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公的保険と民間保険
私たちのまわりには、病気やけが、災害など、さまざまなリスクがあります。こうしたリスクに備えるための制度として、国の公的保険と生命保険会社、損害保険会社などが取り扱う「民間保険」があります。日本では、公的保険が保障の主要部分であり、民間保険は公的保険を補完する役割を担っています。
公的保険と民間保険の特徴
公的保険と民間保険の特徴をみていきましょう
公的保険
公的保険(社会保険)には、(1)強制加入(2)保険料が一律または所得に応じて決められている(3)給付内容が決まっている(4)国や自治体による公費負担がある、という特徴があります。
民間保険
いっぽう民間保険は、(1)任意加入(2)年齢や性別、職業によって保険料が決められている(3)保障の内容は契約者が自由に決められる、という特徴があります。
公的保険の種類と補完する民間保険
公的保険には、医療保険・年金保険・介護保険・雇用保険・労働者災害保険などがあります。これらの5種類と補完する民間保険について、くわしくみていきましょう。
医療保険
公的医療保険 | 公的医療保険は、高額な療養費負担によって国民が困窮することを予防するものです。そのため、医療費の負担が高額にならないよう、自己負担割合や自己負担上限額を定めています。 |
民間医療保険 | 民間医療保険は、公的医療保険の自己負担分や、公的医療保険の対象にならないものを補完することを目的としています。 |
年金保険
民間の医療保険の加入目的は、公的医療保険の補完です。自己負担分を補ったり、差額ベット代などの公的医療保険の給付対象とならない部分を補うのが目的です。
公的年金保険 | 日本の公的年金制度は、2階建て方式となっています。1階部分は、国民全員が加入する基礎年金である国民年金、2階部分は、会社員や公務員などの被用者が加入する厚生年金です。どちらも、老齢給付・障害給付・遺族給付の機能があります。 |
民間年金保険 | 民間年金保険は、給付の内容によって保険の種類が異なります。老齢給付には個人年金保険、障害給付には就業不能保険、遺族給付には収入保障保険などが該当します。 |
介護保険
公的介護保険 | 公的介護保険は、要介護者家族の介護負担を軽減し、社会全体で介護費用を負担することを目的としています。そのため、本人や家族の所得にかかわらず必要な介護サービスを受けることができます。介護の必要度合によって要介護区分を設け、区分ごとに受けられるサービスの上限金額を設定しています。 |
民間介護保険 | 民間の介護保険は、公的医療保険を補完するものです。介護認定を受けたときに、一時金が受け取れるタイプと、年金が受け取れるタイプがあります。 |
雇用保険
雇用保険は、労働者の生活の安定や就職の促進、職業の安定、失業の予防や、雇用機会の拡大を目的とした保険です。失業した場合や、職業訓練を受けた場合などに給付が行われます。雇用保険の補完となる民間保険はありません。
労災保険
業務上の事由や通勤による労働者の、負傷や疾病、傷害、死亡の際に、保険給付がされます。社会復帰の促進や、労働者や遺族の援護と言った労働者の福祉の増進が目的です。労災保険の補完となる民間の保険はありません(労災で亡くなった場合でも、民間の医療保険や死亡保険が給付されますが、加入の目的は、病気・けが・万一の場合の保障であって、労災保険の補完ではありません)。
民間保険に加入する前に公的保険を知っておこう
民間保険は、公的保険を補完するものです。民間保険の加入を検討する前に、公的保険があることを知り、足りない部分を民間保険で補うようにしましょう。
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