60歳からの生命保険は必要?見直しのポイントや備えたいリスク

60歳からの生命保険は必要?見直しのポイントや備えたいリスク

60代は定年退職や子供の独立など人生の転換期になることが多いです。また、体力の衰えを感じたり、体調不良に陥ることも多いタイミングです。

今回は、60歳からの生命保険の必要性、見直すべき保険の種類、ポイント、注意点などを詳しく紹介します。

1.60歳からの生命保険の必要性は個人のニーズや目的によって異なる!

60歳からの生命保険の必要性は、個人のニーズや目的によって異なります。
しかし、60代からは病気やけがのリスクが高まるため、医療に関する生命保険の必要度が高まるといえます。ここでは、60代の病気のリスクや生命保険加入率、毎月の払込保険料を見てみましょう。

1-1.60代で想定される病気のリスク

60代になると、病気やけがで入院・通院をすることが増えてきます。
厚生労働省の「令和5年患者調査」によると、40代〜60代の入院・外来受療率(人口10万人に対する割合)は以下のとおりです。

【入院】

年齢 総数 男性 女性
40代前半 258 260 256
40代後半 318 335 300
50代前半 441 489 392
50代後半 613 698 528
60代前半 838 983 695
60代後半 1117 1320 924

【外来】

年齢 総数 男性 女性
40代前半 3501 2668 4358
40代後半 3912 3108 4739
50代前半 4395 3510 5296
50代後半 5171 4482 5860
60代前半 6320 5571 7055
60代後半 8108 7799 8401

出典:厚生労働省「令和5年患者調査」

年齢とともに、心臓や脳の病気、認知症、転倒による骨折・外傷などのリスクが高まります。
とくに、60代以降はがんを発症するリスクが高まるため、生命保険で備えておくと安心できるでしょう。

1-2.60代の生命保険加入率

公益財団法人生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、60代の生命保険加入率は男性85.8%、女性86.5%となっています。
男女ともに約9割の人が生命保険に加入していることから、60代で生命保険の必要性を感じている人が多いことがわかります。

出典:公益財団法人生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」

1-3.60代が支払っている毎月の生命保険料金

「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、60代が毎月払っている保険料の平均は男性が17,666円、女性は13,250円です。

【平均月額払込保険料】

年代 男性 女性
20代 9,917円(年間11.9万円) 8,000円(年間9.6万円)
30代 16,583円(年間19.9万円) 11,666円(年間14万円)
40代 18,666円(年間22.4万円) 15,500円(年間18.6万円)
50代 21,250円(年間25.5万円) 15,833円(年間19万円)
60代 17,666円(年間21.2万円) 13,250円(年間15.9万円)

出典:公益財団法人生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」

40代・50代と比べると、60代は払込保険料が安くなっています。
一般的に子供が独立していたり退職後だったりする人が多いため、保険での保障を低く設定している人が多いのでしょう。

2.60代から見直すべき生命保険の種類

60歳からの生命保険は必要?見直しのポイントや備えたいリスク

ここからは、60代から見直すべき生命保険の種類を紹介します。

2-1.死亡保険

死亡保険は、死亡または高度傷害状態になったときに保険金が支払われる保険です。 万一のときに、遺された家族の生活費や自身の葬儀費用などを賄うのに役立ちます。死亡保険には、「定期保険」と「終身保険」があります。 定期保険は10年・20年など一定期間保障を受けられる保険で、月々の保険料が安いのが特徴です。

一方、終身保険は保障が一生涯続く保険です。月々の保険料は定期保険より割高ですが、中途解約をした場合は解約払戻金を受け取れます。

2-2.医療保険

医療保険は、病気やけがで入院・手術をした際に給付金を受け取れる保険です。差額ベッド代、食事代、病院への交通費など、公的医療保険の対象外となる費用に備えることができます。また、先進医療特約などを付帯することで、保障を手厚くすることも可能です。

2-3.がん保険

がん保険はがんの保障に特化した保険です。がんと診断されたときやがんの治療をしたとき、がん治療で入院したときなどに給付金を受け取れます。 がんは治療が長引きやすく治療費が高額になる場合もあるため、がんへの不安が大きい60代以降はがん保険の加入を検討してみましょう。

ちなみに、がんや三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)の保障がついた医療保険を選ぶという方法もあります。

2-4.傷害保険

傷害保険は日常生活やスポーツ、旅行中などのけがに備える保険です。けがをして、治療や通院、入院、手術をしたとき、死亡したときなどに保険金が支払われます。60代は身体機能の低下によって、転倒などによるけがのリスクが高まります。
医療保険では入院が必要ないけがは給付金を受け取れない場合が多いですが、傷害保険なら通院のみで受け取れるので加入を検討してもいいでしょう。

2-5.介護保険

民間の介護保険は要支援・要介護状態になったとき、一時金や年金を受け取れる保険です。公的介護保険では介護サービスを受けられますが、対象にならない介護費用は自己負担となります。高齢になると介護リスクも高まるため、健康なうちに民間の介護保険に加入しておくと将来の介護における経済的リスクに備えることができるでしょう。

3.60代が保険を見直す際のポイント

ここでは、60代が保険を見直す際のポイントを紹介します。

3-1.まずは現在の保障内容を見直す

ライフステージの変化によって保障内容が合わなくなっている可能性があるため、まずは現在加入している保険の保障内容を見直してみましょう。子供が独立している場合は、保障を縮小して保険料の負担を減らせることがあります。年齢とともに病気やけがのリスクが高まるため、とくに医療保険やがん保険など医療保障が不足していないか確認しておくことが大切です。

3-2.ライフスタイルの変化を考慮する

60代が生命保険を見直すときは、ライフスタイルの変化も考慮しましょう。60代は収入や健康状態に変化が起こりやすく、健康維持や医療費、介護費、老後の生活費などに備える保障のニーズが高まる時期です。家族の経済的な負担も考えつつ、自身のライフスタイルに合わせた保障を選ぶことが大切です。

3-3.保険の種類を変更する

60代で保険を見直すときは、種類の変更も検討してみましょう。

例えば、60代から定期保険に加入すると、満期を迎えたときに年齢制限によって更新や新規加入が難しくなる場合があります。定期保険から終身保険に切り替えると、保障が一生涯続きます。ただし、60代から終身保険に加入すると保険料の負担が大きくなる傾向にあるため、ライフプランや経済状況を考慮しながら、自分に合った商品を検討しましょう。

3-4.必要な保障と必要ではない保障を見極める

60代で保険を見直す際は、必要な保障と必要でない保障を見極めることも重要なポイントです。
保障は手厚くなるほど保険料の負担が大きくなるため、ライフステージの変化によって不要となった保障を外すと保険料を抑えられます。ただし、保険料の安さを優先すると、万一のときに十分な保障が受けられない場合があるので注意が必要です。家族構成や経済状態、健康状態を考慮して、保障額や特約の増減を検討しましょう。

4.60代から保険に入るときの注意点

60歳からの生命保険は必要?見直しのポイントや備えたいリスク

ここでは、60代から保険に入るときの注意点を紹介します。

4-1.保険料が高額になることがある

生命保険の保険料は若いほど安い傾向があるため、60代から新規で保険に加入すると保険料が高くなる可能性があります。さまざまなリスクを考えて保障を加えすぎることも、保険料が高額になる原因になります。将来の経済状況も考慮して、支払い可能な保険料に設定しましょう。

4-2.健康状態によっては加入できない場合がある

保険に加入する際は、基本的に健康状態や既往歴などの告知が必要です。自分に合う保険を見つけても、健康状態によって加入できない場合があり、加入できても条件がつくことがあります。持病がある人や健康状態に不安がある人は、引き受け基準が低く設定されている「引受基準緩和型」や無審査・無告知で加入できる「無選択型」の保険を検討するのも良いでしょう。

ただし、これらは通常の保険よりも保険料が高くなる傾向があるため、慎重に選びましょう。

4-3.解約返戻金が返還されないことがある

生命保険を途中で解約したときに払い戻されることがある「解約返戻金」は、契約から解約までの期間が長いほど返戻率が上昇するのが一般的です。60代で新規で加入する場合は、若い頃から加入する場合と比べると加入期間が短くなるため、解約返戻金が少なくなる可能性が高いでしょう。

保険選びに迷ったときはお金のプロへの相談がおすすめ!

60歳からの生命保険は必要?見直しのポイントや備えたいリスク

生命保険が必要かどうかは人によって異なりますが、60代は病気やけが、介護などのリスクが高まります。健康状態や家族構成、経済状況などを考慮して、保険の加入や見直しを検討してみましょう。「自分に合う商品を決められない」「どの保険を優先すればいいかわからない」など、保険選びに迷ったときはお金のプロへ相談するのがおすすめです。専門的な知識をもつプロの力を借りて、安心できる生活を送りましょう。

まとめ

  • 個人のニーズや目的によって異なるが、60代はライフスタイルの変化や健康リスクの高まりから生命保険の必要性は高いといえる
  • 60代から見直すべき生命保険の種類は、「死亡保険」「医療保険」「がん保険」「傷害保険」「介護保険」
  • 保険を見直す際のポイントは、「現在の保障内容を見直す」「ライフスタイルの変化を考慮する」「保険の種類を変更する」「必要・不要な保障を見極める」
  • 保険に入るときの注意点は、「保険料が高額になる可能性がある」「健康状態によって加入できない場合がある」「解約払戻金が少額、または返ってこないことがある」など

酒井 富士子

監修:酒井 富士子
経済ジャーナリスト/金融メディア専門の編集プロダクション・株式会社回遊舎 代表取締役。ファイナンシャル・プランナー

上智大学卒業。日経ホーム出版社(現日経BP社)にて「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。リクルートの「赤すぐ」副編集長を経て、2003年から現職。「お金のことを誰よりもわかりやすく発信」をモットーに、暮らしに役立つ最新情報を解説する。近著に『おひとりさまの終活準備BOOK』(三笠書房)、『お金の増やし方ぜんぶわかる!新NISA超活用術』(Gakken)など多数

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