こどもが独立する前までは、両親が病気やケガで入院、手術をしてしまうと、こどもに経済的に苦労をかけてしまう恐れがあるため、入院・手術への手厚い保障が必要です。しかし、こどもが経済的に独立した場合は、こどもの生活に対して経済的な負担が少なくなります。このように、こどもが独立すると必要な保障が変わります。こどもの独立のタイミングで、加入している保険について、余分な保障を減らし、今後必要になる保障を増やしていくように見直すとよいでしょう。
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終身医療保険
終身医療保険は保障が一生涯続く医療保険で、病気やケガで入院や手術を受けた際に保障を受け取れます。オプションで追加できる特約も豊富で、女性特有の病気で入院した時に保障が上乗せされる女性疾病特約、退院後の通院を保障する通院保障特約や、先進医療でかかった費用を保障する先進医療保障特約などがあります。
終身医療保険の保険料は、加入時から変わりません。年齢が若いうちに加入した方が、月々の負担を軽くできます。
世帯主 お役立ち度 ◎
50代、60代と年齢を重ねるにつれて、病気のリスクが高まります。そのため、老後に向けての準備のために、このタイミングで医療保険の保障内容を見直しておいた方が安心でしょう。
発病した後の場合は、緩和型の保険にしか加入できなくなってしまったり、部位不担保などの特別条件が付いたり、保険料が割高になってしまう恐れがあります。このように、健康状態によっては、満足な保障が受けられなくなるため、こどもが独立したタイミングで、一生涯保障が続く終身医療保険に加入しておいた方がよいでしょう。
配偶者(専業主婦・パート) お役立ち度 ◎
世帯主と同様に、年齢とともに病気のリスクが高まります。老後に向けた準備として、終身医療保険への加入を検討するとよいでしょう。終身医療保険は、途中で保障が切れる心配がないため、老後も万が一の時に備えて、治療費を準備できます。
配偶者(共働き) お役立ち度 ◎
50代、60代と年齢を重ねるにつれて、病気になってしまうリスクが高まります。今すぐ入院に備えるというよりも、老後の準備として、こどもが独立したタイミングで加入を検討した方がよいでしょう。
定期医療保険
定期医療保険は、一定期間保障が続く医療保険です。保障期間は、10年、20年と年数、もしくは60歳、65歳までと年齢で決めることができます。保障内容や特約は、終身医療保険とほぼ変わりません。
定期医療保険の場合は80歳まで、90歳までと、一定の年齢に達するまで更新できますが、更新時には保険料がアップします。また、解約時の解約返戻金はほぼないため注意してください。
世帯主 お役立ち度 〇
定期医療保険は終身医療保険に比べて、保険料を抑えることができます。ただし、更新時に保険料が上がり、終身医療保険の保険料を上回る恐れがあるので注意してください。
定期医療保険の中には、ある一定以上の年齢になると定期型から終身型に変わる保険もありますが、保険期間が短い定期医療保険もあるので、加入時に注意が必要です。
配偶者(専業主婦・パート) お役立ち度 〇
病気やケガで入院や手術を受けたからといって、収入が減り、家計への影響が出てしまう可能性はほぼないでしょう。そのため、自分の治療費程度の保障を備えれば十分と考えられます。ただし、女性特有の病気など、入院が長期化し、治療費が高額になってしまう可能性の高い病気にも備えておくと、より安心できるでしょう。
配偶者(共働き) お役立ち度 〇
主たる収入者ではない限りは、大きな保障は必要ありません。治療費分程度の備えで十分でしょう。ただし、女性特有の病気に対する備えは手厚くしておくとよいでしょう。
女性保険
女性保険とは、医療保険に女性疾病特約がセットされた保険です。女性疾病やリウマチなどで、入院や手術をした時に、入院給付金や手術給付金が上乗せされることが多いです。また、女性疾病特約の保険料は安価なケースが多いため、加入を検討するとよいでしょう。
配偶者 お役立ち度 〇
女性保険には、リウマチなど女性がかかりやすい病気になり、入院や手術をした際に保障を上乗せするタイプがあります。月々の保険料も大きくないため、保障内容を確認した上で、保険料が負担にならないようなら、追加を検討するとよいでしょう。
がん保険
がん保険は、がんと診断を受けた時や、治療時・手術時に給付金を受け取れる保険です。がん保険には、まとまった診断金を受け取れるタイプ、入院や手術を保障するタイプなど、さまざまなタイプがあります。がん保険の特約は先進医療特約や通院特約、放射線治療特約など豊富です。
転移がない上皮内新生物をがんとして扱い、給付金を全額支払う会社もあれば、がんとして扱わずに給付金を1割、もしくは給付しない会社もあります。このように、がん保険の保障内容は保険会社によって異なるため、加入時にしっかり確認してください。
世帯主 お役立ち度 ◎
年齢を重ねるにつれて、がんの進行は遅くなります。入院をせずに、通院による放射線治療だけで、がんが寛解・治癒するケースがあります。
入院給付金タイプのがん保険だと、通院治療のみで寛解・治癒した場合、給付金を受け取れない可能性があるため、一時金タイプのがん保険を検討するとよいでしょう。
配偶者(専業主婦・パート) お役立ち度 ◎
国立がん研究センターの2017年のデータによれば、50代の女性は、40代女性に比べ、がん死亡率は倍となっていました。また、50歳代前半までは男性よりも女性の方ががんでの死亡率は高いです。
入院、手術に限定されず、あらゆる治療法に対応できる、一時金タイプと通院タイプのがん保険を検討するとよいでしょう。
配偶者(共働き) お役立ち度 ◎
がんにかかったとしても、こどもが独立しているため生活費の心配は少ないでしょう。ただし、年齢を重ねるとがんの罹患率が高くなるため、がん保険を使って治療費を準備しておくと安心です。がん保険を選ぶ際は、一時金タイプを選べば、さらに安心でしょう。
生活習慣病保険
生活習慣病保険は、がん・心疾患・脳血管疾患等で入院や手術をした際に、保障を受けられる保険です。給付条件は保険会社によって異なりますが、がんは診断時、心疾患や脳血管疾患は一定期間、労働制限を受けるか、障害など後遺症が残った場合、入院したことなどを条件に給付されることが多いでしょう。また、保険会社によって、心疾患や脳血管疾患の対象病名が異なるため注意してください。
世帯主 お役立ち度 〇
生活習慣病保険は、がん以外の生活習慣病リスクにも対応できるため、保険料に余裕があれば加入を検討したい保険です。生活習慣病保険なら、治療が長期化し、治療費がかさむリスクが高い心疾患や脳血管疾患に備えることできます。
収入保障保険に生活習慣病特約を付帯していた場合、保険期間満了に伴い保障が消滅している可能性があるため、このタイミングで契約状況・保障内容を確認するとよいでしょう。
配偶者(専業主婦・パート) お役立ち度 〇
日本生活習慣病予防協会によると、脂質異常症の患者数は女性156万5千人、男性63万9千人と、女性の方が多いです。脂質異常症の人は、動脈硬化を起こしやすくなり心筋梗塞や脳卒中のリスクが、健康な人に比べると高くなってしまいます。保険料に無理がなければ、こどもが独立したタイミングで加入を検討するとよいでしょう。
配偶者(共働き) お役立ち度 〇
生活習慣病により、入院手術を受けたとしても、こどもが独立しているため、生活費の心配は必要ないでしょう。しかし、女性の脂質異常症の罹患率を考えると、保険料が負担にならないのであれば、生活習慣病保険を備えておいた方が安心でしょう。