最近よく聞く先進医療特約ってなに？

先進医療特約の加入目的と給付金の取扱い ～意外と安い保険料～

CMなどで見かける「○○生命の△△医療保険」といった、民間が運営している医療保険サービスのオプションの1つに、「先進医療特約」があります。皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。先進医療特約に加入をするのは、保険が適用されない治療の中で「先進医療」に該当する部分の経済的負担に備えるためです。この特約をつけると、先進医療を受けた際、契約時の限度額までの治療代が給付されるのが一般的です。例えば、先進医療特約1000万円という設定で加入した被保険者が、先進医療による300万円の治療を受けたのであれば、給付されるのは300万円までとなります。保険会社や保険商品によっては、治療費全額は支給されない場合もあります。また、宿泊費や交通費に一時金が支給される商品もあります。また、先進医療特約の保険料は、月々100円程度が一般的です。

先進医療の実績と注意点 ～勘違いしやすい先進医療の意味～

先進医療がどの程度行なわれているかご存知ですか。平成27年1月15日発表の「平成26年度先進医療技術の実績報告等について」を参考に、平成25年7月1日～平成26年6月30日に報告された治療法を年間実施件数の多い順に5つ、治療代と平均入院日数の平均もあわせて確認しましょう。1.前眼部三次元画像解析：7,458件（約0.4万円、0.5日）2.多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術：7,026件（約51万円、1.3日）3.陽子線治療：2,916件（約263.5万円、12.5日）4.重粒子線治療：1,639件（約308.7万円、14.6日）5.硬膜外自家血注入療法：641件（約3.6万円、9.2日）

もちろん、これら以外にも先進医療と治療法はたくさんありますが、先進医療を利用されている方のほとんどが、目の病気や癌であることが分かります。先進医療とは、厚生労働省が定める高度な医療技術を用いた治療のことです。この治療に該当する場合、保険が適用されず全額自己負担となります。そのため、重粒子線治療や陽子線治療などを受けると、とてもたくさんのお金がかかってしまいます。ポイントは厚生労働省が定めているものに限定されることです。よく、公的医療保険が適用されない自由診療や最先端医療のすべてが先進医療に該当すると勘違いされている方もいますが、そうではありません。また、先進医療を受けるための施設も決まっていて、どこの病院でも受けられるわけではありません。平成26年6月30日時点では、1年間に実施が報告された先進医療に該当するものは95種類、先進医療を実施したと報告された医療機関数は571施設でした。（1施設で複数の先進医療技術を実施している場合でも、1施設として計上しています。また、1施設で先進医療Aと先進医療Bの両方を実施している場合でも、1施設として計上しています）（出典）厚生労働省先進医療の対象となる治療法は随時、追加や廃止が行なわれているため、医療保険に加入した時には対象だった治療法も、いざ自分が発病した時には対象外となっているケースも考えられます。他にも、既に放射線治療を受けたことがある癌患者であれば、同じ部位に重粒子線治療は行なえないなど、先進医療を受けたいのに受けられない可能性もあります。「がん先進医療特約」と呼ばれる特約の場合、目の病気で先進医療を受けても給付金はなく、癌に関わる先進医療しか保障はされません。また、契約後90日以内に発症した癌は対象外となることが多いので、もし先進医療特約に加入しているのであれば、どの範囲までカバー出来るのか確認しておきましょう。

先進医療特約に加入するには？～特約＝オプションなので主契約が必要～

冒頭で申し上げた通り、先進医療特約というのはオプションです。従って、先進医療特約だけに加入することは出来ません。医療保険やがん保険などの本サービスに付帯することで先進医療特約に加入出来ます。また、先進医療特約なしで加入してしまった場合、あとから付け足すことは出来ません。そのため、付け足したくなった場合には、保険そのものの乗り換えを検討する必要があります。先進医療を受けると、先進医療にかかる費用や、通常の治療と共通する部分についての一部負担金、食事についての標準負担額など、それぞれの金額が記載された領収証が発行されます。確定申告で医療費控除を受けようと考えている方は、この領収証を大切に保管しておいてください。