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学資保険は教育費の王道
今も昔も、子どもを持つ親にニーズが高いのが学資保険です。学資保険とは、進学などでお金が必要となる時期に、満期保険金などの名目でお金を受け取れる保険のことです。特に、大学に進学するとなると多額の教育費が必要となりますから、まとまったお金が準備できる学資保険は、教育資金作りの王道と言えます。ただ、学資保険と一言で言っても商品が色々とありどれを選んだらよいか、そもそも本当に必要なのかを相談する先がなく悩んでいる人もいるのではないでしょうか。そんな人のために、学資保険の基本を解説し、加入する際のポイントについて解説していきます。
学資保険のしくみ
保障内容や祝い金の受け取り方法など、学資保険の基本的なしくみを見ていきましょう。
親の死亡時は、以降の保険料が免除になる
学資保険の特徴は、親(契約者)に万が一のことがあった際、以降の保険料の支払いが免除になる点です。契約者が死亡した場合や高度障害状態になった場合などは、それ以降は保険料を支払わなくても、通常通りの祝い金や満期金がもらえるので、きちんと子どもの教育費を準備することができます(一部、保険料の支払いが免除されない学資保険もあります。詳細は保険会社に確認しましょう)。
祝い金や満期保険金の受け取り時期を選ぶことができる
一般的に、学資保険では、祝い金や満期保険金の受け取り時期を選ぶことができます。主流は、最も教育費のかさむ大学時代に焦点を合わせ、高校3年時と大学の4年間の合計5回にわたって祝い金や満期金を受け取るプランですが、中学校入学時や高校入学時にも受け取れるプランや大学入学時に一括で受け取れるプランもあります。受け取り金額に関しても、入学時だけ多くそれ以外は一定額のプランや、全期間を通じて一定金額がもらえるプランなど、商品によって異なります。商品を見比べてどの受け取りパターンがいいのか比較するとよいでしょう。
学資保険の加入は小学校入学まで!
学資保険には、加入できる子どもの年齢に制限があり、満6歳や満7歳までとする商品が多いのですが、中には10歳頃まで加入できる商品もあります。ただし、子どもの年齢が高くなるほど満期までの期間が短くなり、支払う保険料も高くなります。一部の商品では出生前から加入できる「出生前加入特約」を付加できる学資保険もありますので、妊娠が判明したらなるべく早い段階で検討し始め、出生前や子どもが0歳のうちに加入できればベストでしょう。
親にも年齢制限がある
学資保険では子どもだけでなく、契約者となる親にも年齢制限が設けられています。保険料払込期間や子どもの年齢、契約者の性別などの条件にもよりますが、早ければ40歳前後で加入できなくなる商品もあります。親も年齢が高くなるほど病気などのリスクが高まり保険料が割高になるので、早めに加入しておくのが安心でしょう。
学資保険のチェック項目
学資保険に加入する際は、どのような点に気をつけて加入すればいいのでしょうか。ここでは、商品のチェックポイントをみていきましょう。
決め手は返戻率
学資保険の最大のチェック項目は、何と言っても「返戻率」でしょう。返戻率は、祝い金や満期保険金の総額を支払った保険料の総額で割って算出します。つまり、返戻率が高ければ高いほど、支払ったお金に対して受け取るお金の割合が多い「お得」な学資保険だと言うことができます。例えば、保険料払込期間が0歳~18歳まで、月々9,000円の保険料で、祝い金40万円を計5回受け取る学資保険であれば、下図のように返戻率はおよそ102.9%になります。学資保険の加入目的は、教育費の確保なので、返戻率は重視すべきポイントです。かつては保険会社のモデルプランで返戻率が110%を超える商品も多くありましたが、低金利の影響を受け、昨今では元本割れする商品も目立ち始めました。それでも、返戻率が100%を上回る商品はありますから、少しでも返戻率の高い商品を選びたいところです。
返戻率をアップさせる方法
子どもや親がなるべく若い時に加入する、保険料を年払いや一括払いにする、支払い期間を満期までではなく10歳払済や15歳払済などにするといった方法で、返戻率をアップすることができます。加入前にシミュレーションをし、返戻率を確認しておきましょう。
保険料の負担が重くないか確認を
年払いや一括払い、支払い期間の短縮でなどで返戻率をアップできると述べましたが、それは資金に余裕があってこそなせる技です。毎月コツコツと保険料を納める場合には当然、家計に無理のない範囲に保険料を抑えなくてはなりません。今度の生活のことを考えると、教育費だけではなく、住宅や車の購入費、家族旅行やレジャーといった用途にも貯蓄をしていく必要があります。保険料の支払いに無理がないかを見定めるためにも、やはり事前のシミュレーションが大切です。
学資保険のメリットとデメリット
長引く低金利で学資保険をはじめとする貯蓄性の高い保険の魅力が半減しているとはいえ、子どもの進学に合わせて教育費を確実に貯めることができるという学資保険ならではのメリットは健在です。ただし、保険で教育資金を準備する場合、途中で解約すると受け取る金額が払込金額を下回るというデメリットがあります。保険と貯蓄を併用するなどして確実に教育資金の準備をしたいものです。教育費の充実度は、子どもの将来をも左右しかねません。教育費について夫婦でしっかり相談し、子どもの未来に向けて、上手に学資保険を活用しましょう。