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夫婦型、家族型の保険とは?
医療保険やがん保険でもっとも一般的なのは、本人のみが保障の対象となる個人型です。そして、夫か妻どちらかの保障をメインで契約し(メインで契約する人は被保険者と呼ばれる)、配偶者や子どもが被保険者の従被保険者として加入するのが「夫婦型」、「家族型」と呼ばれるタイプです。この場合、被保険者の保障が主契約とされ、従被保険者の保障は特約として扱います。
個人型
保障の対象となるのは被保険者のみ。夫が医療保険やがん保険を契約した場合には、夫のみが保障対象となる。
夫婦型
保障の対象となるのは被保険者とその配偶者。夫が医療保険やがん保険を契約した場合には、妻を従被保険者として契約することで妻も保障対象に含まれる。
家族型
保障の対象となるのは被保険者とその配偶者・子ども。夫が医療保険やがん保険を契約した場合には、妻と子どもを従被保険者として契約することで、妻と子どもが保障対象に含まれる(配偶者は除く商品もあり)。
1つの保険で保障の範囲を本人だけではなく配偶者や家族にまで広げられるというのは大きなメリットのように思えますが、注意すべき点もあります。
夫婦型、家族型の保険のメリット
まずは、夫婦型、家族型のメリットを確認していきましょう。
保険料が割安
1人ずつ個別の保険に加入するよりも、夫婦型や家族型でまとめたほうが保険料は安くなります。しかも家族型の場合には、子どもが何人でも保険料が変わらないという商品もあるため、子どもが多いとメリットが大きくなります。
保険契約の管理がしやすい
契約を1つにまとめられるため、契約や管理がしやすいというのもメリットです。仮に家族3人がそれぞれ個別に医療保険を契約した場合には、3つの契約を管理する必要があります。これを家族型で契約すれば、契約は1つで済みます。
夫婦型、家族型の保険のデメリット
続いて、夫婦型、家族型のデメリットを確認していきましょう。
保障内容が同等ではない
医療保険やがん保険に加入する目的は、あくまで病気やケガをした際(がん保険はがんに罹患した際)の保障を得ることなので、入院や手術をした際にどれぐらいの給付金が受け取れるかチェックする必要があります。夫婦型や家族型の場合、主契約者(被保険者)が受けられる給付を100%とすると、従被保険者が受けられる給付はその60%程度となり、子どもの場合はこの割合がもっと下がることも。保険料が安い理由はここにあります。
保険の見直しがしづらい
たとえば主契約者である夫が保険を変更するために解約したいと思っても、従被保険者である妻や子どもの保障だけを残すというわけにはいきません。主契約者が解約をする場合には、配偶者や子どもも連動して解約をすることになります。夫婦どちらも健康であれば、一度解約して新たな保険に加入するのは難しいことではありませんが、どちらかの健康状態が悪い場合、それが難しくなることもあるでしょう。
離婚時には配偶者の保障がなくなる
夫婦型や家族型の場合、夫婦、親子であることが契約の前提にあります。もしも離婚することになった場合は、配偶者や子どもの保障はなくなります。先述の見直しの点とも重なりますが、離婚後に新たな医療保険やがん保険に加入しようと思っても、そのときの健康状態によっては加入できる商品に制限がでてしまうことも。また、医療保険やがん保険は年齢が若いほど保険料が安いので、離婚後に新しい保険に加入する場合は、保険料が大幅にアップする可能性があります。
実際に保険を選ぶのは非常に難しいため、プロの意見を聞くのも良い選択です。保険相談なら、選べる保険種類の多い保険ショップがおすすめです。夫婦型、家族型への加入はよく検討を
こうして見てみると、夫婦型、家族型の保険は契約が1つにまとまることにより保険料が安くなったり、1つの契約なので管理がしやすかったりといったメリットはあるものの、どちらかといえばデメリットの方が多いといえます。
実際のところ、夫婦型、家族型の商品は以前よりも少なくなっており、一般的ではありません。昔は今よりも専業主婦が多く、妻の医療保障は少なくていいという考え方もあったでしょう。しかし今は結婚・出産をしても働く女性が増え、時代の変化に対応した保険選びが大切になっています。子どもの医療費についても、日本は公的医療保障が充実しているため、民間の医療保険への加入が本当に必要なのかは検討の余地があるでしょう。こういったことから、「保険料が安いから」という理由だけで夫婦型、家族型の医療保険・がん保険に飛びつくのは考えものです。メリットとデメリットを加味し、家族が必要とする保障を得られるのかをきちんと判断するようにしましょう。