生命保険見直しのタイミングは?必要性や見直すポイント、注意点を解説


生命保険は万が一のときに経済的な負担を抑えることができますが、加入しておけば安心というわけではありません。ライフステージや生活環境の変化などによって必要な保障が変わるため、定期的に保険の見直しをすることが大切です。今回は生命保険を見直す必要性やタイミング、ポイント、注意点を詳しく解説します。

1.保険見直しはどんな時に必要か?

生命保険は死亡や病気、けが、事故など、万が一の事態に備えるものです。保険加入時から年月が経っていると、ライフステージの変化によって必要な保障が変わっている場合があります。古い保険だと保障内容が今の医療に合っていない場合もあるため、いざというときに十分な保障が受けられないことも考えられます。そのため、加入した保険は定期的に見直すことをおすすめします。

2.保険を見直すタイミング


では、実際にどんな時に保険を見直すとよいでしょうか?見直しの理由やライフステージの変化などから見ていきましょう。

2-1.保険料が高いと感じる時

教育費負担の増大や収入の減少などから、保険料をもっと低く抑えたいと考えるようになる時があります。保険に加入したときは無理なく支払うことができていても、家庭・生活環境の変化による支出の増加や収入の減少によって保険料の支払いが家計の負担になることがあります。その場合は、保険内容を見直したり、もっと安い保険に掛け替えたりして、保険料を抑える方法を検討しましょう。

2-2.定期保険の更新時

定期保険は10年・20年など保障期間が区切られており、満期を迎えると自動更新となって保障が継続されますが、保険料も年齢に応じた金額にアップします。10年・20年といった年月が経つと、ライフステージが変化し、保障に対するニーズが変わっていることも少なくありません。そのため、定期保険の更新時は保障内容が現状と合っているか、他の保険に切り替えるかなど、見直しをするといいでしょう。

2-3.住宅を購入した時

住宅を購入した時も保険を見直す良いタイミングです。多くの住宅ローンでは団体信用生命保険に加入でき、契約者が死亡または高度障害状態となると返済が免除されます。つまり、遺された家族の住居費に関しては、団体信用生命保険で備えることができ、その分、死亡保険の保障額を下げてもいいことになります。住宅を購入した際には死亡保障を減らして、保険料の負担を抑えられる場合があるでしょう。

2-4.転職をした時

転職によって収入と支出のバランスが変化したときや、今までの会社と転職先の福利厚生の内容が異なるときは、保険を見直すタイミングといえるでしょう。会社員から自営業になった時は公的な医療保障が薄くなり、死亡退職金もないため、医療保障や死亡保障の増額が必要です。自営業から会社員となった場合は、保険を見直すことで保険料を節約できる可能性があります。会社員がほかの会社に転職した際も、たとえば、長期療養などで働けなくなった時でも、公的制度で定められているより長期間の給付金が出るといった手厚い福利厚生が準備されている場合があります。そういった時にも、保険の見直しをするチャンスといえます。

2-5.定年退職した時

定年退職をした時も保険を見直しましょう。退職後の主な収入は年金だけになり、貯蓄を切り崩しながら生活を送ることが多くあります。その場合は、保障内容を見直すことで保険料を節約できる可能性があるでしょう。また、「大きすぎる死亡保障額を減らす」「医療や介護保障を手厚くする」といったように、自分が万が一の時の家族のための保障から、老後に備えて自分のための保障に切り換えるタイミングといえます。

2-6.子供が独立した時

子供が独立すると子供の生活費や教育費が少なくなるため、死亡保障額を減らして保険料の負担を軽くできる場合があります。その分、自分の医療や介護の保障を充実させたり、老後の備えとして貯蓄や投資、個人年金保険などに保険料負担を回したりすることを検討するのも良いでしょう。

2-7.加入してからかなり年数が経っている時

加入してからかなり年数が経っている時も、保険の見直しを考えてもいいでしょう。特に医療保険の場合、古いタイプの保険だと、新しい医療技術や治療法に対応して給付金が出なかったり、入院時の一時金が出ないなど、今の入院・手術の状況に合わなくなっている可能性があるからです。加入時と年齢や生活環境なども変わっているため、今の時代や自分に合った保障を検討することをおすすめします。

3.保険内容のどこを見直すとよいか

ここでは、実際に保険を見直す際に、どういった契約内容や保障内容をチェックして見直すとよいかをを紹介します。

3-1.保険期間が適切か

保険を見直す際は、保険期間が適切か確認しましょう。子どもの独立までの保障に備えたい場合は20年、一生涯の保障を備えておきたい場合は終身型など、目的によって適切な保険期間は異なります。死亡保障ですと、子どもが独立してからも高い保障額を掛けていては無駄ですし、逆に医療保障などは、高齢になってからこそ必要度が上がります。ライフステージごとのニーズに合わせて、保険期間を選ぶことが大切です。

3-2.保険料の支払いが無理なく続けられるか

保険を見直す際は、保険料の支払いが無理なく続けられるかを検討することも必要です。希望する保障内容や保障額でも、保険料が高すぎると支払いを継続してくことが難しくなる可能性があります。
経済的な負担が大きい場合は、「保障の重複がないか確認する」「保障額を減らす」「保障内容を変更する」など、保険料を減らせるように調整しましょう。

3-3.保障内容と保障額が目的と合っているか

保険を見直す際は、保障内容と保障額が目的と合っているかも重要なポイントです。たとえば、がん保険などの場合、今の治療や入院して治療するのではなく、通院による薬物治療が主流になっています。それなのに、入院時のみを保障しているタイプのがん保険では、実際に罹患した時に十分な保障が得られなくなります。このように、保障内容や保障額が目的と合っていない場合、万が一のときに十分な保障を受けられません。どのようなリスクに備えたいのかを考え、保険に加入する目的を明確にして必要な保障内容や保障額を検討しましょう。

3-4.定期型と終身型の特徴を理解して選ぶ

保険は保険期間の違いによって、定期型と終身型に分けられます。定期型は一定期間のみ保障される保険で、保険料は終身型と比べて安いのが特徴です。解約返戻金はなしまたは少額で、更新時に保険料が上がるのが一般的です。終身型は保障が一生涯続きます。保険料は定期型と比べて高めですが、保険料はずっと上がらず、解約返戻金もある場合があります。それぞれの特徴を理解して、年齢やライフステージに合わせて選びましょう。

3-5.掛け捨て型と貯蓄型の特徴を理解して選ぶ

保険は貯蓄性の有無に応じて、掛け捨て型と貯蓄型があります。掛け捨て型は、基本的に満期時や解約時に受け取れるお金はありません。その分、貯蓄型に比べると保険料が安く、必要な保障を準備しやすいです。一方、貯蓄型は満期時や解約時にお金が受け取れます。月々の保険料は掛け捨て型よりも高いですが、保障しつつ貯蓄をして様々な資金に備えられます。それぞれの特徴を理解して、どちらが自分に合うか考えて選びましょう。

4.保険を見直す際の注意点


ここでは、保険商品を見直す際の注意点を紹介します。実際に見直しを実行してしまってから、こんなはずではなかったと後悔しないために、チェックポイントを知っておきましょう。

4-1.元本割れを起こすリスクがある

貯蓄型保険の場合、保険料の一部が責任準備金として積み立てられており、満期の前に解約する際は解約控除が差し引かれた解約払戻金を受け取ることになります。満期まで契約を継続していれば、契約時に約束した満期金を受け取れ、元本割れはしていないのが一般的です。しかし、中途解約すると、支払い保険料の総額よりも解約払戻金が下回る「元本割れ」を起こすリスクがあります。保険を見直す際は、中途解約時や満期時の解約払戻金の金額を確認し、元本割れしてしまうことを承知の上で解約するようにしましょう。

4-2.免責期間は保険料がもらえない

免責期間とは、保険金の支払いが免除される期間のことです。例えば、がん保険では保険に入ってから90日・3ヶ月などの免責期間が設けられており、免責期間中にがんと診断されても保障を受けられません。古い保険を解約してしまい、新しい保険にのみ加入しており、免責期間中に診断を受けた場合、何の保障も得られないことになってしまいます。保険の切り替えを行う際は、保障の空白ができないよう、新しく加入した保険の免責期間が終わってから古い保険を解約するのがおすすめです。

4-3.健康状態によって新たに加入できない場合もある

保険に加入する際は保険会社の審査を通る必要があるため、自分の希望に合う保険を見つけても健康状態によっては審査に通らず、加入できない場合があります。新しい保険に入る前に現在の保険を解約してしまうと、無保険状態になってしまう恐れがあるので、新しい保険に加入できるとわかり、実際に契約を済ませてから解約するように注意しましょう。

4-4.加入年齢で保険料が上がる可能性がある

保険料は年齢を基準に計算されるため、加入時の年齢が高いほど保険料が上がる場合が多いです。そのため、保険を切り替える場合、年齢によって現在加入している保険よりも保険料が上がってしまう可能性があります。新しい保険に加入する場合は年齢が1歳でも若い方が保険料を抑えられる可能性が高いので、早めの行動が大切です。

保険の見直しは1度ではない。ライフステージの変化のたびに考えよう

保険に加入した後も定期的に保障内容や金額などを見直すことで、必要な時に必要な保障を得られます。特に、転職や退職、子供の独立などライフステージが変化した時は、必要とする保障も変わりやすいです。見直しをすることで保険料の負担を抑えたり、その時に必要な保障を的確に受けられたりしますので、状況に合わせて保険を見直しましょう。

まとめ

・ライフステージ、医療、支出・収入の変化によって保険内容が合わなくなる場合があるため、定期的に保険の見直しをするのがおすすめ
・保険を見直すタイミングは、「保険料が高いと感じる時」「定期保険の更新時」「転職した時」「子どもが独立した時」など
・保険を見直す際のポイントは、「保険期間が適切か」「保険料の支払いが無理なく続けられるか」「定期型・終身型の特徴を理解する」など
・保険料を見直す際の注意点は、「元本割れのリスクがある」「免責期間中は保険金が受け取れない」「加入年齢により保険料が上がる可能性がある」など

酒井 富士子

監修:酒井 富士子
経済ジャーナリスト/金融メディア専門の編集プロダクション・株式会社回遊舎 代表取締役。ファイナンシャル・プランナー

上智大学卒業。日経ホーム出版社(現日経BP社)にて「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。リクルートの「赤すぐ」副編集長を経て、2003年から現職。「お金のことを誰よりもわかりやすく発信」をモットーに、暮らしに役立つ最新情報を解説する。近著に『おひとりさまの終活準備BOOK』(三笠書房)、『お金の増やし方ぜんぶわかる!新NISA超活用術』(Gakken)など多数

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