まずはどのように保険料が決められるのか?また、自動車保険の保険料に相場はあるのか、チェックしてみましょう。
目次
1. 自動車保険の保険料は、車を運転する人のリスクで決まる!
自動車保険(任意保険)の保険料は、車を運転する人のリスクにより変化します。車を運転する人とは、契約している車を最も運転する「記名被保険者」のほか、たまにその車を運転する「被保険者」も含まれます。
事故に遭うリスクが高いと判断されれば、保険料は高くなり、リスクが低いと判断されれば、保険料は安くなります。
1-1. リスクとは?
自動車保険でいうリスクとは、主に交通事故を起こすリスクを指しています。現時点で起きていない事故に対し、「Aさんのリスクはこれぐらい」ということはできません。そこで車種や事故歴など、詳細な項目の膨大なデータからリスクを導き出し、それに見合った保険料が提示されます。
1-2.自分のリスクは事前にわかる?
自分がどの程度の交通事故リスクに該当するのか、正確に知ることはできません。ただし、20歳以下や70歳以上といった年齢の人、車両に安全装置(衝突被害軽減ブレーキ等)がついていない場合などは事故率や事故時の損害率が大きくなる傾向にあり、リスクが高いということが言えます。
リスクについての評価は保険会社によりまちまちとなるため、保険会社で見積もりを取ることがリスクの最適な判断方法となります。
2.リスクの種類とその中身は?
損害保険料率算出機構では個々のリスクについて、差異に応じた保険料になるよう、以下のような料率区分を設けています。
2-1.自動車の種類 用途・車種
自動車を利用する目的(日常使用、通勤使用、事業用)や、自動車の種類(乗用・貨物)などによりリスクが異なるため、用途・車種により区分しています。
2-2.付保台数 ノンフリート・フリート
所有する車両の保険加入台数により、リスクの測定方法が異なります。総付保台数9台以下の場合ノンフリート契約となり、10台以上の場合フリート契約になります。通常はノンフリート契約です。
2-3.型式 型式別料率クラス
自動車は型式(モデル)別でリスクに差があるため、型式ごとに対人、対物、車両、傷害の4項目を9つのクラスに区分して料率を提示しています。事故による保険金の支払い実績が高い形式は、リスクが高いとみなされ、保険料が高くなります。
2-4.安全装置 衝突被害軽減ブレーキ(AEB)
前方障害物との衝突を回避、または衝突速度を下げるための自動ブレーキの有無でリスクが異なります。
2-5.初度登録年月 新車or新車以外
車両保険を除き、古い車よりも新しい車のほうが、リスクが低い実態が見られるため、保険料率を新車・新車以外に区分しています。
2-6.保険金額、免責金額
保険金額や免責金額の設定内容により保険料率は区分されます。
2-7.運転者の年齢
全年齢補償、21歳以上補償、26歳以上補償にわかれ、26歳以上補償についてはさらに細かく分類されます。事故率の高い年齢層は保険料が高くなります。
2-8.過去の事故歴(ノンフリート等級)
ノンフリート契約では1-20等級の区分により、過去の無事故年数や事故件数などを判断し、料率を適用します。保険金の支払いがない人ほど、保険料の割引率が高くなります。
2-9.運転者の範囲 運転者限定
運転者を限定しなければリスクが高くなり、保険料も高くなります。運転者を本人、配偶者、家族などに限定すればリスクが低くなり、保険料も安くなります。
2-10 ほかにもあるリスク
これらは保険料率損害機構が設定する料率区分です。保険会社はさらに「性別」「地域」「走行距離」などに対してもリスクを評価し、それに適した料率を用いて保険料を計算しています。
3.保険料の決まり方
各保険会社は、記名被保険者のリスクを判断し、料率を適用して保険料を算出しています。ですから「26歳でヴィッツなら一律いくら」といった相場は存在しません。
また全くの同条件であっても、保険会社によって適用される料率が異なるのが特徴です。つまりリスクに対する評価がまちまちとなるため、A社とB社で保険料が数万円違うこともありえます。
4.見積もりのススメ
4-1.新規契約の場合
新車、中古車を問わず、新規で車を手に入れて保険を検討する際、ディーラーで自動車保険の見積もりを提示されることが多くあります。これは、ディーラーの多くが損害保険会社の代理店を兼ねており、自動車保険を取り扱うことができるためです。
しかし、そのままで決めてしまわずに、他社で見積もりを取り、比較すると保険料が安くなるケースがあります。納車まで2週間ほどの余裕のあるタイミングであれば、別の商品も検討する旨を伝え、他の保険会社での見積もりをおすすめします。
4-2.乗り換えの場合
現在、自動車保険に加入中で満期のタイミングで他の保険会社に乗り換えを考えているなら、満期のおよそ2カ月前に更新案内が到着します。更新案内には、次年度の等級や現在の契約プラン、充実プランなどが記載されているため、他社で見積もりを取るのにも比較がしやすくなります。
4-3.見積もりで正確な保険料を知る
見積もりには次の書類が必要です。加入中であれば保険証券、記名被保険者の免許証、ほかに運転する人の氏名、生年月日などの情報、車検証があれば、見積もりを取ることが可能です。納車前であれば車検証がなくても、型式、初度登録年月日などがわかれば大丈夫です。
インターネットや電話での見積もりなどいずれも無料で取ることができます。
保険料はリスクにより左右されますが、リスクがどのように判断されるかは保険会社によります。正確な保険料を知るには、まずは見積もりを取ってみましょう。