保険金・給付金の支払い
保険会社は、書類の内容をもとに支払いの可否を審査します。支払の決定がなされると、指定の口座に保険金・給付金が送金されます。保険金・給付金が支払われるのは、書類到着の翌日から起算して5営業日以内と約款で定められています。

5.【受取人】保険金・給付金の受け取り
保険会社から支払内容の明細が送付されます。必ず確認をおこなってください。

保険金・給付金の支払いには保険会社が定めたルールがあり。条件に該当しない場合は支払いが認められません。詳しく知りたい方は、「保険金と給付金の違い|種類、税金のかかり方がすっきりわかる!」「保険金・給付金を受け取れない8つの事例とは?」の記事を参考にしてください。

1-2.保険金・給付金の請求と時効

保険金・給付金の請求には時効があり、その期間は原則として3年間と定められています。時効がある理由は、支払事由が事件や事故などの場合、時間の経過とともに正確な調査ができなくなるおそれがあるためです。保険金・給付金の支払事由が発生したら、すみやかに請求手続きをおこないましょう。

ただし、死亡(自殺や事件性がある場合を除く)や満期など、保険金の請求事由が明らかな場合には、時効は適用されません。実際に、被保険者の死亡から何年もたったあとで保険証券が見つかることはよくあります。「何年も前に亡くなっているから…」とあきらめずに、保険会社に確認してみましょう。

2.保険金・給付金請求手続き時の留意点

手続きをスムーズに行うために、請求時の留意事項を確認しておきましょう。

2-1.複数の保険(特約を含む)に加入している場合

複数の保険に加入していると、通常はそれぞれの保険から保険金・給付金を受け取ることができます。請求にもれがないよう、保険証券の内容を確認しておきましょう。複数の保険会社と契約している場合は、保険会社ごとに提出書類を準備しなければならないため、手続きが複雑になります。

2-2.本人が請求手続きをおこなえない場合

医療保険、がん保険、高度障害保険金など、被保険者が受取人である場合は、被保険者本人が請求手続きをおこないます。ただし、特殊な事情(病気等で判断能力がない、本人が病名や余命を知らされていないなど)で請求手続きができないときには、あらかじめ指定された親族などが本人に代わって請求できる制度があります(指定代理請求制度)。代理人を指定しておくと、もしもの場合にも保険金・給付金の請求手続きをスムーズに進めることができます。

3.まとめ:保険金・給付金を受け取るために加入を家族に伝えておこう

保険金・給付金を受け取るには請求手続きが必要です。保険金・給付金が自動的に支払われることはないので、死亡、入院、手術など、保険金・給付金が支払われる事由が発生したら、すみやかに保険会社に連絡をして手続きを開始してください。複数の保険に加入している場合や、特約をたくさんつけている場合は、請求もれが発生しやすくなるので注意しましょう。

また、万一の場合に家族にお金を残そうと生命保険に加入して多額の保険料を支払ったとしても、受取人や代理人がその保険の存在を知らなければ保険金を請求する(受け取る)ことができません。自分がどのような保険に加入しているかを家族や親族などに伝えておきましょう。

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※掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。また個別の保険商品の内容については各商品の約款等をご確認ください。