こどもが独立し自分で生活費をまかなえるようになったら、時間的にも金銭的にも、親は自分の生活を維持することに専念できるようになります。しかしながら新婚時代と違うのは、加齢により病気のリスクが高くなっているという点です。
病気やケガの際に対応可能な医療保険には入っていても、その症状が重い場合には働くことができない状態になることもあるでしょう。働くことができなければ収入が減る可能性もあります。
そんな時にぴったりなのが「就業不能保険」です。就業不能保険とはどういうものなのか、また、世帯主・配偶者それぞれにとってどのくらい役立つのか解説していきます。
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就業不能保険
病気やケガで所定の就業不能状態になり、働けなくなった時に毎月給付金を受け取れる保険です。就業不能保険と名前から受けるイメージが似たもので「収入保障保険」というものもありますが、こちらは保障の対象者が死亡時に給付されます。一方、就業不能保険では生存時に給付金が受け取れますので、働けなくなった場合には大変頼りになる保険だと言えるでしょう。
また、就業不能保険は、月々の生活費だけでなく住宅ローンや車のローン返済など、契約者のさまざまな支出に備えられる側面もあります。
世帯主 役立ち度 ◎
一家の大黒柱である世帯主が長期間働けなくなった場合、家庭の収入に大きな影響が出てしまいます。主たる収入者の収入がなくなったり減ったりすると、月々の生活費用を節約し生活レベルを下げるだけでは間に合わないことも多いです。住まいが賃貸であれば住居費なども見直す必要が出てくるでしょう。
世帯主が働けなくなった際には傷病手当・障害年金などの給付金を受け取れる可能性もありますが、本来の収入から目減りする分については就業不能保険に加入して備えておくと安心です。
配偶者(専業主婦・パート) 役立ち度 〇
世帯主だけでなく、専業主婦やパート勤めの配偶者であっても、就業不能保険へ加入できる保険会社は存在します。
専業主婦やパート勤めの配偶者が重い病気などにより家事やパート勤務が難しい状態では、世帯主の家事労働の負担がその分増えることになります。そのため、家事代行サービスの利用などを視野に入れ、就業不能保険でまかなえるようにしておくとよいでしょう。ちなみに家事代行サービスの相場は、1時間当たり2,000〜3,000円ほどとなっています。
配偶者(共働き) 役立ち度 〇
共働きの配偶者が就業不能となった場合に、その収入が家計へどのくらい影響を及ぼすのかを、事前に確認しておきましょう。共働きの配偶者の収入が大きい場合には、世帯主のケースと同様に就業不能保険へ加入し備えておく必要があります。
また、家事について分担制にしているご家庭の場合、共働きの配偶者が働けない状態では世帯主が家事労働も背負うことになります。家事代行サービスの利用を検討し、その費用についても就業不能保険で備えておくことをおすすめします。