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医療保険の保険料はいくらに設定する?
病気やケガをしたときの医療費の一部を負担してくれる医療保険。多くの人々がすでに加入していることと思います。とはいえ、自分がいつも払い込んでいる保険料が果たして適切な額なのかどうか分からないという人もいるでしょう。そこで今回は、医療保険の保険料を設定するうえで重要なポイントをお伝えします。医療保険の保険料が高いのではないかと考えている人はもちろん、これから医療保険に加入しようと考えている人もぜひ参考にしてください。
医療保険の種類
医療保険と言っても、実際にはさまざまな種類があります。まずは種類ごとに整理して理解しておきましょう。
終身医療保険
終身医療保険とは、文字通り一生涯保障が続く医療保険のこと。一定の年数が経過したり、所定の年齢に達したりしたからといって、保障が切れてしまうことはありません。そのため、「一生涯にわたって医療保障を確保したい」という人に向いています。保険料は、加入時から一生上がりません。保険料を一生払い続ける終身払いタイプと、一定の年齢で払込が終了する有期払いタイプがあり、月々の保険料は有期払いのほうが高くなりますが、長生きをするほど終身払いのほうが払い込む保険料総額が多くなります。なお、終身医療保険には、貯蓄型と掛け捨て型がありますが、多くの商品は掛け捨て型となっています。
定期医療保険
定期医療保険とは、一定の期間だけ保障する医療保険で、保険期間が満了すると保障がなくなります。そのため、「必要な期間だけ医療保険に加入したい」という人や、「老後は貯蓄で医療費をまかないたい」という人に向いています。掛け捨てで保障期間が限られた保険なので、終身医療保険に比べて加入当初の保険料は割安になります。しかし、5年~10年ごとに一定の年齢まで更新ができ、更新のたびに保険料が上がっていくので、長期間加入する場合は、終身医療保険に比べて保険料が割高になります。
女性向け医療保険
女性保険は、乳がんや子宮頸がんなどの女性特有の病気をより手厚く保障してくれる保険のことです。基本的に、医療保険+女性特有の病気に対する手厚い保障という仕組みになっています。女性特有の病気の保障を充実させるために、入院給付金や手術給付金の保障額が高めに設定してあります。
医療保険の相場はいくらくらい?
「自分が払っている医療保険料は妥当なのか?」という疑問を抱いている人は少なくでしょう。それを知るためには、統計データと比較してみることが大切です。生命保険文化センターが行った調査によると、年間払込保険料は以下のようになっています。
年間 | 月々 | |
---|---|---|
男性 | 22万8000円 | 1万9000円 |
女性 | 17万4000円 | 1万4500円 |
世帯 | 38万2000円 | 3万1800円 |
上記の表は、医療保険だけではなく、生命保険や個人年金保険などの加入している保険すべての保険料を基に算出されたものです。医療保険だけの平均払込額ではありませんが、自分が支払っている保険料を見直すための一つの指標として役立てることはできるでしょう。この金額より支払額がかなり多いといった場合、見直す必要があるかもしれません。
医療保険を比較するときの5つのポイント
医療保険の保険料は、保障内容によって変わってきます。以下のポイントに注意して過不足なく保障を確保することが重要です。
入院給付金日額
入院給付金とは、病気やケガで入院したときに支払われるお金のことで、医療保険の基本的な保障の1つです。入院給付金は、1日につき3000円、5000円、10000円など、定額の形で決められています。たとえば入院給付金日額が5000円のタイプでの契約で、入院初日から給付金が出るタイプなら、5日間入院した場合、5000円×5日で25000円が支給されます。入院給付金日額を高く設定すれば保障は手厚くなりますが、当然その分保険料は高くなります。
入院給付金の支払限度日数
入院給付金の支払限度日数とは、入院給付金が1回の入院で最高何日分支払われるかを意味するもので、60日・120日・180日・360日・730日など多くのバリエーションがあります。支払限度日数が長くなればなるほど保険料は高くなります。
いつまで保障が続くか
医療保険は、保障が一生涯続く終身医療保険と一定の期間だけ保障する定期医療保険に分けることができます。定期医療保険は、終身医療保険に比べて加入時の保険料は割安ですが、更新をすると保険料が上がっていくので、長い目で見ると割高になる傾向にあります。定期医療保険と終身医療保険それぞれに一長一短があり、どちらを選ぶべきは、医療保険にどんな役割を求めているかによって変わっています。自分に合った保険内容・保険料を決めていくためには、何のために医療保険に入るのかを吟味しておくことが大切です。
いつまで保険料を支払うか
終身医療保険の場合、保険料の払込方法として終身払いと有期払いの二つがあります。終身払いは、保障が続く限り一生涯保険料を支払う方法。対して有期払いは、60歳や65歳、もしくは10年や15年など、一定期間のうちに払込みを終わらせる方法で、払い込みが終わっても保障は一生涯継続します。終身払いは、有期払いと比べて月々の保険料が割安です。ただし、一生涯支払いが続くため、長生きした場合の保険料の支払総額は大きくなります。有期払いは、毎月の保険料は割高になりますが、保険料の支払いを終えても保障は続くので、長期的に見ると保険料の総額は安くなる場合があります。
特約を付けるか
医療保険では、主契約にさまざまな特約を付加することができます。たとえば、先進医療特約、女性疾病特約、三大疾病特約、がん特約などが挙げられます。特約を付けると保険料が上がるため、本当に必要な特約かどうかきちんと判断する必要があります。
公的医療保険で得られる保障も考慮しよう
高額療養費制度や傷病手当金などの公的医療保険で、ある程度の保障を得られることを考慮し、それでもまかなうことができない部分について医療保険でカバーするのが基本的な考えです。医療保険ありきではなく、公的医療保険で不足する部分を医療保険で補いましょう。
「保険料が安い」だけで医療保険を選ばない!
医療保険を比較するうえで重要なことは、「保険料が安い」ということではなく、自分のニーズに合った保障を確保し、無理のない保険料を設定することです。医療保険の見直しや新規加入の際には、「何のために保険が必要なのか」を考えましょう。