かんたん保険診断

保険料が払えなくなった!解約はどうすればいい?

  • 公開日:2020年01月31日
    最終更新日:2022年04月06日
  • 保険の知識

2022-04-06

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もし生命保険に加入している途中で保険料が払えなくなったとき、保険はどうなるのか気になるところです。

毎月の引き落としが滞ったらすぐに保険が解約されてしまうのではないかと心配している人も多いと思いますが、実は、一定の猶予があるのであせらず対応策を考えましょう。

1.もしも保険料が払えなくなったらどうなるの?

保険料の負担が重くて支払っていくのがむずかしい、あるいは他の保険を検討している、などで今加入している保険を解約しようとしている人は、ちょっと待って。保険は預貯金などと違い、解約したらそれまで支払ったお金が確実に戻ってくるわけではありません。また、せっかく得ていた保障も解約の翌日からゼロになってしまいます。しっかり考えてから解約しないと損をしたり保障がまったくない状態になったりしかねませんので細心の注意が必要です。

保険料の支払いができなくなったので解約したいと思っている人は、まずは保険料の払い込みができなくなったらどうなるのかということを確認しましょう。

1-1.払込猶予期間や自動振替貸付という制度がある

実は、保険料の引き落としができなかったからといってすぐに保険の契約が無効になってしまうわけではありません。万一、月払い保険料の引き落としができなかった場合は、翌月末日まで払込猶予期間があるので、まずはその間に払えるのであれば問題ありません

もし払込猶予期間に払うことができない場合でも、解約返戻金がある保険に加入しているなら(約款の規定による)、その金額の範囲内で保険料を立て替えてもらい契約を続ける自動振替貸付があります。保険料の支払いが一時的に厳しい状況ということなら、このような方法で保険を継続することが可能です。

しかし、自動振替貸付が受けられず、払込猶予期間を過ぎて保険料の支払いができなくなってしまうと、その保険は失効となりこの時点で保障はなくなります

1-2.失効後も、復活が可能

保険が失効してしまっても、失効状態は解約ではないので、一定期間内なら復活手続きをすることで契約を元に戻すことが可能です(保険の種類などによって異なる)。改めて告知や診査が必要だったり、失効期間中の保険料などを払うことが条件なので、支払いが苦しくて失効した場合には、復活させるのは現実的に難しいかもしれません。

しかし、若い時に加入している保険は、新たに同じ条件の保険に加入し直すよりも保険料が安いというメリットもあるので、支払いが厳しいからとあわてて解約するのではなく、一定期間は猶予があったり、失効しても復活できる方法があるということを覚えておくといいでしょう。

2.解約の前に考えられる回避策はある?

もし、この先もずっと保険料を支払っていく自信がないという場合は、解約する前に、まずは今加入している保険の保障を小さくすることで保険料負担を軽くできないか、保険料の支払いを止められないか考えてみます。

2-1.払済保険と延長保険への切り換え

そのようなときに検討したいのが、「払済保険」と「延長保険」の制度です。解約返戻金がある保険の場合、その解約返戻金を元手に保障を切り換えることができます。この2つの制度ではその仕組みを活用することで、保険料の払い込みを中止して現在加入している保険を継続することができます。

払済保険とは、保険料の払い込みを中止して、解約返戻金で、保険期間が同じ保険に加入する方法のこと。ただし保障額が減額されます。そのため払済保険は、保障額を減らす代わりに保険料の負担をなくす方法だと言えます。

一方、延長保険とは、保険料の払い込みを中止して、解約返戻金で保険金額が同じ保険に加入する方法です。ただし保険期間が短縮されます。つまり、保険期間を短くする代わりに保険料の負担をなくす方法です。

2-2.払済保険と延長保険にするときの注意点

解約返戻金の額にもよりますが、払済保険は保障額が小さくなってしまう、延長保険の場合には保障期間が短くなってしまう、というデメリットがあります。また、両者の場合、契約前に付帯していた特約は消滅してしまう点も注意する必要があります。そのため、これらの変更をすることにより不足する保障を別の保険でカバーする方法を考えなければならないでしょう。とくに払済保険は保障額が小さくなるので、不足分の保障の確保が必要ですが、保障をゼロにしないで済むという意味では知っておいて損はないでしょう。

払済保険や延長保険に変更した後でも、一定期間(3年など)であれば、もとの保障内容に戻せる場合があることもあわせて覚えておきましょう(これを復旧と言います)。

※復旧の扱いは保険会社によって違います

3.どうしても解約するなら何に注意したらいいの?

上記のような方法が取れない場合や、他の保険に乗り換えるために解約したいという場合は、解約の時期を考えて保障が途切れないように注意しましょう。

新たに別の保険に入りなおす場合には、まずは新しい保険を契約し、保障が開始されたことを確認してから今までの保険の解約手続きを行います。保障の開始時期は保険商品によっても異なりますので、しっかり確認しましょう。とくに、がん保険などでは保障が開始されるまで90日程度の待機期間があるので、保障が開始されるまでそれまでの保険は解約せずに待つことが大切です。

解約の手続きは、加入している保険会社に必要な書類を請求し、届いた書類に必要事項を記入した上で保険証券などの書類とともに返送すれば解約することができます。

株式会社 回遊舎(編集・制作プロダクション)執筆:株式会社 回遊舎 (編集・制作プロダクション)
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