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主契約と特約
保険は、主契約と特約で構成されています。主契約は、保険のベースとなる部分で、主契約単独で加入することができます。いっぽう、特約は、保障を充実させるためのオプション部分で、特約にだけ加入することはできません。特約にはさまざまな種類があります。この記事では、リビングニーズ特約、先進医療特約、女性疾病特約についてくわしく解説します。
リビングニーズ特約
医師から余命が6か月と診断された場合に、保険金の全部または一額(最高3,000万円まで)を生前に前払い請求することができ、保険金を受け取ることができる特約です。特約に保険料はかかりません。治療費の補助や余命期間を豊かに過ごすことを目的として、考え出された特約です。保険金の残りの部分については、契約が継続されるため、その分の保険料の支払が必要です。リビングニーズ特約で受け取った保険金の使いみちに制限はなく、自由にお金を使うことができます。余命6カ月を過ぎて生存していた場合でも、返金の必要はありません。また、受け取った保険金は非課税となり、税金はかかりません(ただし、被保険者が死亡した時に保険金が残っている場合は、相続財産として相続税の課税対象となります)。リビングニーズ特約は、残された時間を有効に使いたいと考える人にとっては、メリットが大きいでしょう。保険料の負担なしで生命保険につけられるので、覚えておきましょう。
先進医療特約
先進医療とは、公的医療保険が適用されない治療のうち、特定の大学病院などで研究・開発され、将来的に保険導入が期待されている医療技術で、厚生労働大臣の承認を受けたものです。特にがんの治療では、「陽子線治療」や「重粒子線治療」といった先進医療による治療が増えています。先進医療費は全額自己負担となり、「陽子線治療」や「重粒子線治療」は、およそ300万円ほどの費用がかかります。先進医療特約を付けることによって、治療の選択肢が増えるというメリットがあります。特約の保険料は高額ではないので、付けておくと安心です。
女性疾病特約
女性疾病特約とは、医療保険などに女性特有の病気の保障をプラスしたものです。医療保険でも、女性特有の病気で入院や手術に対して給付金を受け取ることができますが、女性疾病特約を上乗せすることによって、保障内容を充実させることができます。女性疾病特約の保障内容は、保険会社によって異なりますので。付ける場合は、しっかり確認しておきましょう。また、女性特有の保障を主契約とする女性保険もあるので、保険料やカバーできる保障を比較して、自分に合ったものを選択するようにしましょう。
特約の種類は豊富
このほかにもさまざまな特約があります。特約を付けることで保障を厚くできますが、保険料が高くなるので、必要に応じて検討するようにしましょう。
特約 | 標準的な内容と仕組み |
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がん入院特約 | がんで入院した場合、入院給付金が上乗せされる |
がん診断給付特約 | がんと診断されたとき、診断給付金が支払われる |
三大疾病特約 | 三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)と診断されたり、所定の状態になった場合に一時金が支払われる |
生活習慣病特約 | がん・脳血管疾患・心疾患・高血圧性疾患・糖尿病の5大生活習慣病で入院した場合、疾病入院給付金が追加で支払われる |
通院特約 | 病気やけがによる入院で入院給付金を受け取り、退院後その病気やけがの治療で通院した場合に給付金が支払われる(入院前の通院も給付対象とするタイプもある) |
室料差額給付金特約 | 入院により、室料差額が生じたときに支払われる |
災害死亡特約 | 災害で死亡した場合、死亡保険金が支払われる |
終身保険特約 | 終身保険を特約とするもので、一生涯の死亡保障を付加できる |