年齢問わず、病気やケガと無縁の生活を送れる人はほとんどいません。医療保険は、病気やケガをした時にかかる費用の面で頼りになる存在です。
また、入院や手術を受けた後に、保険に加入すると、一定の期間はその部位に関して保障されないなどの条件が付加されることや場合によっては加入できないことがあります。そのため、健康なうちに早めに保険に加入し、病気やケガに備えておくのがよいでしょう。
病気やケガに備えることができる医療保険には、大きく分けて以下の4種類が挙げられます。病気やケガの種類にもよりますが、備えたいのは通院や入院、手術でかかる費用です。
就職時のライフスタイルにおいて適切な保険や、その特徴についてみていきましょう。(ここでは、両親と同居している場合も便宜上、世帯主としています。)
目次
終身医療保険
世帯主 役立ち度〇
終身医療保険とは、病気やケガでの入院・手術時に給付金を受け取ることができ、その保障が一生涯続く医療保険です。保険料が加入時から一生涯変わらないという特徴があるため、加入時の年齢が若ければ若いほど月々の保険料は安く済みます。
また、子宮がん・乳がんをはじめとする女性特有の病気による入院や手術をした際に保障額が上乗せになる女性疾病特約や、退院後の通院で給付金が出る通院保障特約、先進医療を受けた場合にかかる費用が保障される先進医療特約など、追加できる特約が豊富にあります。
会社員の場合、有給休暇や、国の制度である高額療養費制度もあるため、高額の保障は必要ありません。しかし、休業期間中に低下する収入分を補える保障として、入院日額5,000円から10,000円程度の保障は用意しておくと良いでしょう。
また、休業が収入に直結してしまう自営業の場合は、入院日額10,000円から15,000円程度の保障はあったほうが安心です。医療保険は健康なうちにしか入れないため、会社員、自営業問わず早めに備えることをおすすめします。
定期医療保険
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定期医療保険は、保障期間が「10年間」「20年間」や「60歳まで」「65歳まで」などある一定の期間のみ保障が続く医療保険です。保障内容やオプションは、終身医療保険とほぼ変わりません。
終身医療保険に比べて、同じ保険年齢での保険料は割安です。
しかし、設定された保障期間が終了する度に、定期的に保険を更新していく必要があります。更新時の保険料は、保険年齢で決まりますので、更新の度に保険料が高くなるという点は注意が必要です。
万が一の医療費を自分で備えることが必要な一方、給料がそれほど高くない就職直後は、毎月高額な保険料を支払うのは難しいでしょう。そのため、就職時の現段階では、毎月の保険料を抑えることができる定期医療保険がおすすめです。必要な入院日額は、終身医療保険と同様に、少なくとも日額5,000円の設定はしたほうがよいでしょう。
医療保険は年々新しいものが発売されます。そのため、定期医療保険の更新時を、保障内容を見直すチャンスと捉え、その時のライフステージに合った保障内容に変更するという方法もおすすめです。
がん保険
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がん保険は、がんの診断を受けた時やがんの治療時に給付金を受け取れる保険です。がんによる入院や手術を保障するだけでなく、まとまった診断金を受け取ることができるタイプの商品もあります。保障期間については、定期保険、終身保険どちらもの保険商品もあるため、加入前にしっかり確認するようにしましょう。
特約の種類は、先進医療特約や、増加傾向にある日帰り手術後の通院を保障する通院特約、放射線治療特約などと充実しています。
また、がん保険を選ぶ際には、各社のがんの定義をあらかじめ確認することをおすすめします。たとえば、皮膚がんなどの「上皮内新生物」をがんと扱うかどうかなど、がんの定義が各保険会社により異なり、その定義によっては給付金額が変わってくるからです。
がん治療は多様化しており、かならずしも入院するとは限りません。ただし、どの治療法だとしても、仕事や生活に影響が出るのは事実です。そのため、入院がないからといって安心せず、仕事への影響を考えて、一時金タイプと通院タイプのがん保険に加入しておくことをおすすめします。
生活習慣病保険
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生活習慣病保険は、「がん・心疾患・脳血管疾患」などによる入院・手術などを保障する保険です。がん保険と同様、保障期間が定期のものと一生涯続く終身タイプがあります。がんの場合は診断時に保険金が給付され、心疾患や脳血管疾患の場合は一定期間の労働制限や入院した場合に保険金が給付されるケースが多いです。 保険会社によって、心疾患・脳血管疾患についての対象病名が異なる場合があるので、内容はしっかり確認するようにしましょう。
がんと同様、心疾患や脳血管疾患では労働制限を受けることや後遺症が残ることもケースもあり、さらにはリハビリが長期化しがちです。そのため、会社員・自営業のどちらの場合でも、早めに加入してリスクに備えておくことをおすすめします。
ただし、保険会社によっては終身医療保険に生活習慣病特約を付加できる場合もあるので、その場合は単独で加入する必要がない場合もあります。あらかじめ加入中の医療保険の保障内容を確認した上で、検討してみてください。